オイシックス・ラ・大地の「挑戦」を深ぼる

食への意識が高まる上海でオイシックスを広める。挑戦し続ける背景にある”想い”とは?

食への意識が高まる上海でオイシックスを広める。挑戦し続ける背景にある”想い”とは?

「これからの食卓、これからの畑」を理念に、食にまつわる様々な社会課題の解決を目指すオイシックス・ラ・大地。今回は、上海を拠点に『Oisix』の中国事業を推進する白石夏輝さんを紹介します。

白石さんは、大学時代にインターンとして1年以上働いた後、2015年にオイシックス・ラ・大地(当時はオイシックス)に入社。『Oisix』の新規顧客向けのプロモーションチームのマネージャーを経て、2018年には顧客体験の向上を目指すCXO(カスタマー・エクスペリエンス・オフィサー)に就任。そして、現在は中国という巨大な市場に挑戦しています。

将来的には、「自分でゼロから事業を立ち上げ、人々が抱えている課題を解決し、社会に貢献できるビジネスを生み出せる人になりたい」と言う白石さん。挑戦を続ける白石さんの原体験とは何か? 詳しく話を聞いてみました。

白石夏輝さん。
1990年生まれ。立教大学卒業。学生時代のインターンを経て、そのまま新卒で2015年に入社。以来、新規、既存顧客向けのプロモーションや、CXの価値向上に従事し、2017年度にEC事業本部全体の副本部長に。また、2018年よりCXOに就任し、食のデリバリー事業における顧客体験の向上に取り組む。現在は海外事業部の上海OisixをCEOとしてビジネス拡大を牽引する。

周りの人たちを笑顔にする、ある起業家への憧れ

ーー 白石さんが、ビジネスで社会貢献することに関心を持つきっかけとなった高校時代のエピソードから話を聞かせてください。

白石さん:
テレビ番組で佐藤芳之さんのドキュメンタリーを観たことがはじまりでした。佐藤さんは、50年近く前に単身でアフリカに渡り、一代で年商30億円の『ケニア・ナッツ・カンパニー』を創業し、現地で多くの雇用を生み出してきました。この会社のおかげで、工場で働くスタッフや、原材料のナッツを作る農民など、暮らしが豊かになった人が大勢います。

それだけでもスゴいのに、佐藤さんは68歳の時に、会社をタダ同然で現地の人に譲り、新たな挑戦をはじめました。今度は、貧困が理由でトイレが不衛生なルワンダで、アフリカの原材料で安く作れる「消臭浄化剤」を現地で生産し、トイレをきれいにするビジネスに挑戦しています。

アフリカの人たちは「佐藤は私たちのヒーローだ」と、みんな口々に言っていました。その様子を見て、すごくかっこいいと思いましたし、「いつかは自分も佐藤さんのように、たくさんの人の笑顔を生み出せる起業家になりたい」と思うようになりました。

大学時代は、自分の視野を広げるために、1年間休学して、アメリカのサンディエゴの学校に語学留学した後、3ヶ月ほどロサンゼルスでインターンをしました。更に、アフリカの現地を見てみたいと思っていたので、セネガルに渡り、ストリートチルドレンの通う学び舎で算数や英語を教えたり、食事を作って提供するボランティア活動も経験しました。

(▲)セネガルの学び舎前にて

白石さん:
いつかは自分で事業を立ち上げたいと思っていたので、就職においては、若くして裁量が大きいと言われるベンチャーか外資系企業が自分にあっているのではないかと思っていました。

そんな時に、たまたま友人からの紹介で知ったのが、オイシックス・ラ・大地(当時、オイシックス株式会社)です。食のベンチャーで、成長を続けている会社だと。

オイシックス・ラ・大地に惹かれたのは、一人ひとりのメンバーの裁量権が大きいこと。また、優秀な人たちと近い距離で仕事ができ、良質なフィードバックを日々受けられること。そして、最も大きかったのは、インターンをするなかで、「オイシックス・ラ・大地のサービスは、まさに社会課題を解決している」と実感できたことです。この3つが理由となって、入社を決めました。

インターン時代に学んだ、仕事における軸

ーー インターン時代に「オイシックス・ラ・大地のサービスは社会貢献に繋がっている」と実感したそうですが、どのような活動をしていたんですか?

