「これからの食卓、これからの畑」を理念に、食にまつわる多様な社会課題の解決を目指すオイシックス・ラ・大地。今回は、Oisix EC事業本部の戦略室室長として、事業の未来を描き、その実現に向けた施策を推進する馬場康輔さんを紹介します。
外資系コンサルティングファームでキャリアを積んできた馬場さんは、2024年11月にオイシックス・ラ・大地へキャリア入社。入社直後から事業計画づくりや収益性向上の施策、新規プロジェクト『オイシクル』など、責任ある役割を次々と担ってきました。
「事業の中核に関わり、事業全体のバリューアップを成し遂げたい」──そんな想いを胸に、新たな挑戦の舞台へと飛び込んだ馬場さん。これまでのキャリアと、オイシックス・ラ・大地で描く未来について語ってもらいました。
(▼)こちらのインタビューは動画でご覧いただくこともできます。
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自分の仕事に責任をもつ、その姿勢が自分の核に
── はじめに、前職ではどのようなお仕事をされていたかを教えていただけますか?
馬場さん:
これまでのキャリアを振り返ると、コンサルティングファームを2社経験しています。新卒でPwCアドバイザリーに入り、その後はアーサー・ディ・リトルへ。あわせて約7年間、コンサルタントとして働いてきました。
PwCアドバイザリーでは、M&A関連の部署に所属し、「ビジネスデューデリジェンス」と呼ばれる企業の将来性や事業計画を評価する仕事を担当していました。ほかにも、合併の支援や事業再生のお手伝いなどもやっていましたね。
その後のアーサー・ディ・リトルでは、M&Aだけでなく、事業変革や全社的なビジネスプロセスの改善といったテーマにも関わりました。クライアント先に深く入り込んで、一緒にプロジェクトを進めていくような経験もできました。

── コンサルタントとして働く中で、大切にされてきた価値観などはありますか?
馬場さん:
そうですね、一番意識していたのは「オーナーシップをもって働く」ということです。きっかけは新卒時代の上司の言葉で、「お客さまに提出する資料には、すべてにおいて説明責任を持てるようになりなさい」と教えられたことでした。
コンサルタントの仕事って、クライアントから高額なフィーをいただいている以上、サービス業だと思うんです。“ラストマンシップ”という言葉のほうが近いかもしれませんが、とにかく自分の仕事に責任感をもつ。その意識を常に持って働いてきました。
── コンサルタントとして数々のプロジェクトを経験するなかで、特に身についたと思うことは何ですか?
馬場さん:
知識的な部分でいうと、M&A関連の部署に長くいたので、さまざまな数字から事業状態を読み解く財務的な知識はかなり身につきました。あとは、プレゼン用の資料をまとめたり、データをグラフ化したりといったビジネス資料の作成スキルも、相当鍛えられましたね。
ただ、それ以上に自分の財産になっているのは、いわゆるソフトスキルですね。オイシックス・ラ・大地でも大事にしているロジカルシンキングもそうですし、事業変革を進めるためのコミュニケーション能力もそうです。
コンサルタントって、理想論を語るだけになりがちなんですが、それでは意味がなくて。前職の上司とも「実現できなければ価値はない」とよく話していました。多くの関係者とコミュニケーションを重ねながら、物事を一歩ずつ前に進めていく。その経験こそが、自分にとって大きな学びだったと感じています。
食の領域を、新たな挑戦の場に選んだ理由
── コンサルタントとして活躍されていた馬場さんが、転職を考えはじめたのは、どんな背景があったのでしょうか?
馬場さん:
理由は大きく2つあります。1つ目は、コンサル経験者なら共感してもらえるかもしれませんが、「このハードな働き方を、この先も続けていけるのか?」という不安ですね(笑)。
働き方改革が進んでいるとはいえ、コンサルタントの仕事はどうしても労働集約的になりがちです。20代のうちは体力でカバーできますが、将来を見据えたときに「本当にサステナブルな働き方なのか?」と考えるようになりました。
もう1つは、自分の興味関心が強い領域で仕事をしたい、という想いです。コンサルティングファームって、外から見ると幅広い業界に関われるように見えますが、実際には必ずしもそうではありません。自分が希望する領域のプロジェクトに入れるかどうかは、運やタイミングに大きく左右されるんですよね。
だからこそ、これまで培ってきた経験を活かしながら、自分が興味のある分野で、もっと持続可能な働き方をしたい。その想いが強くなり、転職を真剣に考えるようになりました。

── そうした中で、食の領域を選ばれたのは、どんな経緯があったのでしょうか?
