オイシックス・ラ・大地の「挑戦」を深ぼる

“新しい当たり前”を生み出す、Oisixのサービスプロデューサー── 苦しみの先に拓けた挑戦を楽しむキャリア

“新しい当たり前”を生み出す、Oisixのサービスプロデューサー── 苦しみの先に拓けた挑戦を楽しむキャリア

オイシックス・ラ・大地には、新サービス立ち上げの際に、全体像を描き、戦略策定や意思決定を担う「サービスプロデューサー」という役職があります。今回は、サービスプロデューサーとして、現在はOisixの新サービス『ヘルスケアOisix』を統括する谷本 結花子さんを紹介します。

2013年に新卒で入社し、最初の配属はカスタマーサポート部門。お客さまとの対話を通じて“お客さま視点”を磨き、その後は、Oisixの新規サービスを担うサービス進化室へ。数々の挑戦と苦難を乗り越えながら、サービスづくりの最前線を歩んできました。

「苦しみを乗り越えると、見える景色が少しずつ変わっていって。それを繰り返すなかで、挑戦を楽しむ気持ちをもてるようになりました」──そう語る谷本さん。子育てと両立しながら、挑戦を続ける谷本さんに、これまでの歩みを聞いてみました。

(▼)こちらのインタビューは動画でご覧いただくこともできます。

“食”と“社会課題”に向き合いたい。その思いが原点

──  まずは、オイシックス・ラ・大地(当時は、らでぃっしゅぼーや株式会社)を新卒での入社先に選んだ理由を教えてください。

谷本さん:
学生の頃、開発途上国における飢餓や栄養失調の問題など、食の課題に取り組む『TABLE FOR TWO(テーブル・フォー・ツー)』という活動を支援する学生団体に所属していました。そうした経験から、“食”や“社会課題”をテーマにビジネスをしている会社で働きたい、という思いが自然と湧いてきたんです。

そこから食品メーカーを中心に就職活動をしていたんですけど、当時は就職氷河期でなかなか厳しくて…。今振り返ると、もっといろんな業界を見て回れば良かったなと思うんですけど、当時はそこまで発想が広がらなくて。そんな中で、唯一声をかけてくれたのが、らでぃっしゅぼーやだったんですよね。そのご縁で入社を決めました。

(▲)谷本結花子さん。サービス開発本部 サービス進化室 ヘルスケアセクション マネージャー。

──  入社後、配属先はカスタマーサポート部門となり、約6年間ほど働かれていました。こちらでは、どういう業務を担当されたんですか?

谷本さん:
主には、お客さまからのお電話でのお問い合わせに関する責任者業務です。一次対応は社外のコールセンターに委託していましたが、中には判断や回答が難しい内容もあります。そういうケースは折り返し対応となり、その回答を作成したり、時には責任者として直接お客さまとお話することもありました。

──  配属先がカスタマーサポート部門に決定した時の心境はいかがでしたか?

谷本さん:
配属が決まる前に、いろんな部門の仕事を経験させてもらったんですが、その中で「人と話す仕事って、自分は意外と好きかもしれない」という発見があったんです。なので、お客さまと直接お話できるカスタマーサポートでキャリアをスタートするのは、自分にとってプラスになるかもしれないと感じていました。

ただ実際には、お問い合わせの対応をするなかで、厳しいお言葉をいただくこともあれば、お叱りを受けることもあります。お客さまからの窓口として、しっかりと責任を果たせるのかどうか。その点では、多少のプレッシャーや不安もありましたね。

“お客さまの気持ち”を汲み取る力が磨かれた6年間

──  カスタマーサポート部門で働く中で、特に意識されていたことはありますか?

谷本さん:
カスタマーサポートの仕事って、お客さまからのお問い合わせがすべてのスタートなんですよね。だから、こちらが何かを対応している間は、お客さまをお待たせしている状態になります。その中で、どれだけスピーディーに対応できるかはもちろん、ご納得いただける返答をお返しできるかが大事になります。

当時は「次工程はお客さま」という言葉を社内でもよく使っていて、私自身もそれを常に意識していました。自分の対応次第で、お客さまの信頼を失ってしまうこともあれば、逆にサービスを好きになっていただけることもある。実際に丁寧に対応したことで、「これからも、らでぃっしゅぼーやを応援しますね」と言ってくださったお客さまもいました。

それから、委託先のコールセンターの方々や、本社のパートスタッフの皆さんと一緒に働く中で、信頼される存在にならなきゃいけない、という思いも常に持っていました。そのためには「この領域なら誰よりも詳しい」と胸を張れるものを持とう、と決めていて。だからこそ、自分から積極的に情報や知識を取りに行くようにしていましたね。

──  現在、谷本さんは新規サービス開発を担当されていますが、「カスタマーサポートでの経験が、今の仕事に活きている」と感じることはありますか?

