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地方の食材が東京に届かなくなる? 物流危機による「負の連鎖」にどう立ち向かうか。

地方の食材が東京に届かなくなる? 物流危機による「負の連鎖」にどう立ち向かうか。

2020.02.13

「物流危機」という言葉を、ご存知でしょうか?

ネット通販の急成長を背景に、商品を配達する運送会社の業務過多や労働者不足が深刻化し、物流費が高騰しています。この事態に影響を受けているのは、通販会社だけではありません。商品を出荷する生産者も、厳しい現実に直面しています。

Oisix ra daichiでは、全国4000戸以上の生産者と契約をしていますが、その大半が九州や東北など、三大都市圏から遠方の地域。

このままでは物流費の負担が増加し、生産者の収益が圧迫されてしまう。また、食材を販売する商圏が狭まり、生産者の持続的成長に陰りがでてしまう。それは、生産者と消費者を繋ぐOisix ra daichiにとって、お客様に提供する食材の種類や量が減ることにもなります。

物流危機によって引き起こされる「負の連鎖」を防ぎたい。そのため、Oisix ra daichiには、物流のあり方を変えるプロジェクトチームがあります。

それが、配送本部 配送企画部です。

生産者にとっても、パートナーである運送会社にとっても「三方よし」となるかたちとは何か? 今回、配送企画部の水間健介さん林直人さんに、物流の現状と取り組みの展望について話を聞きました。


「仕入れる」と「届ける」。ふたつの物流。

ーー よろしくお願いします!失礼ながら、物流になじみが薄く、配送本部ってどんな仕事をされているんですか?

水間さん:
簡単にいうと、我々が担当している物流は「ふたつ」に別れています

図1

(左)水間健介さん。配送本部 副本部長。大学卒業後はコックとして働いた後に、大手外食チェーンで物流の仕事に関わる。30歳を超え、自分でつくっている手応えを感じられる会社で働きたいという想いのもと、オイシックスへ2012年に入社。

(右)林直人さん。
新卒入社で現在3年目。1年目から水間さんと一緒に働く。大学時代に和食の魅力を伝える会社でインターン。「より豊かな食生活をより多くの人へ」という企業理念(経営統合前のオイシックスの企業理念)に惹かれ入社。

林さん:
ひとつは「調達物流」。生産者の方々から我々宛に食材を送っていただくものです。Oisixであれば、海老名にある配送センターに全国の生産者から食材が届きます。

ふたつめは、我々からお客様のご自宅に食材をお届けするもの。Oisixの場合、海老名の配送センターで、お客様から注文いただいた商品を段ボールに詰めていきます。そうして出荷準備した商品を、海老名から全国のお客様にお届けします。

図1

水間さん:
このふたつの物流の効率を高めることが、我々が担っている役割です。

経営統合以前、オイシックスでは物流を自分たちで管轄していませんでした。調達物流においては、生産者の方々が個別にトラック運転手や配送会社と契約いただき、配送センターに食材を送ります。また、お客様に届ける物流では、パートナー企業であるヤマト運輸さんに一任していました。

ただ、「大地を守る会」と「らでぃっしゅぼーや」では、以前から自社のトラックでお客さんに食材を運ぶ配送網を持っていたんですよね。

図1

水間さん:
物流費が高騰していくことは、数年前から目に見えてわかっていました。

そのため、オイシックスと大地を守る会が統合するタイミングで、大地を守る会の物流担当メンバーに、オイシックスからも何人かメンバーが加わり、物流の効率改善の促進にコミットする部門として生まれたのが「配送本部」です。

このままでは「これからの畑」は育たない。

ーー やはり物流費の高騰は、会社をあげて取り組むべき課題なんですね。

水間さん:
そうですね。近い将来、九州の生産者さんが東京のお客さんに食材を売るのを断念するケースが、相次ぐかもしれません。

図1

水間さん:
実際、東京に売るのはやめる決断を取る九州の農家さんもいます。売ったとしても関西までとか。極端な例だと、道の駅でしか売らないというケースも。

物流費が高騰しているため、生産者さんの商圏がどんどん狭くなっています。これでは、生産者さんの持続的な成長が難しい。同時に、私たちがお客様に提供する食の種類や量にも大きな影響がでてしまう。「これからの畑、これからの食卓」を目指す私たちとしては、物流危機は避けて通れない問題なんですよ。

ただ、食の物流について調べてみると、ムダが多く発生している領域であることもわかりました。

例えば、どのトラックにも60%くらいしか荷物を載せていないのに、各農家さんがトラックを1台ずつ用意していたり。誰かが束ねて、3軒の農家さんで2台のトラックにまとめてあげれば全員幸せじゃないですか。それを今まで誰もやっていなかったんですよ。

物流は改善できる余地がかなり大きい。それをパートナー企業であるヤマト運輸さんと一緒に取り組んでいる最中です。

農産品物流の課題解決に向けたプロジェクトとは?

