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「制作スピードは維持したいが、クオリティを下げたくない!」新人デザイナーに送る3つのポイント

「制作スピードは維持したいが、クオリティを下げたくない!」新人デザイナーに送る3つのポイント

2018.09.06

初めまして!4月に入社いたしました、

新卒デザイナーの佐々木です。

普段はwebページのデザインなどをしてます!

が、まだまだ勉強中で毎日、先輩デザイナーさん方から学ぶことだらけです!

さて、新卒が「オイシックスのデザイナーってどんなことをしているの?」を紹介する

シリーズ第3弾は…

EC事業本部の、アートディレクター兼デザイナー戸田さんに実際どのような

仕事をされていらっしゃるのかをお聞きしたいと思います!

EC事業本部とはお客様が商品を購入しやすく、食べたいと思える写真やUIはどんなものか、

生産者さんの想いを伝えるためには、どんな画面構成がいいのかなどを重視する事業部で

その部署で戸田さんはアートディレクター兼デザイナーとして売り場のページデザイン、

写真のディレクションなどを担当してらっしゃいます。

今回は、戸田さんのお話を通して、私が常々感じている

デザイナーの働き方としてどのようにすれば仕事が早く回るかを学んでいきたいと思います!

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戸田 俊作

2017年8月 オイシックスドット大地株式会社に入社

EC事業部UX(ユーザーエクスペリエンス)室にグラフィックデザイナーとして配属

2018年4月 Oisix EC事業本部 販売促進室売り場セクションに

アートディレクター/グラフィックデザイナーとして配属

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1.オイシックスで働いていて求められたこと

佐々木:入社する前の前職、また入ってからはどのようなデザインを 担当されているのでしょうか

戸田さん:小学校時代に漫画をトレースするのにハマって、そこから絵を描くことに興味が湧いて、そのまま特に迷うこともなく美術の世界に行こうと決めました。そして多摩美術大学のグラフィックデザイン学科に入学して、卒業後広告制作会社に入るという、グラフィックデザイナーとして一番ベタなパターンでしたね。入社して3年目くらいまでは、いかに素敵なビジュアルを作るかということにだけ拘っていた気がします。

5~6年経ったある時、すごく時間をかけて作ったデザインが結局世の中にどのような影響を与えたのか?ということが気になり始め、デザインを作って納品してはい終わり!という働き方に少し違和感を覚え始めてました。

それからしばらく経ったある時、大学時代の友人にオイシックスを紹介されました。入社を決めた一番の要因は、自社(=制作会社でいうところのクライアント)の経営方針や、どのような結果を出したいかといった要望をいち早くキャッチアップでき、スピーディーにデザインが作り出せる環境に魅力を感じたからでした。

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佐々木:今どのような仕事を担当していらっしゃるのですか

戸田さん:入社して初めにCX(カスタマーエクスペリエンス)室配属になり、グラフィックデザイン全般を担当してました。自分の部署だけでなく他部署の仕事などにもアサインされ、紙/Web問わず様々な媒体を担当し、今まで自分の培ってきた紙の知識を活かしたり、足りないところは周りの詳しい人に補ってもらったりしていました。半年ほど目の前の仕事をひたすらこなして、撮影のディレクションを担当したりしていたら、4月からアートディレクターになっていました。

佐々木:オイシックスで働いてみてどのような会社だと感じたか、働く上でどういう環境だと感じましたか?

戸田さん:

・PDCAを回すスピードが速い

・共働き世帯で時間に余裕がないお客様に向けたサービス・戦略に力を入れている

・売り上げや閲覧率など、デザインにも常に定量的結果が求められる

という会社だなと感じましたね。

働いている社員の印象としては、良い意味で現実的な思考を持っている人が多い職場だと感じました。課題とか問題点をファクトとしてとらえていて、それに対してどういう打ち手を出していくか、定量的・定性的な情報を見ながら進めている。

例えば、お客様のECサイト滞在時間が短いけど、それって具体的に何分なのか?と、ふんわりとした印象ではなく、具体的な分数まで数値を分析していた事にはとても感心しました。最短で8分、という分析結果を知ったときは、「なんとなく短いという認識はあったけど、ここまで短いのか!」と驚愕しました。

佐々木:8分しか見られないんですね!ではその限られた時間の中でお客様にアプローチするためにデザイナーはどのようなスキルがもとめらましたか?

戸田さん:毎週ワクワクしながら売り場を見に来ているわけではなく、あくまで送料が一部免除になる購入金額ラインを越えるための半ば穴埋め作業のような感覚で購入している場合も多々あり、買い物のモチベーションは決して高いとは言えない。そんな買い物の余裕もモチベーションも無いお客さまのページをスクロールする手を止めさせるには、 直感的に何だろうこれ!?と思うような一瞬で伝わり、かつ思わず食べてみたくなるような魅力的なビジュアルを作るスキルが求められていると思っています。

2.魅力的なビジュアルを短時間で作るポイント

佐々木:その魅力的なビジュアル作りをするために具体的にどのようなことを行っていますか?

