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元アマゾンジャパンの星 健一さんが、Oisix ra daichi COO就任へ。 「ビジネスのスケーラビリティーは、仕組みから」

元アマゾンジャパンの星 健一さんが、Oisix ra daichi COO就任へ。 「ビジネスのスケーラビリティーは、仕組みから」

2020.02.03

アマゾンジャパン元リーダーシップチーム(経営会議)メンバーが、Oisix ra daichiのCOO(Chief Operating Officer)に、4月から就任します。

その人の名前は、星 健一さん

2008年、アマゾンジャパンに入社。家電など14事業部からなるハードライン事業本部。『マーケットプレイスビジネス』を牽引するセラーサービス事業本部。B2B企業向け販売であるアマゾンビジネス事業本部。これら主要事業を統括する立場で、急成長するアマゾンを現場でリードしてきました

2018年のアマゾンジャパン退社後は、日本企業の海外市場も視野に入れたビジネス拡大を支援するコンサルティング会社『kenhoshi&Company』を立ち上げ、「日本の会社を元気にする」をミッションに活動。

数々の事業の躍進に関わってきた星さんが大切にしているポリシー。それは……

「ビジネスのスケーラビリティーは、仕組みから」

自動化できるものは細部に至るまで仕組み化し、ヒューマンエラーを防ぎ、顧客満足度を向上させる。同時に、クリエイティビティが求められる仕事にメンバーのリソースを集中させる。結果、顧客への提供価値がますます高まる。

COOとして、Oisix ra daichiの更なる飛躍を実現する仕組みづくりに貢献したいと星さんは言います。その背景を聞きました。


絶対思考を自らに叩き込み、変化してきた10年間

ーー 星さん、ようこそOisix ra daichiへ! まず自己紹介をお願いします。

星さん:私は約30年のキャリアですが、その大半を海外で過ごしました。1990年から2005年までの15年間は、旧ソ連、インド、シンガポール、フランス、ルーマニアと5つの国で働き、フランス、ルーマニアでは取締役社長として会社経営も経験しました。

図1

星さん:2005年には、金型標準部品、ファクトリーオートメーション部品などの商社である株式会社ミスミに入社し、タイ法人の取締役社長を務めました。これらの海外でのトップとしての経験が、私の経営的視点の礎となっています。

そして、2008年にアマゾンジャパンに入社。当時の日本国内の社員数はわずか数百人、年間売上は2000億円程度(※1)でした。それが退職する2018年には、社員数は7千人(※2)、売上は1兆5千億円(※1)を超える規模に拡大。驚異的な成長率ですよね。

(※1) amazon.com決算報告書
(※2) 2018年5月22日 日本経済新聞

いくつもの課題が立ちはだかる中で、高い成長率を維持しながら、事業本部長として複数の事業を推進してきた経験は、私の大きな財産になっています。

ーー アマゾンジャパンで働くなかで、ご自身も大きく変化したと感じますか?

星さん:もちろんです。そもそもアマゾンの普通の基準が、それまでに働いていた日本企業や海外現地法人で身につけた基準と全く異なってました。

私の著書『amazonの絶対思考』のなかで、アマゾンの基準を『絶対思考』と呼びましたが、この絶対思考を自らに叩き込み、リーダーシップスタイルや思考法を柔軟に変化させてきたつもりです。

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星さん:正直、時には元々の自分の猪突猛進的なリーダーシップスタイルを否定され、立ち止まることもありました。ですが、今となっては、自分を成長させる機会を与えてくれたアマゾンに感謝するばかりです。

根底にあるのは「顧客中心主義」と「仕組み化」

ーー 『絶対思考』の話がありましたが、星さんがアマゾンで事業推進する際に大切にしてきた考え方とは、何なのでしょうか?

星さん:全ての中心にあるのは「顧客中心主義」です。

様々な会社で「お客様を大切にしよう」と語られますよね? でも、アマゾンは精神論で終わりません。

例えば、顧客の立場になって、最大限に品揃えを充実させる。その上で、それを支える物流システムの効率を高め、ミスを無くし、コストを抑えるにはどうすればいいか……?

この難しい問いに対し、アイデアを振り絞り、工夫を重ねるのが、アマゾン社員の仕事です。

お客様の発想や要望からスタートし、常にお客様の立場で考えるために、私の部署では、私を含め、一人ひとりが顧客の声、VOC(Voice of Customers)を定期的に聞く機会もつくりました。もちろん、お叱りの言葉だけなく、お客様からの感謝の言葉の両方です。

サービスのあるべき姿から、その実現を支える教育やカルチャー、意思決定プロセスまで、全てを「顧客中心主義」で考え抜く。この考えが私に深く刻み込まれています。

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星さん:その上で、大切にしているポリシーは「ビジネスのスケーラビリティーは”仕組み”から」という考えです。

