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社長自ら、お客様宅へ訪問! 半歩先のサービスを生み出す「顧客の裏切り方」を学んだ日々| オネストフード代表 佐藤淳さん
特集

社長自ら、お客様宅へ訪問! 半歩先のサービスを生み出す「顧客の裏切り方」を学んだ日々| オネストフード代表 佐藤淳さん

2020.06.12

多くの人が、安全でおいしい食卓を笑顔で囲むために。食を作る人が、報われ、誇りを持てる仕組みを構築するために。オイシックス・ラ・大地では「これからの食卓、これからの畑」を理念に、食にまつわる社会問題をビジネスで解決すべく様々なチャレンジをしてきました。

そんなオイシックス・ラ・大地を、私たちの近くにいる人たちは、どのように見てくれているのか?私たちにゆかりのある人を訪ね、社内にいると気づきづらいオイシックス・ラ・大地の魅力や価値を再発見していきます。

今回は、オイシックス・ラ・大地のOBであり、現在は「日本から東アジアNO.1となるペットフードブランドを」をビジョンに掲げるオネストフード社の代表である佐藤淳さんに話を聞きました。佐藤さんがオイシックス・ラ・大地で最も学んだことは「お客様を裏切る価値の作り方」と言います。その真意とは?

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世界に誇るペットフードブランドを目指して!

ーー 今日はよろしくお願いします!先日、オネストフード社が、第三者割当増資による6,000万円の資金調達を行ったプレスリリースを拝見しました。はじめに、佐藤さんたちの挑戦の現状について、まずは話を聞かせてください。

佐藤さん:
オイシックス・ラ・大地を2018年に退職し、国産・無添加のグレインフリーペットフードを企画・販売するオネストフードを起業しましたが、事業拡大に向けて基盤がようやく整ってきました。僕らはサブスク型のECでペットフードを販売しているのですが、会員数は昨年対比で10倍以上伸びており、累計の販売数も40万食を突破しています

欧米などのペット先進国ではグレインフリーのペットフードが一般的になってきている一方、日本や東アジアでは、ほぼ欧米からの輸入製品に頼っている状態です。日本は従来ペットフード後進国と言われてきましたが、実際には優れた食材と製造設備や技術があり、人の食事と同じ様に、ペット向けの食事でも世界をリード出来る実力があります。

今回の資金調達によって事業拡大のための土台を整え、日本から世界に誇るペットフードブランドを生み出すことで、より多くのご家庭へ高品質なフードをお届け出来るようにしていきたいです。

(▼)歴代最高の獣医師評価を獲得したオネストフード社の国産・無添加のプレミアムキャットフード「レガリエ」(詳しくはコチラ

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ーー 佐藤さんが起業してから、これまでで一番苦労したことは何ですか?

佐藤さん:
特に大変だったのは、商品開発ですね。グレインフリーのペットフードを開発したいと思っても、特殊な設備やノウハウが必要なので、簡単に実現できるものではありません。手当たり次第、様々な工場に製造依頼の相談をしましたが、全て断られました。

流石に焦りましたね…。このままでは、起業したものの、実現したい品質の商品を生むことはできないんじゃないかと。

でも、ようやく製造をお願いできる先が見つかって、そこが今のパートナーなんですけど、商品開発を進めることができました。もちろん、開発途中にも数々のハードルがありましたが、今は自信を持てる品質の商品を開発することができました。

大きな事業を立ち上げる修行先として入社

ーー 佐藤さんは、大学を卒業後に起業を一度経験していて、今回が二度目の起業なんですよね?

佐藤さん:
そうですね。大学生の時に、インターンとして雑貨やアパレルを取り扱うECサイトを運営している会社で働いていました。そこは、自社でECのコンサルティングもしており、自分はそのコンサルティングの仕事をさせてもらいました。

インターンの経験をもとに、大学卒業後は、自分でECコンサルティング会社を設立し、約4年間、食品から雑貨、アパレル、サプリメントまで、幅広いEC事業の立ち上げや成⾧をサポートしていました。

ただ、他社の事業をサポートをするだけでなく、自分で大きな規模のビジネスを立ち上げたい気持ちが次第に大きくなり、事業会社で経験を積むべきと感じるようになりました。それで、2013年に就職したのが、オイシックス・ラ・大地です(当時はOisix)。

ーー 様々な選択肢があるなかで、オイシックス・ラ・大地を選んだ理由は何なんですか?

佐藤さん:
ひとつは食のECを事業としていることです。生鮮食品のECって、他の商材と比べて、扱いがすごく難しいですよね。例えば、配送にしても、温度帯に気をつけなきゃいけないし、賞味期限の問題もあります。また、野菜なんかは生産量を倍にしたいといっても、自然を相手にしているので、簡単に実行できない。ビジネスを学ぶのであれば、難しい商材を扱っている分野に身を置くのが、得るものが一番大きいと思いました。

また、Oisixは当時では珍しくサブスク型のECモデルをやっていました。ネットの広告費が年々高騰するなかで、これからはお客様と長くお付き合いするサブスク型モデルが望ましいと感じていたので、そこも魅力に映りました。

加えて、実は僕がインターンで働いていた時のコンサルティング支援先のひとつがOisixだったんですよ。そこで出会った社員のみなさんが、非常に論理的で、優秀な人たちが多かったので、それも選択を後押しした理由のひとつです。

オイシックス・ラ・大地で働く中で得られたもの

ーー 佐藤さんは、約5年ほどの在籍期間でしたが、どんな仕事をしていたんですか?

