「これからの食卓、これからの畑」を理念に、食にまつわる様々な社会課題の解決を目指すオイシックス・ラ・大地。今回は、Oisixの主力商品である『Kit Oisix』の商品開発やプロモーションを担うチームでマネージャーをつとめる、水野太智さんを紹介します。
より大きな規模のビジネスの舞台で自分の力を試したいと、2022年にキャリア入社した水野さん。お客さまの声を起点にした企画でヒットを生み出すなど、着実に成果を重ね、入社からわずか2年で事業の中核を担うセクションのマネージャーに抜擢されました。
常に自ら動き、新しい挑戦を楽しむ水野さん。これまでのキャリアを振り返りながら、その挑戦を支える原動力について語ってもらいました。
(▼)こちらのインタビューは動画でご覧いただくこともできます。
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大きなビジネスの中で、自分の実力を試したい
── はじめに、前職ではどのようなお仕事をされていたかを教えていただけますか?
水野さん:
前職は、レディースアパレルを扱う会社に新卒で入社し、約3年間勤務していました。主に大手ECショッピングモールでの販売を担当し、商品の仕入れから撮影、画像のレタッチ、サイトへの掲載まで、一連の工程をすべて自分で手掛けていました。モデルさんの手配も自分で行っていましたね(笑)。
というのも、前職は社員数200名ほどの規模で、ティール組織やアメーバ組織の考え方を取り入れており、自由と責任がセットになったような風土がありました。意欲さえあれば、若手にもどんどん仕事を任せてもらえる環境だったんです。その中で、仕入れから販売までを通して経験し、商売の基礎を実地で学ぶことができたと感じています。

── そうした中で、転職を検討しはじめた理由は何だったんですか?
水野さん:
若いうちから裁量を持ち、幅広い仕事を経験できたことは大きな財産でした。ただ次第に、「もっと大きな規模のビジネスで、自分の実力を試してみたい」という思いが強くなっていったんです。自分が培ってきたECの経験が、他の業界でも通用するのかを試してみたい気持ちもありました。
このままでは、自分が飛躍的に成長していく未来が描けない。そう感じたことから、ECの領域でより大きな舞台に挑戦し、自分をさらに成長させられる環境を求めて、転職活動をスタートしました。
── オイシックス・ラ・大地の求人とは、どのように出会われたんですか?
水野さん:
オイシックス・ラ・大地の求人は、スカウトメールで知りました。大学では農学部に通っていたこともあり、社名は以前から知っていましたし、農業分野にも強い関心があったので、ここで働くという選択肢はとても魅力的に映ったんです。
選考が進む中で、一社目と同じように、意欲があれば年齢や社歴に関係なく仕事を任せてもらえる文化があると知りました。そして、一番の違いはビジネスの規模感。この大きな舞台で挑戦できることにワクワクし、志望度が一気に高まりました。
── 選考中、さまざまな社員と接する中で、特に印象に残っている言葉はありましたか?
水野さん:
特に心に残っているのは、代表である宏平さん(髙島宏平)の「後ろめたい売上を1円もつくらない」という言葉です。会社や事業が大きくなればなるほど、その分だけ社会が良くなっていく。そんなビジネスを展開しているからこそ、夢中になれるし、迷いなく挑戦できる。そんな趣旨のお話でした。
前職のアパレルでは、ファストファッションという言葉があるように、商品を次々と入れ替えて販売していくことに、どこかモヤモヤを感じていた部分もありました。だからこそ、この言葉を聞き、「自分たちのサービスや商品に、これほどの自信と誇りを持っている会社なんだ」と感じ、ここで自分も全力を尽くしたいと思うようになりました。
お客さま起点によって、生まれたヒット企画
── オイシックス・ラ・大地に入社後、どのような仕事を担当しましたか?
水野さん:
食品宅配ECサービス『Oisix』を運営するOisix EC事業部で、さまざまなプロジェクトにアサインされ、プロジェクトマネージャーのような役割を担ってきました。
入社直後に担当したのは、Oisixのおせち販売プロジェクトです。毎年楽しみにしてくださるお客さまが多く、売上規模も大きい重要案件で、入社早々に重要なプロジェクトに関わることができました。このプロジェクトでは、外部のECショッピングモールでのおせち販売など、販売企画を主に担当しました。
その後は、『Oisix産直おとりよせ市場』や、生活必需品のサブスクリプションサービス『おいトク』、さらにはOisixの青果カテゴリーの売り場づくりなど、さまざまな業務を経験しました。半年に一度のペースで、担当するミッションが変わっていったと思います。

── いくつものプロジェクトを担当するなかで、特に学びになった経験は何ですか?
水野さん:
印象的だったのは、『おいトク』での経験です。野菜ジュースやミネラルウォーターなどの生活必需品をお得に購入できるサブスクリプションサービスなのですが、私が担当になった当時はサービス利用者の伸びが鈍化していました。
そこで、「サブスクで届くと嬉しい商品は何ですか?」といったヒアリングをお客さまに実施しました。すると、「朝食用のパンがあれば嬉しい」という声が多く寄せられたため、商品ラインナップにパンを追加しました。すると大きな反響をいただき、月間の新規利用者数が一気に3倍に増えたんです。
お客さまの声を起点に、自分の企画で成果を出せたことは、大きな自信になりましたね。同時に、サブスクだからこそ、常に新しい商品や変化を求めるお客さまが多いということを実感し、サービスへの理解を深める貴重な経験にもなりました。