人間がどんなに頑張っても限界はあるし、ミスをなくすことは不可能です。したがって、仕組み化が可能と認められた作業は、できるだけ細部に至るまでシステムに置き換え、自動化します。

アマゾン社内の用語で「Good intention doesn’t work, only mechanism works.」 すなわち「頑張るだけじゃだめ、メカニズムだけがうまく事を動かす」という言葉がありますが、これを徹底しました。

システム化というと、一見すると無機質に聞こえるかもしれません。ただ、発想を飛躍させて新たな顧客サービスを考るなど、AIには難しく人間にしかできない仕事は沢山あります。これらクリエイティビティが求められる仕事が、新しい価値を生み出すはずです。

仕組み化により、忙しさを緩和し、考える時間を増やし、新しいアイデアを生み出す。このサイクルが、事業を飛躍的に成長させるうえで重要です。

Oisix ra daichiは、生産者との関係が実に素晴らしい!

ーー アマゾンジャパンをはじめ、様々な経験を積んできた星さんが、Oisix ra daichiにジョインするきっかけは何だったのでしょうか?

星さん:共通の知人を通じて、髙島さん(Oisix ra daichi 社長)と知り合う機会をいただいたのがはじまりです。髙島さんや役員の皆さんと何度か話すうちに、「COOとして働いてみないか?」とオファーをいただきました。

もともと私自身、Oisix ra daichiのビジネスモデルに強いリスペクトを感じていたので、オファーを断る理由がありませんでした。

ーー どういう点に、リスペクトを感じていたのでしょうか?

星さん:特に素晴らしいと感じるのは、生産者の方々への向き合い方です。

図1

星さん:生産者の方々と栽培状況を共有し、収穫された食材をどう魅力的に見せるかを考え、実際に食べたお客様の声もフィードバックする。

生産者の方々とこんなに顔の見える関係で向き合えているなんて、信じられません

私がアマゾンで『マーケットプレイスビジネス』の責任者をしている時、販売事業者から「アマゾンの社員が見えない。何を考えているかわからない」とよく言われたんです。

それで、私たちの考え方を事業者の方々に伝える『セラーカンファレンス』を実施しました。また、アマゾンという名前をジャングルになぞり、事業者の方に命名してもらった『密林会』という事業者との繋がりをつくるコミュニティーイベントを各都市ごとに定期開催していました。

ただ、規模を追っていくと、どうしても距離感は生まれてしまいます。アマゾンのスケール(規模)を追うビジネスモデルと、パートナーである販売事業者を大切にしたい私の思いに、ギャップが生まれてしまったのも事実です。

Oisix ra daichiは規模を拡大ながらも、生産者の方々との関係も継続して育んでいる。それが、お客様にも伝わっている。これを実現できているのは、本当にすごい。

生産者との強い繋がりがあるからこそ、消費者となるお客様にも素晴らしい食材を届けることができ、消費者にも生産者の想いが繋がっていく。

今後、Oisix ra daichiが規模をより拡大させていくなかで、この姿勢は絶対に失ってはいけないですよね。

「これからの食卓、これからの畑」の実現に貢献したい

ーー これからCOOとして、どのような役割を担っていきたいと考えてますか?

星さん:髙島さんたちが私に期待することは、「生産性改革」を推進することに尽きると思います。

『Oisix』『らでぃっしゅぼーや』『大地を守る会』の3ブランドがひとつの会社になりました。それぞれの強みを発揮させる環境が整い、これから年間売上1000億円、2000億円の山を登っていく。

そのなかで、お客様に最高のサービスを提供するために、オペレーションもその拡大を支えられるように進化しないといけない。そのための生産性改革です。

まだ、これからOisix ra daichiについて学ぶ段階なので大きなことは言えませんが、私の経験と知見を活かし、貢献したいと考えています。

「食」という人間にとって一番重要かつ楽しい分野で、生産者の方々からも、消費者の方々からも、より多くの「ありがとう」を言われる仕組みづくりを築く

Oisix ra daichiのサービスレベルを今以上に高めるために、これが私が担って行きたい役割です。

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ーー 最後に、Oisix ra daichiのメンバーにメッセージをお願いします!

星さん:純粋に、Oisix ra daichiのみなさんと一緒に仕事ができることを光栄に思っています

私もEコマースの仕事に携わってきましたが、食を扱うのは本当に難しい。お客様の口に入るものなので、極めて高い安心と安全が求められます。

そんな食の世界で、既に生産者と消費者を繋ぎ、おいしい食卓を作っていくビジネスモデルを築いてきた皆さんは本当に素晴らしいと感じていますし、心から尊敬しています。

Oisix ra daichiのカルチャーを大切にしながら、私のこれまでの知見や経験をクロスして、「これからの食卓、これからの畑」の実現に貢献していきたいです。

図1

<文章:井手桂司>

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