白石さん:
当時は、オフラインの場で、『Oisix』の新規会員を募るプロモーションを担当していました。それまでのプロモーションはオンラインのみだったんですが、オンラインでは出会いないお客様もいるため、実験的に新しくはじめた取り組みで、メンバーは先輩と僕の2人のみです。

商業施設などにブースを設けて、Oisixを紹介するのが基本的な活動ですが、既に会員の方がOisixのロゴが書かれた旗をみて、ブースに訪れてくれることがありました。

「小さい子どもがいるから買い物が大変だったけど、Oisix のおかげで本当に助かっていて、感謝しています」と伝えてくれるお母さんや、「亡くなった母が、私が死んだ後もOisixだけはお父さんと一緒に続けなさい、と言われたんです」とおっしゃってくださった方のお話を聞くことで、いかにOisixがお客様の暮らしに貢献できているかを知りました。

白石さん:
おそらく、インターンをしていた約1年間、お客様と直接お話させていただく回数は、会社の中で僕が一番多かったと思います。

インターン時の経験のおかげで、「ビジネスの本質は、お客様の暮らしの向上に貢献すること」と身を以て学べましたし、それは今でも仕事をする上での軸として根付いています。

ーー 入社後は、プロモーションチームのマネージャーを経験した後、2018年にCXOに自ら就任し、現在は中国事業と、挑戦の場を変え続けていますよね。これには、何か理由があるのでしょうか?

白石さん:
僕は、特定の領域を極めるというより、いくつもの領域で経験を重ね、自分のスキルや視野に広がりを持たせていくことを意識してきました。

それは、お客様に貢献できるビジネスを作ろうと考えると、事業全体を俯瞰して見られるようになる必要があるからです。例えば、入会者数をいくら増やしても、解約していく方が多くては、「良いサービス」とは呼べません。Oisixでプロモーションを担当した後に、受け皿となるサービス作りであるCXに挑戦したのは、そのためです。

また、大きな事業をするには、マネジメント経験も欠かせません。性別・年齢・職種と様々なメンバーがいるオイシックス・ラ・大地で、マネージャー経験を早い段階で積ませてもらったのは、ありがたかったです。いろんな人を巻き込みながら、チームで成果を生んでいく経験は、これからの挑戦において活きると思っています。

世界が注目する中国市場に、どう切り込んでいくか?

ーー 現在、白石さんは中国事業に携わっていますが、この挑戦を決めた理由は何だったんでしょうか?

白石さん:
きっかけは、日本国内のOisixを進化させるヒントを得るために、上海に視察として訪問したことでした。

注文から30分で生鮮食品が自宅に届くサービスなど、日本より圧倒的に進化したサービス設計に衝撃を受けました。「EC先進国」として知られる中国ですが、ここまで進んでいるとは思いませんでした。

加えて、現地に行くと、世界の注目が日本より中国に集まっていることを肌で感じました。様々な有名企業が、日本では見たことのない巨大な旗艦店を上海に建てています。食の展示会に足を運ぶと、本当に良いものは日本ではなく中国で卸すと話す人もいました。

現地の熱気に触れていると、自然と中国でビジネスに挑戦したいと思うようになりました。また、Oisixの国内事業で、大きな予算で事業を拡大させる経験を積むことができたので、今後は少ないリソースで事業を立ち上げる経験を積みたいと思っていたこともあります。こうして、中国事業に自分から手を挙げました。

(▲)KitOisixを上海で試作中の様子

ーー 実際に中国事業に携わってみて、中国でビジネスをする難しさを感じますか?

白石さん:
どの海外事業にも言えることですが、法律的な面もあれば、日本とは文化や習慣も違うので、一筋縄ではいきません。また、中国は食品宅配のECも進んでいるので、Oisixならではの価値を明確に打ち出さないと支持されません。Oisixの中国事業は2017年12月に開始しましたが、なかなか軌道に乗せられていない状況でした。

そこから事業計画を練り直し、現在はミールキットを軸にサービスを強化しています。

中国では、近年、健康への意識が高まっています。特に、都市部ではスポーツジムが増え、多くの人が通っています。食生活も、これまでは出前や外食が中心でしたが、健康的な食生活を送るために自炊をする人が増えてきています。また、海外の食文化が広がり、中華だけでなく、様々なスタイルの料理を楽しむようになってきています。

健康的で、おいしくて、様々な料理が手軽に楽しめるOisixのミールキットは、この需要にマッチするはずです。幸い、中国では「ミールキットといえば、ここ」という存在はありません。日本国内で培ってきたノウハウを武器に、中国におけるミールキットのパイオニアとして存在感を発揮していきたいと考えています。

様々な挑戦を推奨してくれる、ありがたさ

ーー 挑戦を続けていると、困難にも数多く遭遇すると思いますが、白石さんがマインド面で大切にしていることはありますか?