佐藤さん:
ほとんどの時間は、OisixのEC事業本部で販売推進室の責任者として過ごしていました。ここでは、OisixのEC事業全般に関わっていましたね。日々の販促企画から、商品の開発計画、また、会員制度の設計や、PC及びスマホのUI設計まで。

例えば、商品のプライシングや送料を変化させると、お客様の年間購入金額にどれくらい影響があるのかを、様々なデータをもとに、ABテストを繰り返しながら検証していったり。

もともと論理的にデータを分析することは得意でしたが、販売推進室での経験で、よりトレーニングされたように思います。また、Oisix創業メンバーで取締役の堤さんなど、経営陣が近くにいたので、彼らの経営に対する考え方や問題の解き方を間近で学べたことは貴重な経験でした。

ーー 佐藤さんは、日本初の“食”を専門としたファンドFood Tech Fund(現:Future Food Fund)の立ち上げにも関わってますよね。

佐藤さん:
そうですね。2016年に、現在Food Tech Fund代表で取締役の松本さんと一緒に立ち上げました。

ここでは、投資家の方々が、どういう基準で事業やスタートアップに出資するのかを学べたのが大きかったですね。僕自身、起業して事業をおこしたいと考えていたので、投資家側の目線を学べたのは、いい経験になりました。

オイシックス・ラ・大地に入社した時は、「3年くらい働いて、独立しよう」と思っていたんですが、振り返ってみると約5年働きました。入社当時から、「いずれ独立する」と会社のメンバーに伝えてもいたので、退職する時は「意外と長くいたね」とからかわれました(笑)。

どうやってお客様を裏切るか?

ーー 現在、佐藤さんが自分で会社を営むなかで、オイシックス・ラ・大地での経験が活きていると特に感じることは何ですか?

佐藤さん:
Oisixでは、数字やデータの裏にあるお客様の行動や感情を知るために、徹底的にお客様の声を聞きますよね。行動規範のひとつに「お客様を裏切れ」がありますが、目に見えないお客様の感情を理解し、半歩先のサービスを提供するための思考を身につけられたことが、特に大きいと思います。

僕が入社して驚いたのが、社長の宏平さんも、定期的にお客様のご自宅に訪問して、インタビューをしていることです。社長自らが、お客様のもとへ伺って、お客様理解に努める姿を見て、本当に顧客視点に立ったサービスづくりを大切にしている会社だと実感しました。

それまでの僕はデータや数字の分析を得意にしていたんですが、数字の裏にあるお客様の感情まで踏まえた上で、次の打ち手を考えることはできていませんでした。ロジカルだけでなく、お客様の感情と数字を結びつけることで、サービス改善の質が高まります。事業を成長させていくために必要な学びを多くもらいました。

(▼)オイシックス・ラ・大地社長・高島の顧客インタビューの様子を取材いただいた記事です。
https://xtech.nikkei.com/it/article/COLUMN/20111017/370920/

ーー 佐藤さん自身も、宏平さんと一緒にお客様のご自宅へ訪問した経験があると聞きました。

佐藤さん:
入社して直ぐの頃ですね。オイシックス・ラ・大地の新入社員は、入社すると、宏平さんのお客様宅への訪問に同行する研修を必ず受けるんですよね。

宏平さんのお客様インタビューは、すごく記憶に残っています。まず、お客様との関係性づくりがものすごく上手い。適度にラフな感じで、お客様が何を言っても大丈夫という安心感を与えていく。同時に、仮説も用意していて、お客様にどんどん切り込んでいく。

どのようにお客様の行動を客観的に把握し、潜在的なニーズを探っていくのか。すごく勉強させてもらえましたね。

ビジネス=社会を良くするためのツール

ーー 最後に、現在のオイシックス・ラ・大地は、佐藤さんからはどのように見えていますか?

佐藤さん:
やっぱり食という難しい領域で成長してきているので、問題解決能力が高い会社だと思います。また、食の分野への専門知識もたまっているので、食に関する社会課題へのソリューションは一番提供できる会社なのではないでしょうか。

例えば、オイシックス・ラ・大地のグループ会社である移動スーパー「とくし丸が成長しているのが、すごくいい事例だと思います。もともと社会的価値の高い事業を営んでいた企業に、オイシックス・ラ・大地のメンバーが入り、ノウハウや知識を混ぜ合わせることで、成長のスピードをあげ、社会課題により貢献する。いい循環ですよね。

もともとビジネスを通じて社会に貢献したいメンバーが多いので、食の領域に横たわる様々な社会課題に対して、これからもどんどんアプローチしていってほしいですね。

ーー ありがとうございます。佐藤さんも、「ビジネス=社会を良くするためのツール」という信念のもと、ビジネスに向き合っているとオネストフードのWebサイトに書いてますよね。最後に、ビジネスを通じて社会貢献したい人へメッセージをいただけますか?

佐藤さん:
そうですね。繰り返しになりますが、数字と感情を両方バランスよく考えることが、ビジネスにおいて重要だと思います。でも、どちらかに苦手意識を持つ人は少なくないですよね。データ分析が得意な人は、顧客インタビューが苦手だったり。

ただ、慣れで解決する部分もあるし、チームで解決すればいいとも思います。精通してなくても、考え方の大枠を理解して、細かい部分は得意なメンバーに任せるとか。数字と感情をバランスよく見れるようになると、ソリューションの幅が一気に広がります。

あとは、仕事を楽しんでやることですね。仕事をしていると、トラブルが数多く起こりますが、自分が求めている商品ができた瞬間や、お客様に喜んでいただけた瞬間を覚えていると、モチベーションとなり踏ん張れます。僕自身、そういった瞬間を、これからもどんどん増やしていきたいです。

(2020年5月19日にオンラインにてインタビュー)

執筆:井手桂司 編集:ORDig編集部

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