オイシックス・ラ・大地の「挑戦」を深ぼる

「高齢者の方々の暮らしを支えるパイオニアでありたい」──第二創業期を迎える移動式スーパー『とくし丸』で働く魅力

「高齢者の方々の暮らしを支えるパイオニアでありたい」──第二創業期を迎える移動式スーパー『とくし丸』で働く魅力

地方の過疎化や公共交通機関の廃止などにより、生活必需品の買い物が困難な状況に置かれている方が高齢者を中心に全国で増えています。そんな買い物難民を救いたいという想いから、移動式スーパー『とくし丸』は誕生しました。

提携している地元スーパーの食料品や日用品をトラックに載せ、お客様の玄関先まで出向き、毎日の暮らしに必要なものをお買い物いただく。2012年に徳島県から始まった『とくし丸』は、いまや日本全国に広がっています。2022年5月時点で、全国143社のスーパーと提携し、移動式スーパーのトラック稼働台数は1,000万台を突破しました。

現在、『とくし丸』では事業拡大に伴い、採用を強化しています。特にここ数年で、オイシックス・ラ・大地社内からの異動やキャリア入社によって、新しく加わるメンバーが増えています。『とくし丸』で働く魅力とは何か。 働きはじめて3年目を迎える齋藤大斗さんと下古立万里乃さんに話を聞いてみました。

社会性と事業性の両立を実現する姿に惹かれて

── はじめに、 おふたりが『とくし丸』事業で働くことを決めた経緯を教えてください。

齋藤さん:
私の経歴を簡単に紹介すると、大学生の時に食に関する事業で起業し、オイシックス・ラ・大地(当時はオイシックス)の子会社となり、その流れで社員として加わりました。社会性のある事業を創っていきたいという想いが私の中にあり、オイシックス・ラ・大地の事業内容やビジョンに共感したことが入社の大きな理由です。

在学中から手がけていた事業は色々な事情がありクローズしたのですが、その後はサービス進化室という部署で新規事業開発に携わっていました。ただ、そこで自分が関わっていた新規事業も、新型コロナウィルスなどの影響も受けて、継続することが難しくなってしまったんですね。

そのタイミングで、『とくし丸』事業を運営している移動販売事業部の新宮さん(とくし丸現社長)に声をかけてもらいました。以前から『とくし丸』には強い関心を持っていたこともあり、異動することに決めました。

齋藤大斗さん。

経営企画本部 移動販売事業部。学生起業し、オイシックス(当時)の子会社となり、その後2019年5月に社員として入社。現在は経営企画マネージャーとして、事業成長のための様々なプロジェクト推進に取り組む。

──  『とくし丸』事業に関心を惹かれた理由は何だったのでしょうか?

齋藤さん:
買い物難民を救うという社会性の高い活動に取り組みながら、ビジネスとしてきちんと成り立っている点ですね。社会性と事業性の両立というのが自分に足りない力だと感じていて、それが実現できている『とくし丸』に注目していました。

また、その両立を成り立たせるために、『とくし丸』ではものすごく泥臭いことをやっているんですよ。例えば、移動式スーパーでお客様のご自宅を巡回するわけですが、事前にその地域のご家庭を一軒一軒訪問し、買い物にお困りの方がいないかを調べ、綿密に巡回ルートを組み立てていきます。そうすることで動きに無駄が少なく、事業性が担保されます。

社会性と事業性を両立させ、持続可能な事業として発展させていくために、諦めずに粘り強くやっていく。その企業姿勢が本当に素晴らしいと感じていますし、それを実際にやり切っているところがスゴいですよね。

同時に、『とくし丸』は近年の成長が著しく、事業規模だけでなく組織規模も拡大しています。いわば第二創業期のような状態で、進化をしていくための課題が山積みです。そうした環境で働くことは、自分のキャリアにおいて価値のある経験になるだろうと考えました。

──  下古立さんは、どのような経緯で働くことになったんですか?

