オイシックス・ラ・大地の「挑戦」を深ぼる

全ては食の未来のために。元アマゾンジャパンの大木聡さんが、オイシックス・ラ・大地で挑む変革の展望

全ては食の未来のために。元アマゾンジャパンの大木聡さんが、オイシックス・ラ・大地で挑む変革の展望

「これからの食卓、これからの畑」を理念に、食にまつわる様々な社会課題の解決を目指すオイシックス・ラ・大地。今回は、2020年12月からオイシックス・ラ・大地に執行役員 兼 システム本部・本部長として加わってもらった大木聡さんを紹介します。

大木さんは2013年に、アマゾンジャパンに入社。2020年11月に退職をするまでの約8年間、急成長するアマゾンの成長部門や先端部門で、事業を統括する立場で現場をリードしてきました。アマゾンジャパンでの日々は、優秀な経営陣と同僚のもとで、簡単には語り尽くせないほど、稀有で濃密な時間を過ごすことができたと大木さんはいいます。

そんな充実したキャリアを送っていた大木さんが、新しい道を選択。オイシックス・ラ・大地において、持続可能な事業成長をエンジニアリングで支える様々な挑戦をはじめます。この決断には、どんな背景があったのか? 詳しく話を聞いてみました。

アマゾンで身についた「顧客中心主義」の考え

ーー はじめに、前職のアマゾンジャパンを含め、大木さんのこれまでのキャリアについて聞かせてもらえますか?

大木さん:
一番最初は、小さなソフトウェアハウスで働き、プログラミングのスキルを身につけたことからキャリアがはじまりました。その後は、アメリカの西海岸を拠点とする企業を幾つか経験し、一番長く働いたのはシスコシステムズです。ここでは、エンジニアだけでなく、営業やマーケティングなど、様々な仕事を経験させてもらいました。

そして、2013年年4月にアマゾンジャパンに入社します。それまでは、「toB」のビジネスを展開している会社で働いてきたので、「toC」の領域であるアマゾンに参画するのは、私にとって大きな転機でした。ただ、凄まじいスピードと規模で成長するアマゾンの成長部門や先端部門で働くことは、キャリアにおいて、ものすごく価値があると感じたのです。

アマゾンでの最初の約6年は、家電製品や事務用品などを販売するハードライン事業本部でディレクターとして働きました。その後の、退職までの2年間は、自然言語を理解し、クラウド上で稼働する人工知能『Alexa』に関する日本市場における CX と製品化を統括する立場として働きました。『Amazon Echo』などのAlexaを搭載するプロダクトの開発をはじめ、日本のユーザーに適したAlexaの機能開発や機能拡張など、様々な取り組みをしていました。

大木聡さん。
執行役員 兼 システム本部・本部長。飲食業界にいながらプログラマーを兼業後、外資の半導体企業アドバンスト・マイクロ・デバイセズに入社。その後も米国、ヨーロッパ、アジアと拠点を移りながらシスコシステムズに入社。人事、経理以外の仕事はほとんど経験する。アマゾンジャパンでは小売事業の事業本部長を経験後、直近はAlexaに関わるCXを統括。アジア・パシフィックのリージョナルディレクターとしてエンジニアとプロダクトマネジメントのチームを率いる。

大木さん:
振り返ると、アマゾンで働いた8年間は、極めて優秀な経営陣と同僚のもとで、稀有で濃密な時間を過ごすことができました。アマゾンに入社した直後は、強烈な文化に面食らうことも多々ありましたが、今の私がビジネスをする上での基本となる価値観のほとんどは、アマゾンで培われたものだと感じています。

特に強く染みついている価値観をひとつあげると、全てを「顧客中心主義」で考え抜くことです。

アマゾンでは「Customer Obsession(カスタマーオブセッション)」という言葉があります。Obsessionとは執着という意味で、いかなるときも顧客を起点に考え、行動し、顧客からの信頼を獲得、維持するために全力を尽くす考えです。

何を行うにしても、何を企画するにしても、顧客視点を忘れない。この姿勢がアマゾンでは徹底されています。当然、CS部門に届く顧客の声や、デジタル上に蓄積された様々なデータから、顧客が抱えるニーズや課題を読み解くことが求められます。定性・定量の両方から、お客様の心を読み抜く力は、相当に鍛えられたのではないかと思いますね。

いつかは…と考えていた食の世界に飛び込む決断

ーー アマゾンジャパンで充実したキャリアを歩んでいた大木さんが、オイシックス・ラ・大地に転職した背景とは何だったのでしょうか?