馬場さん:
最初は、ベンチャーキャピタルのような投資会社への転職を考えていました。M&A関連の部署に長くいたので、投資や財務の知見はそれなりにありますし、アドバイザー的な立ち位置で投資先企業のバリューアップに関わりたい。そんな働き方をイメージしていたんです。
でも実際にベンチャーキャピタルで働いている方に相談してみると、「バリューアップに本気で貢献したいなら、投資家の立場では限界がある。それなら、事業会社に飛び込んだほうがいい」とアドバイスをもらって。そこから大きく方向転換しました。
では、「どの業界に飛び込むべきか?」と考えたときに、自分は昔から食の領域に強い関心を持っていたことを思い出したんです。
食べ歩きも好きですし、自分で料理するのも好き。何より、食は人の生活に欠かせないものですし、市場規模も大きい。ここなら自分の力を最大限発揮できるんじゃないかと考え、食の領域を選ぶことにしました。
仕事内容が不明確だからこそ、逆に惹かれた
── 食の領域に関心を持つ中で、オイシックス・ラ・大地の求人に興味を持ったのは、どんな理由だったのでしょうか?
馬場さん:
出会いのきっかけは、人材エージェントさんからの紹介でした。食の領域で仕事を探していたときに、いくつか求人を紹介していただいたんですが、その中でひときわ目を引いたのがオイシックス・ラ・大地の求人だったんです。
何がユニークだったかというと、「事業を牽引する責任者を求む」とだけ書かれていて、仕事内容が一切書かれていなかったんですよ(笑)。「これまでの経験を最大限活かして、事業を成長させてほしい」というメッセージだけが前面に出ていたんです。
でも、その漠然とした感じが逆にすごくいいなと思って。というのも、コンサル出身者に向けた多くの求人って、「DXを推進してほしい」とか「新規事業を立ち上げてほしい」とか、テーマがはっきり決められているものが多いんですよね。けれど、自分がやりたいのは、事業の中核を担い、事業全体のバリューアップを図っていくこと。
その点で、オイシックス・ラ・大地の求人は不明確ではあるものの、事業の中枢に深く関われそうな雰囲気を感じて。「これはぜひ詳しく話を聞いてみたい」と思ったのが、応募のきっかけでした。
── 最終的に、入社の決め手となったのは何だったのでしょうか?
馬場さん:
実際に面接を受けていく中で、自分が求めている働き方と、会社が求めている役割を照らし合わせていった結果、「Oisix EC事業の中長期戦略を組み立て、そのための施策をリードするポジションがいいのでは」と提案をいただいたんです。今、私がつとめているOisix EC事業本部の戦略室室長のポジションですね。
この提案はすごくありがたくて、まさに自分が挑戦してみたいと考えていた働き方でした。一方で、Oisix EC事業はオイシックス・ラ・大地の祖業であり、今でも主要な柱です。そんな事業の中核を、外から入ったばかりの自分がいきなり担っていいのだろうかと、心配に思う気持ちもありました。
ただ、Oisix EC事業の本部長をつとめる青木さんとも話す機会をいただいて。事業が抱えている課題感を共有していただき、それに対してどう向き合うべきかをディスカッションする中で、自分が事業成長に貢献するイメージが沸いてきました。そして、ここでチャレンジングな取り組みをしてみたいと思い、入社を決めました。
戦略室室長として、事業の未来をつくる挑戦へ
── ここからは、戦略室室長としての取り組みについて伺います。入社後は、まずどんなことから始められたのでしょうか?
馬場さん:
最初に取り組んだのは、ちょうど入社が2024年11月だったので、翌年度、つまり2025年度のOisix EC事業の事業計画を考えることでした。
いきなり責任重大なプロジェクトではありましたが、事業部のメンバーとコミュニケーションをとりながら、各チームの考えを整理し、事業全体としてどんな成長ストーリーを描いていけるのか。まずは、そこからスタートしました。
── 現在は、どのような取り組みに注力していますか?
馬場さん:
ひとつは、事業の収益性を高めるための施策です。
Oisixをご利用いただくお客さまを増やしたり、より多くのお買い物をしていただくための施策は、それぞれのチームが週次・月次で目標を立てて進めています。一方で戦略室は、もう少し中長期的な視点で、コスト削減や効率化も含めながら、収益性を向上させる施策を推進する役割を担っています。
また、収益性の向上において大切になるのが「事業状況の見える化」です。事業規模が大きくなると複雑性が増し、全体の状態を把握するのが難しくなってきます。
だからこそ、その状況を丁寧に紐解き、各メンバーが事業を俯瞰できるようにすることが必要です。そうすることで各自がどこに無駄が生じているのかを察知しやすくなります。まだまだ道半ばではありますが、こうした取り組みも進めています。
── 戦略室では、新規プロジェクトである『オイシクル』も管轄されていますよね?