下古立さん:
私は昔から社会の負の解決に繋がる仕事がしたいと思っていて、特にヘルスケアの領域に注目していました。そして、健康と食は切り離せない関係ですので、オイシックス・ラ・大地は学生の頃から知っていて、面白い事業をしている会社だと思っていたんですが、当時は新卒採用を行っていなかったんですよね。それで別の会社に就職しました。

下古立万里乃さん。

経営企画本部 移動販売事業部。医療系の会社にてマーケティングリサーチを経験。食や健康に関わり、社会の負の解決に繋がる仕事をしたいという自分の想いを叶えるため、2020年4月にキャリア入社。長距離を歩くのが得意で、御茶ノ水から田無まで歩いたことのある健脚の持ち主。

下古立さん:
ただ、やはり食や健康に関わる仕事をしたいと思い、第二新卒としてオイシックス・ラ・大地の求人にエントリーしました。社会の負の解決に繋がる仕事をしたいと自分の想いを選考で伝えるなかで、「それなら」と紹介してもらったのが『とくし丸』事業です。

提案いただいた際は驚きましたが、買い物難民の方々の日々のお買い物をサポートすることは、多くの人の健康を支えることに繋がり、私のやりたいことに合致していると感じました。また、実は私の祖父母も買い物難民になりつつある状態で、買い物難民の問題の深刻さを肌で感じていたことも、『とくし丸』で働きたいと思った理由のひとつです。

現在の『とくし丸』は第二創業期のような状態

── おふたりの 『とくし丸』事業における役割や仕事内容について教えてください。

齋藤さん:
私は名刺に経営企画マネージャーと書いていますが、仕事内容は様々です。ビジネスモデルの改定だったり、新規サービスの設計だったり。そのタイミングで『とくし丸』の事業を成長させていくために優先度の高いプロジェクトに加わり、そのプロジェクトを推進していくことが私の役割です。

下古立さん:
私は入社当初からスーパーバイザーという役割で、提携スーパーさんや販売パートナーさんに向けたサポートを中心に活動してきました。そして、今年4月からは『とくし丸』事業内で利用されるシステムの刷新を担当することになりました。システム面から事業全体の業務効率や拡張性を高めるべく、様々なプロジェクトに取り組んでいます。

── 『とくし丸』事業で働くなかで、おふたりが特に意識されていることは何ですか?

齋藤さん:
先程も言ったように、現在の『とくし丸』は第二創業期のような状態で、事業や組織の仕組みが成長に追いついてないところが多々あるんですよね。また、規模が大きくなると、それまでに経験したことのない問題が生じたり、問題の複雑さが高まっていきます。そうした課題から逃げずに立ち向かっていく。そういう姿勢が求められていると感じます。

特に組織が大きくなるにつれ役割が分業化していくと、「この問題は誰が担当すればいいんだっけ」といったお見合いが起こりがちになります。そういったものを自ら拾いにいくように心掛けています。

オイシックス・ラ・大地の行動指針のひとつに「サッカーチームのように」という言葉がありますが、まさにこれですね。こぼれ球を自ら拾いに言ったり、積極的にカバーリングをしたりと、流動的かつ能動的な動きが求められる職場だと感じています。

下古立さん:
能動的に自ら動くことは重要ですよね。あと、『とくし丸』の事業の特徴として、関わる人が多いことがあげられます。全国に約140社の提携スーパーさんがいて、1,000人以上の販売パートナーさんがいます。当然、様々な考えをお持ちですし、置かれている状況も様々です。

そのなかで、『とくし丸』事業の舵取りをしていくにあたり、多面的に物事を考えていく必要があります。「三方よし」という言葉がありますが、それぞれの立場の人にとって、自分たちがやろうとしていることは、本当に正しいのかどうか。想像をものすごく巡らせるようになりました。

同時に、物事を多面的に考えていくにはロジカルシンキングも欠かせません。まだまだ自分の視野が狭かったり、ロジカルシンキングが足りてないと感じることも多々ありますが、こうした意識をもって働くようにしています。

高齢者の方々の暮らしを支えるパイオニアでありたい

── 次に、おふたりが仕事にやりがいを感じる瞬間を教えてもらえますか?