大木さん:
実は、以前から、自分のライフワークとして、食のビジネスに携わりたいと考えていました。

私は食べることも、料理することも、若い頃から大好きで、今でも毎日台所に立っているくらいなんです。自然派ワインにハマったり、スペシャルティコーヒーの世界に魅了されたりするなかで、食を取り巻くマーケットへの関心も自然と高まりました。

食の世界について学んでいくと、そこには様々な課題が横たわっていることがわかります。生産者の方々が本当にいいものを作り続けるためには、自然環境の保護や、流通におけるルールづくりなど、様々な枠組みを整えていく必要があります。

オイシックス・ラ・大地は「これからの食卓、これからの畑」を社是に掲げ、食と農における課題を新しいビジネスの枠組みをつくることで解決を目指しています。

同時に、食の分野を専門とするコーポレートベンチャーキャピタルであるFuture Food Fundを設立したり、M&Aを通じて、フードテックやアグリテックのスタートアップの支援もしています。食と農を未来を創ることに対する真摯な姿勢に、強い共感を覚えました。

大木さん:
一方、食の世界は、市場規模は巨大で、食品宅配市場は成長性が高いことも明白です。ミールキット市場も世界中で伸びています。加えて、環境保護や健康的な食生活への関心の高まりから、食に求められるものが大きく変わっています。

社会や消費者からのニーズに、テクノロジーを利活用しながら、どうやって応えていくか。ここに、やりがいを強く感じます。

新型コロナウィルスにより、自分と向き合う時間が増え、これからの人生をどうするかを真剣に考えた末、いつかは携わりたいと考えていた食の領域に挑戦することを選択しました。

正直、アマゾンは私にとって偉大な師匠の様な存在でもあったので、簡単な決断ではありませんでした。ただ、その決断を後押ししてくれたのは、アマゾン創業者のジェフベゾスの「Regret Minimization Framework(後悔最小化のためのフレームワーク )」という考えです。

80歳になった自分を想像して、振り返った時に後悔するかどうかで選択すべきと彼は言います。アマゾンでの仕事は充実していましたが、このタイミングで飛び込まないと後悔するかもしれないという強い想いが私の中にあり、挑戦の道を選ぶことに決めました。

持続可能な事業成長をエンジニアリングで支える

ーー システム本部の本部長として、大木さんがオイシックス・ラ・大地で挑戦していくことを教えてもらえますか?

大木さん:
短期的なところでは、生産性の大規模な向上を目指す『DX(デジタルトランスフォーメーション)改革プロジェクト』を完遂させることです。

更なる事業拡大や様々な新規事業を見据えるなかで、従来の業務を見直し、仕組み化し、ビジネスの変化にタイムリーに対応できるよう、システムに拡張性を持たせる必要があります。

そのために、システム基盤やアプリケーションを刷新し、会社全体のパフォーマンスを向上させるプロジェクトで、2024年9月末までに完了させる予定です。

このプロジェクトの全体指揮をとるのは、オイシックス・ラ・大地のCOO(Chief Operating Officer)の星さんで、星さんは私がアマゾンジャパンに入社した際の上司でもあり、私にこの会社を紹介してくれたのも星さんです。星さんと一緒にアマゾンでの経験を活かしながら、システム本部や様々な部門のメンバーと議論し、これからの成長に向けて、あるべき姿に整えていきたいと考えています。

大木さん:
また、長期的なところでは、お客様に最良の購買・消費体験を提供することを目的に、持続可能な事業成長を実現するためのエンジニアリングのグランドデザインをやっていきます。

ビジネスとして規模を追うと、それを支える適切なテクノロジーの実装が絶対不可欠です。これは、社長の高島からも強く求められていることでもあります。

事業を支える堅牢性の高いインフラや、機敏性や効率改善のためのテクノロジーはもちろん、膨大な数のお客様と関係を築くためのマーケティングとITの融合もそうです。また、社内の意思決定プロセスや採用・教育などの領域にもエンジニアリングは必要です。パッケージ化されているツールを導入し、活用するケースもあるでしょう。エンジニアリングの適用範囲の明確化とそのための組織の実装。これがグランドデザインという言葉のイメージです。

とはいえ、食を取り巻く裾野は広く、生産、加工、流通、販売に至るバリューチェーンを考えると、テクノロジーを活用できる領域は様々です。

そのなかで、どこを優先的に取り組んでいくかという戦略次第で、エンジニアリングに求められることも変わります。グランドデザインは固定的なものではなく、戦略にあわせて柔軟に変化するとも考えています。

ビジネスとエンジニアリングの架け橋となる人材を育てる

ーー グランドデザインの話がありましたが、システム本部をはじめ、オイシックス・ラ・大地をどういう組織に変えていきたいかの展望があれば教えてもらえますか?