戸田さん:意識しているのは、

①meet and talkを大事にし、フットワークを軽くすること

②物事を俯瞰して考え、様々な選択肢を出すこと

③何をやるか、やらないかを見切りをつけ、力を入れる所とそうでない所を作ること

ですかね。

あと、ビジュアル作りと同じくらい大事にしているのは、企画側とコミュニケーションをとって伝えたい情報を精査することですね。あれやりたいこれやりたいと熱意のある企画者も多いんですけど、買い物時間が短いお客様のことを考えると、そんなに多くのことを伝えるのは難しいので、一番伝えたい事とそうでもない事を企画者にふるいにかけてもらうことを重要視しています。デザインを作り出す手前の要件定義がとても大事だと考えていて、デザイナーの立場からでも意見を出すようにしていますね。

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3.meet and talkを大事にし、フットワークを軽くする



佐々木:meet and talkを大事にし、フットワークを軽くするためにどのようにコミュニメーションツールを使い分けていますか

戸田さん:優先度にあわせてコンタクトの取り方を使い分けていますね。優先度が低ければメールで申し送りする、中くらいならハングアウトで送る、高ければ直接その人のデスクへ行く などしてます。



佐々木:では、発注者に対して、ヒヤリングをどのように行っているか、 聞き出すときにどのような工夫をしているかお聞きしたいです(佐々木がヒヤリング苦手なので)

戸田さん:僕の場合は発注者(=クライアント)が社内の企画者になるんですけど、曖昧だったり理解が難しい企画に対してはとことん突っ込んで質問します。「イイ感じのデザインにして!」と言われることが多いんですけど、その「イイ」って何なの?とか(笑)自分が聞いて意味が分からない事は、恐らくお客さまが聞いても分からない企画だと思うので。

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大事なのは、やりたい事や伝えたい事を”一言化”してもらうこと。

言いたいことは多くてもいいけど、中でもこれだけは絶対に死んでも伝えたい!という事は何か、優先順位をつけてもらうようにしています。紙と違ってWEBだとスペースの制約が無いので、作ろうと思えば延々と長いページが作れてしまいますが、お客様がページに滞在する時間は限られているので、伝えたい情報の取捨選択にはかなり気を遣ってます。

4.物事を俯瞰して考え、様々な選択肢を出すこと

佐々木:では、物事を俯瞰して考え、様々な選択肢を出す為にどのようなことをしていますか

戸田さん:世の中をよく観察する事と、デザイナーではない“普通の人”の思考や心理をキャッチアップする事を大事にしています。街に行ってお店を観察するとか、王様のブランチを観るとか。 デザイナーとして生きていると、このポスターの写真のパース少しおかしくない?とか、ここの文字詰めがなんか気持ち悪いなぁ…とか、ついつい細かいところに目が行きがちになってしまいますが、“普通の人”はそんなに注意深くデザインを見ているわけではないし、むしろデザイン以外の関心事の方が多いと思います。そもそも僕らはそういう“普通の人”に向けてデザインを作っているわけで、デザインを受け取る側の人の感性を常に自分の中に無くさないように注意しています。

情報収集はもう昔からの習慣で、学生時代からフリーペーパーを見つけてスクラップしたり、WEB上で見つけた良いデザインの画像をストックして、今では40,000枚くらいあります。これはいろんなデザインの表現パターンを前もって把握しておく為で、あとはその中から、どの表現が今回の企画の主旨を伝えるのに最適かを選ぶだけ、という状態にしておくとアイデアを一から考える手間が省けるので、制作時間の短縮・効率化に役立ってます。

5.何をやるか、やらないか見切りをつけ、力を入れるところとそうでないところを作る

佐々木:では最後のポイントの何をやるか、やらないかを限られた時間の中で見切りをつけ、力を入れるところとそうでないところを作るとはどういうことをなされていますか。

戸田さん:その企画の意図や魅力を伝える上で、必要ないなぁとか邪魔になるなぁと思う要素は一旦全てとっぱらうところから始めています。引いて引いてその結果、何か味気ないな…と感じたら、最後まで残っている要素、つまり一番大事な要素を深堀して磨いていく、というような事をやっています。

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ちょっと抽象的過ぎて分かりにくいので、らでぃっしゅぼーやを子会社化した際に、oisix.com内にらでぃっしゅぼーやのブランドページを作るプロジェクトの事例を交えて話します。プロジェクトのメンバーでどういう売り場にするか議論を交わした結果、「笑顔溢れる食卓作りを手伝う」売場ページにしよう!ということでまとまりました。これも、やりたい事や伝えたい事の”一言化”ですね。この一言化したステートメント(=声明文)を基にして、「生活感」「食卓感」「食育」といったキーワードを出していき、それらを体現した表現は何だろうか、という事を考えました。