下古立さん:
やはり、『とくし丸』を利用しているお客様から「ありがとう」というお声をいただく瞬間ですね。販売パートナーさんに同行し、お客様のご自宅を一軒一軒回らせていただくなかで、そうした感謝のお声をいただくと、「頑張らないと」という気持ちになります。

先日も、販売パートナーさんに同行させてもらったのですが、トラックがお客様の玄関先に到着した瞬間に、多くのお客様が笑顔で出迎えてくださりました。そういう光景を見ると、改めて『とくし丸』はいい事業だなと感じます。

齋藤さん:
私も同じですね。『とくし丸』はすごく手触り感のある事業だと思っていて、それは人と人が直に接するからだと思うんですね。『とくし丸』を利用しているお客様はもちろん、販売パートナーの皆さんや提携スーパーの方々ともお互いの顔が見える関係です。

新しいサービスや仕組みを作った際、販売パートナーの皆さんから「今回のすごくいいですね」と言っていただけると、すごく嬉しい気持ちになります。また、提携スーパーさんから「とくし丸のおかげで地域にもっと貢献できる」と言っていただく時も同様です。こうした感謝の声に触れると、やりがいを感じますし、身の引き締まる思いになります。

── おふたりは『とくし丸』事業を今後どのように成長させていきたいですか?

齋藤さん:
これから少子高齢化が一層進行し、様々な社会課題が起こるだろうと予想されます。その高齢化社会において、暮らしに関わる社会課題をビジネスの手法で解決しているプレイヤーの代表格として、『とくし丸』の名前があげられるようにしていきたいです。

販売パートナーの皆さんがお客様と日常的に顔を合わせる中でわかってきたことは、高齢者の方々の困りごとは買い物以外にも多くあることです。その困りごとを解決しようと、『とくし丸』では過去にアパレルやメガネの移動販売なども実施しました。

『とくし丸』のWebサイトには「おばあちゃんのコンセルジュを目指します」という言葉が書かれていますが、私たちのサービスは高齢者の方々のあらゆる困りごとに対応していく総合サービスだと思っています。日々のお買い物のサポートを軸としながら、解決できる領域を広げていきたいですね。

下古立さん:
私も齋藤さんと同じで、これから超高齢化社会を迎えるなかで、『とくし丸』が高齢者の方々の暮らしを支える企業としてパイオニアのような存在でありたいと考えています。

特に、個人的な想いとしては、お客様の心の健康に貢献したいです。『とくし丸』の存在自体がお客様である高齢者の方々にとって社会との接点だったり、大切な居場所になっていると感じています。そうした心の領域においても、お客様から必要とされる存在として、『とくし丸』を成長させていきたいです。

これからの『とくし丸』を創るため、挑戦していこう

── 最後に、『とくし丸』で働くことに興味を持っている方へ、おふたりからメッセージをいただけますか?

齋藤さん:
繰り返しになりますが、『とくし丸』は現在第二創業期を迎えています。これまで大切にしてきた「三方よし」を基盤としながら、お客様の生活をより快適にしていくために、様々な部分で進化を遂げようと試行錯誤を続けています。

そのため、挑戦していくことが個々人に求められます。大変なことも多く、正直、楽な仕事ではありません。でもそれ以上に、こんなに社会から注目されるなかで、『とくし丸』の新しいステージを築いていく経験は、自分のキャリアにおいて大きな財産になると思います。

カオスを楽しめるというか、「何もないところから、自分で新しいものを作っていくんだ」というベンチャー気質のある人。そして、自分が携わっている事業で社会貢献をしていきたいという人には、きっとやりがいを感じてもらえると思います。そういう挑戦心のある方が仲間に加わっていただけたら嬉しいです。

下古立さん:
齋藤さんからもあったように、第二創業期と言われているなかで、『とくし丸』がこれから向かっていく先は誰も予想できないし、誰も見たことのないような未来を作っていかなければならない仕事です。やりがいもあるし、得られるものも多いと思います。

ただ、『とくし丸』で挑戦してみたいという気持ちがあれば、あまり気構えせずにエントリーしてもらえるといいかなと思います。私もそうでしたが、入社した時はスキルも武器も全然ない状態でした。それでも仕事に前向きに取り組んでいけば、スキルは後から身につきますし、周りのメンバーもサポートしてくれます。

職場の雰囲気を伝えると、20代のメンバーが増え、女性のメンバーも増えています。年齢や性別に関係なく、チャレンジさせてくれる環境だと感じています。『とくし丸』の事業内容やビジョンに共感し、『とくし丸』と共に自分を成長させたいという方と一緒に働けることを楽しみにしています。

執筆:井手桂司・編集:ORDig編集部

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