大木さん:
エンジニアリングというと、エンジニアやプログラマーといった職種の人間が扱うべきものというイメージが従来はありましたが、程度の差こそあれ、全てのスタッフが関心を持つべきものと私は考えています。

エンジニアリングとは自分たちがやりたいことを実現するために欠くことのできないもので、これと無縁のイノベーションはないとすら考えています。

アマゾンでは、「Multi-Disciplinary Leadership」と呼ばれる、違った学術分野をマルチに扱えるリーダーを育てることに会社全体で力を入れて取り組んでいました。要するに、理科系と文化系の両側面から、事業を成長させるために最適な行動を導き出せる人のことです。

もちろん、強みの軸足は人によって違います。エンジニア出身の人が、マーケティングやビジネスを学んでいくこともあれば、文系出身の人がテクノロジーを学んでいくこともあります。私も最初はコードを書くプログラマーでしたが、営業やマーケティングの経験を積んで、最終的には事業を統括する立場になりました。

大木さん:
オイシックス・ラ・大地が、食や農の世界で数多くのイノベーションを継続的に起こしていくためには、マーケティングのことも、テクノロジーのこともわかっていて、ビジネス側とエンジニア側の架け橋となれるようなタイプの人材を育成していくことが重要と考えています。

もちろん、特定領域のスペシャリストになる道を選ぶこともいいと思います。スペシャリストとなる道もあれば、テクノロジーとビジネスを掛け合わせせて事業全体を俯瞰して考えるリーダーへの道もある。

そんな風に、新しいキャリアの選択肢をシステム本部のメンバーに提示していきたいです。同時に、他部門のメンバーがエンジニアリングの知見を養うためのサポートもしていきたいです。

また、私の肩書きはシステム本部の本部長ですが、システム本部というと、システムの管理・運用をしている部門のような響きがあり、狭義に捉えられかねないとも感じています。事業や会社が持続的に成長するために、様々な部門でエンジニアリングの力を発揮していくのが、私たちが目指している姿なので、近い将来的に部署名を改名するかもしれません。

成長機会が多い環境で腕を磨きたい人へ

ーー 最後に、オイシックス・ラ・大地ではエンジニア職を募集していますが、採用に関心がある人へ、大木さんからメッセージをお願いできますか?

大木さん:
繰り返しになりますが、特定の領域のスペシャリストとしてのキャリアを歩みたい人も、ビジネス側とエンジニア側の架け橋となれる人材としてのキャリアを積みたい人も、どちらも大歓迎です。

ただ、オイシックス・ラ・大地の事業内容に強い共感がある人が望ましいと思います。食と農の未来をつくることに強いやりがいを感じるとか、フードテックやアグリテックの将来性に大きな可能性を感じるとか。そうした情熱を持って仕事に取り組める人のほうが、より楽しんで仕事ができるはずです。

それと、オイシックス・ラ・大地は、純粋にエンジニアとしての成長機会が多い環境だと思います。

『DX改革プロジェクト』という大規模プロジェクトがはじまり、企業や事業が持続的に成長するためのエンジニアリングのグランドデザインを描いていく最中なので、ありとあらゆる領域のエンジニアリングに携われるチャンスがあります。

現行のシステムを、どうやって新しいシステムに移行させていくかというスキルセットを磨くこともできるし、新しいプラットフォーム上で先端の開発手法を使ったプログラミングを実験することもできます。経験値を積むことで、自分の知見や技術を高めたいという人には、満足して働ける環境だと思います。

社会的ニーズとしての観点からも、ビジネスの成長性の観点からも、ますます注目が集まるであろう食と農の領域で、エンジニアとして腕を磨きたいと思う人は、是非、応募をお待ちしてます。一緒に働けることを楽しみにしています。

執筆:井手桂司・編集:ORDig編集部


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