白石さん:
起こしてまった問題を悔やむのではなく、それをどう解決していくのか。そのことに意識を向けるようにしています。辛い時もあるけれど、リーダーが常にポジティブであることがチーム全体にとって大切で、そうすることで解決できるものが増えていきます。

これは、オイシックス・ラ・大地社長の高島宏平からよく言われることでもあります。定期的に高島と面談する機会がありますが、自分の経験を交えながら、このマインドの大切さを話してくれます。どんなに計画を入念に練っても、挑戦に予期せぬ問題はつきものです。でも、問題を解く態度は自分たちで選べます。

中国事業においても、はじめてのことだらけで、失敗の連続です。限られたリソースでやっているので、自分たちで出来ることは、全て自分たちでやらないといけません。でも、知らないことを学びながら、成長していくのは、ものすごく面白い。挑戦や失敗を、どういう風に捉えられるかで、仕事のやりがいは全く変わってきます。

白石さん:
また、高島に「もし学生に戻って、ゼロから何かをはじめるとしたら、どうするか?」と質問した際に、起業時に経験しなくていい失敗を沢山したので、会社員として経験をもう少し積んでから起業の道を選びたいと答えました。この話を聞いてから、せっかく会社で働くのならば、色々な経験を積ませてもらおうと思う気持ちが強くなりました。

将来的には自分でゼロから事業を立ち上げることに挑戦したいと考えていますが、それは食の領域かもしれないし、もしかしたら食以外の領域になるかもしれませんが、社会貢献が軸であることは確かです。きっと、これまで経験してきたことや、これから経験することが、その新規事業開発に活きてくるはずです。

オイシックス・ラ・大地のいいところは、働くメンバーの意志を尊重してくれることです。僕の意向を受け止めてもらって、役割を作ってくれたり、異動を促してくれたり、挑戦できるステージを整えてくれる。率直に、ありがたい環境だと思いますし、会社に貢献したい気持ちも自然と湧いてきます。

どんなことを社会に仕掛けていくか?

ーー 現在、オイシックス・ラ・大地では新規事業に挑戦する仲間を積極的に採用しています。最後に、オイシックス・ラ・大地で働くことに関心をもっている方々へメッセージをお願いします。

白石さん:
最近、面接でお会いする方から、「会社の規模が大きくなったので、個人の裁量が弱まったのはないか?」という質問をいただくことが多いのですが、むしろ逆です。

会社の規模が大きくなったからこそ、やるべきことや、できることが増え、これまで以上にチャレンジ精神を持った人たちがたくさん必要になっています。そして、以前と変わらずオイシックス・ラ・大地は、ベンチャースピリッツをもっていて、個人の挑戦を推奨する会社です。

昔と良い意味で違うのは、会社の規模が大きくなったことで、チャレンジできる幅が圧倒的に広がったことです。予算的なこともそうですし、知名度も高くなったことで、協業したいと申し出てくれるパートナーも増えました。社内外の仲間と協力しながら、社会に大きなインパクトを与える事業が生まれやすい環境が出来上がりつつあります。

「この規模感とポジションを活用して、どんなことを社会に仕掛けていくか?」を議論できるような、挑戦心ある人にとっては、今のオイシックス・ラ・大地は魅力的な職場だと思います。

もちろん、事業規模が大きくなり、社会的な責任も増えるなかで、業務フローが整えられ、ディフェンス面が強化された面もあります。だけど、時間をかけて上長承認を取りにいくよりも、スピーディーに「面白そうなら、まずやってみる」ことを是とするカルチャーは変わっていません。

自分が企画したサービスや商品を通じて、困っている誰かを助けていきたい。そんな人と一緒に、社会に貢献できるビジネスを作るチャレンジをしていきたいですね。

執筆:井手桂司・編集:ORDig編集部

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