前のめりな挑戦が、マネージャーへの抜擢に
── 現在、水野さんはKit進化セクションのマネージャーをつとめていますが、どのような役割を担っているのでしょうか?
水野さん:
Kit進化セクションには約20名が所属しており、商品開発チームとプロモーションチームの二つに分かれています。その中で、マネージャーとして、両チームを統括しています。
Kit Oisixでは、お客さまの食卓に常に新鮮さを届けるべく、毎週新しいメニューをリリースしています。商品開発チームでは、お客さまの声をもとに、どんなミールキットが求められているのかを企画し、具体的なメニューへと落とし込んでいきます。
プロモーションチームでは、開発したミールキットをより魅力的に見せるため、商品撮影や売り場ページの見せ方など、さまざまな工夫をこらしています。また、Oisixをまだ利用していない方に向けて、Kit Oisixをきっかけに入会をご検討いただけるようなプロモーションの企画も手がけています。

── 入社から約2年でマネージャーのポジションに挑戦されていますが、どういう経緯で就任が決まったんですか?
水野さん:
これまでの働き方を評価していただき、抜擢してもらった形ですね。Kit進化セクションに配属される前、とあるコラボミールキットのプロジェクトに、自ら手を挙げて担当したことがありました。そのときの主体的な姿勢を高く評価してもらえたようです。
オイシックス・ラ・大地には、挑戦心を持って前のめりに取り組む人に、どんどん機会を与える風土があります。そうした積極的な挑戦を重ねてきたことが、「Kit Oisixのチームを任せてみよう」と思ってもらえた要因ではないかと思います。
── 水野さんとしても、「いつかはマネージャーを経験してみたい」という考えはあったんですか?
水野さん:
そうですね。自分の成長という意味でも、マネジメントのポジションにはいつか挑戦してみたいという思いがあり、その意向は上長にも伝えていました。ですので、就任した経緯には、そうした想いを汲み取っていただいた面もあると思います。
とはいえ、Kit OisixはOisixの看板商品であり、他社とのコラボも多い注目度の高い商品です。責任は非常に大きいですが、挑戦の舞台としてはこれ以上ない環境だと感じ、今は必死に取り組んでいます。
Kit Oisixならではの価値を高める挑戦へ
── マネージャーのポジションに就任して、もうすぐで約1年になりますが、どのような気づきがありましたか?
水野さん:
これだけの規模のチームをマネジメントするのは初めての経験だったので、この1年間は試行錯誤の連続でした。その中で強く感じているのは、周囲のメンバーに本当に助けられているということです。
社内には、Oisixで長く活躍しているベテラン社員や、自分より年上のメンバーも多くいます。そうしたメンバーが、年齢も社歴も浅い自分に対して、惜しみなく知識や経験を共有し、サポートしてくれる。この環境には本当に感謝しています。
また、会社全体としてマネジメント研修に力を入れているのも心強い点です。外部の研修会社を通じて、マネジメントに必要な知識や技術を学ぶ機会があり、悩んでいたポイントが一つひとつ解消されていく感覚がありました。
もちろん、まだまだ課題は多いですが、「マネジメントは才能ではなく、技術として身につけられるもの」という実感が、少しずつですが自分の中で芽生えてきています。

── Kit進化セクションとして、今後、より注力していくテーマを教えてください。
水野さん:
Kit Oisixは、ミールキットという言葉を世の中に広めたパイオニアだと自負しています。ただ現在は、さまざまな企業がミールキットを販売しており、その中で「Kit Oisixならでは」の商品価値や体験価値を一層高めていくことが重要だと感じています。
その一つの方向性が、機能性を持たせたミールキットの開発です。例えば、Kit Oisixを食べることで腸活ができる、といった付加価値を提供するイメージです。
もう一つは、時短という価値の進化です。Kit Oisixは20分で主菜と副菜が完成することが特徴ですが、共働きで忙しいご家庭では、その20分すら確保が難しい場合もあります。そうしたニーズに応えるべく、10分以下でメイン料理が完成する『超ラク Kit Oisix』シリーズの強化にも力を入れていく予定です。
夢中で駆け抜けた先に、新しい当たり前が生まれる
── 最後に、水野さんが仕事において大切にしている信条を教えてもらえますか?
水野さん:
いろいろなことに挑戦させてもらう中で、自然と身についたスタンスがあって。それは、どんなに難しい課題でも「どうにかしてできる方法を見つける」ということです。
オイシックス・ラ・大地では「新しい当たり前をつくる」という言葉を全社で掲げていますが、それを実現するには、前例のないことに思い切って挑戦していく必要があります。当然、やったことがないからこそ、うまくいかないことや壁にぶつかることも多い。
でも、そういう課題を一つひとつ乗り越えていった先にしか、本当に新しいものは生まれないと思うんです。だからこそ、「この方向性ならきっと間違いない」と信じられるものであれば、どうやったら実現できるのかをとことん考え抜く。立ち止まらずに前に進み続ける。その姿勢を、これからも大事にしていきたいですね。
── 水野さんは挑戦することにすごくポジティブですよね。そういう姿勢の根本にあるものは何なんですか?
水野さん:
昔から、チームで同じ目標に向かって走るようなことが好きなんです。学生時代に陸上をやっていたときも、「大会で優勝するぞ!」という目標に向かって、みんなで頑張る一体感がたまらなく好きでした(笑)。
仕事でも同じで、難しいことや大変なことは多いですが、それを乗り越えて達成したいゴールがある。そのゴールに向かって、メンバーと一緒に試行錯誤しながら走っていく過程に面白さを感じます。
部活の練習は本当にきつかったですが、今ではいい思い出になっていますし、当時の仲間と集まれば、今でも大盛り上がりです。仕事もきっと同じで、大変なことがあっても前向きに頑張れば、いつか笑って振り返られる日が来ると思うんです。
せっかくやるなら、青春みたいに夢中になって取り組みたい。そういう働き方が、自分が挑戦を楽しめている理由なのかもしれません。