馬場さん:
そうですね。オイシクルは社長直轄のプロジェクトで、千葉県木更津市の体験型施設『KURKKU FIELDS』と共同で取り組んでいます。ファームツアーやイベントの企画、両社によるコラボ商品の開発などを進めています。

馬場さん:
オイシックス・ラ・大地は、創業当初から生産者さんとのつながりを大切にしてきましたし、企業理念にも「これからの畑」という言葉が入っています。オイシクルは、そうした想いをお客さまに直に感じてもらいたいという想いから立ち上がったプロジェクトです。
2024年にジョイントベンチャーとして始まったばかりということもあり、昨年は「どんなことが実現できるのか」を模索する1年でした。そして2025年4月からは戦略室がオイシクルを管轄することになり、チームを組んで、さまざまな施策を練っているところです。
多様性と推進力が交わり、挑戦し続ける組織文化
── 実際にオイシックス・ラ・大地で働いてみて、「オイシックス・ラ・大地らしさ」として特に印象的だったことはありますか?
馬場さん:
ひとつは、これだけ企業規模が大きくなっているのに、ベンチャー気質の人が多いということです。実行力や推進力のあるメンバーが多くて、それはすごくポジティブな驚きでした。
もうひとつは、在籍しているメンバーの多様性ですね。コンサルティングファームだと、基本的にスキルの方向性が似通っていて、いわば“金太郎飴”のような組織なんです。同じようなスキルセットの中で、レベル1の人がいれば、レベル30の人もいる、といった感じで。
でもオイシックス・ラ・大地では、ECの専門家もいれば、プロモーションの専門家、商品開発やレシピ開発を担う人、Webデザイナー、そして自分のように経営企画を担う人まで、本当に幅広いバックグラウンドの人が集まっています。
そんな多様なメンバーが同じ方向を向きながら協力し合っている。その姿勢こそが、事業会社として結果を出してきた大きな強みだと感じました。

馬場さん:
もうひとつ、ポジティブな驚きとして印象的だったのは、経営層との距離の近さですね。事業の根幹に関わり、全体のバリューアップに貢献したいと考えていた自分にとっては、とても魅力的な環境だと感じています。
Oisix EC事業の本部長とは密に連携していますし、会社の代表である宏平さん(髙島宏平)とも直接コミュニケーションをとる機会が多くあります。特に、先ほどお話ししたオイシクルは社長直轄のプロジェクトなので、代表とも議論する機会が多いです。
大きな組織になると、経営層の考えていることが現場に伝わりにくい、という課題が出がちですが、オイシックス・ラ・大地にはそうした“距離感の壁”をあまり感じません。お互いの考えをきちんと共有し合いながら前進できる。そこに、この会社ならではの働きやすさを感じています。
描いた成長ストーリーを、現実にしていく
── では改めて、これから挑戦したいことを教えていただけますか?
馬場さん:
まずは戦略室室長としての役割を全うし、自分たちが描いている成長ビジョンをしっかり実現すること。それをやり切るのが第一だと思っています。
その上で、Oisixがさらに成長していくためには、これまでにない新しい取り組みも欠かせません。もちろん、自社だけで完結できないこともあるので、社外の企業の方々とも積極的に交流しながら、新しい挑戦につながる種まきを少しずつ始めています。
そして、中長期的なキャリアの展望としては、戦略室での経験を活かして、自分自身が事業責任者となり、事業を大きくスケールさせていくことにもチャレンジしていきたいと考えています。
── 最後に、馬場さんが思う「オイシックス・ラ・大地で働くのに向いている人」を教えてください。
馬場さん:
そうですね。オイシックス・ラ・大地に限らず、企業には常に解くべき課題がたくさんあります。そうした難しい課題に対して、前向きにチャレンジしていこうというマインドを持ち、スピード感をもって取り組める人が向いていると思います。
そういう意味では、コンサル業界出身の方は課題に対して馬力を発揮し、真正面から立ち向かっていける人が多いと感じています。だからこそ、コンサル経験を活かしつつ、事業会社という舞台で挑戦し、事業をリードしていきたいという意欲を持つ人にとっては、とてもフィットする環境ではないでしょうか。
オイシックス・ラ・大地は「食に関する社会課題をビジネスで解決する」ことを理念に掲げています。そして、食の領域にある課題は本当に多様です。これまで培ってきた力を活かしながら、難しい課題解決に情熱を持って挑める方と、一緒に働けたら嬉しいですね。