食品を売る上で重要な要素の一つである写真に関しては、お皿を持つ手を移りこませたり、ジュースを注いでいる瞬間を切り取ったりと、「人感」を感じる写真にしようと意識しました。毎週切り替わるTOPのビジュアルは、お母さんが出来上がった料理をテーブルの上にポンっと置く瞬間を写真にしています。

細かいディテールのデザインにも気を遣っています。商品キャッチのアンダーラインだったり、コメントの吹き出し線だったりを、ちょっと掠れた破線にしました。その線のチョイスにまでこだわることが重要だと考えています。直線なのか、点線なのか、太さは1ピクセルなのか、色は何色なのか…その線のテイストでページの印象がガラッと変わってくる。一番らでっしゅぼーやの生活感、暖かい雰囲気を伝える線は?と考えたとき、刺繍みたいな温もりの感じる点線にしようという結論に至りました。

一つ一つのディテールの突き詰めの集合体が”そのものらしさ”が伝わるデザインに繋がっていると考えていて、確かこれと同じような事を水野学さんも書籍の中でおっしゃっていたと思います。確か、ブランディングとは細かいところをコツコツ積み上げていくことで出来上がっていくのだと。

おそらく、細かいところまで作りこまなくてもある一定のクオリティーにはなると思っていて、お客様もそんなに細かいところまで意識的には見ていないかもしれないし、デザイナーのエゴの部分が大きいと思ってます。じゃあなぜ自社のデザインのクオリティーを高める為に色々頑張っているかというと、世の中的にも徐々に注目され始めてきたオイシックスというブランドのある種の義務だと思っています。 ただでさえ一般のスーパーに比べると良い値段の商品を売っているお店が安っぽい印象だったら、会員になっているお客様のロイヤリティーも下がってしまうので、クオリティーの高いデザイン作りにこだわるのはオイシックスのデザイナーとしての義務だと考えています。

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6.最後に

佐々木:インハウスデザイナーとしての強み、オイシックスデザイナーとしての強みとは 

戸田さん:制作会社とインハウス両方を経験して実感したのは、

企画が煮詰まってから制作に降りてくるのが制作会社の常だと思うのですが、煮詰まる前の企画にデザイナー観点で意見が言えることが強みであり醍醐味だと思います。あと、デザインしたものに対する結果がすぐに手に入ることですかね。

デザイナーって企業とお客様とをつなぐ架け橋を作る役目だと考えていて、企業が提供したいサービスや商品ってデザイナーが作った制作物を通してお客様の目に入ってくるから、デザイナーはお客様がどんなものを求めているのか理解していなといけないし、一方で企業の戦略ややりたいことの理解とキャッチアップもしなくてはいけない。それがしやすい環境がインハウスなのだと思います。

ただ、得てしてお客様からのお声や要望というのは、どうしても最初は企業の上位レイヤーの経営層だったりカスタマーサポートだったりと、デザイナーから離れた所に届きがちになってしまう。その後、デザイナーの所におりてくる、もしくは、デザイナーの所に降りてすらこないことも多くある。そんな時、デザイナーは情報が降りてくるのをただ待つのではなく、自分から拾いに行くくらいの行動力を持つことが大事だと思います。動けばいくらでも情報を拾いに行けるのが、オイシックスの良いところだと思います。



佐々木:では最後に今後どのようなものを作っていきたいかどのように思われるものを作っていきたいか、意気込みをお願いします!

戸田さん:デザインには、見た目やイメージを良くするだけではなく、売り上げや閲覧数といった結果も良くする力がある、という仮説が自分の中にあって、今はそれを証明するための具体的な事例を生み出そうとしているターンです。例えば、写真を撮り直したら、売り上げがどれだけ上がるかとか。そういう成功体験をデザインの中でいっぱい作っていきたいですね。 あとは、沖縄でリモートで仕事できたらいいな…と思ってます(笑)


以上。戸田さんインタビューでした!

戸田さんのお話しから 速いスピードでPDCAを回すためにも 制作スピードは維持しなくてはならない、だがクオリティを下げられない デザイナーの仕事の進め方を学びました!

ポイント①meet and talkを大事にし、フットワークを軽くすること

ポイント②物事を俯瞰して考え、様々な選択肢を出すこと

ポイント③何をやるか、やらないかを見切りをつけ、力を入れる所とそうでない所を作ること

私は常々作業スピードを上げたい!と感じつつ仕事をこなすことに精一杯だったので是非、

今回お聞きしたこの3つのポイントをこれからの業務にも生かしていこうと思います!

以上、新卒佐々木がお送りしました!

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U30 デザイナー
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