ーー ヤマト運輸さんとは、どんな取り組みをされているんですか?

水間さん:
これから実施していく段階ですが、生産者の物流における負荷を軽減する様々な取り組みを実施する予定です。

私たちは、この取り組みを「ベジネコ®」プロジェクトと呼んでいます。

図1

水間さん:
例えば、海老名から九州のお客様宛の商品をヤマト運輸さんのトラックで運ぶじゃないですか。そうしたら、帰りの便で九州の農家さんたちの食材を運んできてもらう。これまで、こういった連携ができてなかったんですよ。

また、多くの農家さんにとって、受発注業務や帳票作成がすごく煩雑でした。電話やFAXで配送業者に連絡し、手作業でデータを打ち込み、再び電話やFAXでやりとりを行う。配送における手間が、生産者の方々にとって大きな業務負荷になっていたんですね。

それで、ヤマト運輸さんと一緒に、PCやスマホで一括して受発注業務や帳票作成ができるシステムを作成しました。

今後は、入力してもらったデータを各エリアの配送業者と連携し、輸送の効率化を図る仕組みをつくります。それにより、各生産者がバラバラに発注をしていたことで生じていたムダをなくしたい。

このシステムは、オープンプラットフォームとして、Oisix ra daichiと直接契約のない生産者の方々にも解放していきます。それは、物流費高騰に悩む全国の生産者さんたちに貢献したいと思っているからです。

「三方よし」の仕組みを実現することが大切

ーー なるほど。新しい仕組みを考え、形にするのが配送企画部の仕事なんですね。

林さん:
はい。また、仕組みづくりで大切になってくるのが、生産者やお客様だけでなく、パートナーである運送会社の方々についても真剣に考えることです。

ものを作る人。ものを運ぶ人。それを味わう人。

それぞれにとって価値のある「三方よし」でないと、持続可能な仕組みにはなりません。

図1

林さん:
ネット通販が成長し、どんどんサービスが便利になるなかで、そのしわ寄せが配送会社や従業員であるトラックドライバーの方々にいっていたと思うんですよ。だから、配送会社も配送料を見直すしかなかった。

そのため、これからは配送会社に全てをお任せするのではなく、物流のあり方を共に考えていくことが大切なのではないかと思います。私たちは、生産者さんの事情に詳しいですし、一緒に考えることで新しい仕組みが生み出せるはずです。

物流の仕事というと、効率化とかコストダウンとか、ロジカルな印象があるかもしれませんが、やってみると人間的な付き合いがすごく求められます。どんなにいい仕組みを考えても、それを実際に動かしていくのはトラックドライバーの方々ですから。

この仕事をして、ロジカルシンキングや数字に強くなったと思いますが、それ以上に色んな立場の方々と関係を築くコミュニケーション力が育ったように感じます。

人と付き合い、巻き込み、数字を動かす!

ーー 今日、おふたりの話を聞いて、事業経営における物流の大切さを思い知らされました。

水間さん:
正直、物流って、あまり身近に感じられてないと思うんですよ。

でも、ネットで何か商品を買ったら、誰かがそれを自宅に運ぶわけじゃないですか。さかのぼると、誰かが倉庫なり配送センターにその商品を運んでいるわけです。身近には感じないかもしれないけれども、よく目を凝らしてみたら、周りに散らばっているのが物流なんです。

そして、今、大きな危機が起こっている。すごくやりがいを感じる仕事ですよね。物流に取り組む身として、「物流って、なんだかニッチ」と思われるのはイヤ(笑)

図1

林さん:
本当にそうですね。物流って事業を営むうえで本当に重要ですからね。

効率化を推進し、少しでもコストダウンできれば、年間で見たときの数字のインパクトには驚かされますよ。億単位で数字が動きますから。人と付き合い、人を巻き込み、ダイナミックに数字を動かす。それが、やりがいですね。

物流危機と言われて久しいですが、これを機会と捉えて、「三方よし」の仕組みをしっかりと築きあげていきたいです。

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<文章:井手桂司>

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