谷本さん:
いっぱいありますね。オイシックス・ラ・大地が新しいサービスを立ち上げるときは、いつも「お客さま」が起点なんです。お客さまが何に困っていて、どうなったら嬉しいのか。そのニーズをきちんと捉えて、会社として何ができるのかを考え、カタチにしていくことがサービスづくりの土台になります。

この土台はカスタマーサポートでも同じで、いわゆる“顧客視点”を自然と身につけられたのは、カスタマーサポートでの経験があったからだと思います。

特に大事なのは、お客さまの言葉をそのまま受け取るだけじゃなくて、その奥にある気持ちを汲み取り、言語化していくこと。カスタマーサポートでもすごく大切なポイントで、そこを感じ取って先回りした対応をすることが求められていました。そうした経験の積み重ねが、新規サービス開発の仕事にも活きていると感じています。

不安しかなかった異動が、自分を成長させる舞台に

── 2018年の経営統合後、谷本さんは『Oisix』の事業部へ異動されています。この異動はご自身で希望されたんですか?

谷本さん:
いえ、会社から声をかけてもらったカタチですね。実は経営統合の直前に、カスタマーサポート部門から、らでぃっしゅぼーやの事業部へ異動したばかりで、新しい仕事に挑戦し始めたところだったんですよ。なので、Oisixへの異動の打診を受けたときは、まさに青天の霹靂でした(笑)。

ただ、カスタマーサポートで働いていた最後の頃は、お客さまからいただく声を毎週まとめて、そこからサービスの改善案などを考えて全社にレポートしていたんです。そういう活動へのコミットもあって、期待を込めて声をかけてもらえたのかなと思っています。

── 慣れ親しんだ『らでぃっしゅぼーや』からOisixへ異動するにあたって、不安もありましたか?

谷本さん:
正直、不安しかなかったなって思いますね(笑)。Oisixの事業部で先に働いている、らでぃっしゅぼーやの先輩たちに話を聞くと、「すごく勉強になるよ」というポジティブな声が多かったので、楽しみな気持ちもあったんですけど。

やっぱり、もとは違う会社で文化も異なりますし、配属先もカスタマーサポートとは別の役割の部門。感覚としては、本当に別の会社に転職するようなものでした。いま振り返ってみても、自分のキャリアの中で最も大きな転換点だったと思います。

── その後、Oisixの新規サービスを立ち上げる「サービス進化室」へと異動されていますが、そこでの仕事はどんな内容だったんですか?

谷本さん:
最初は、ひとつのサービスを専任で担当するというよりも、その時々で事業が抱えている優先度の高い課題に取り組む、いわば“課題解決役”みたいな立ち回りでした。

たとえば、「Kit Oisixは魅力的だけど、価格が高くて続けにくい」というお声をお客さまからいただくことも少なくなくて。そこで、“プライシングの調整”というか、できるだけ価格を抑えたミールキットを開発し、それによって利用率や継続率にどんな影響が出るのかを検証する、といったプロジェクトを担当したりしました。

苦しさの先にあった、チャレンジを楽しむ気持ち

── サービスづくりを担う部門に異動して、ゼロから学ばなければならないことも多かったと思います。特にどんな部分に難しさを感じましたか?

谷本さん:
先ほども触れましたが、サービスづくりで大事なのは「お客さまのニーズをどう汲み取るか」なんです。カスタマーサポートの時は、お客さまからのご要望がある程度言語化された状態で届くことが多かったんですよね。でもサービスづくりでは、お客さま自身もまだ言語化できていないニーズを読み取っていく必要があります。

両方とも「お客さま」が起点なんですけど、サービスづくりでは、そのお悩みや困りごとの“本質”を見抜かないといけない。その点にすごく難しさを感じましたし、今でも難しさを感じています。

さらに、サービスの立ち上げは限られた期間の中で、「この方向性なら間違いない」「これなら、Oisixの成長につながる」という客観的な“結果”と”自信”をつくることが求められます。だからスピード感も必要ですし、プレッシャーも大きい。

そんな緊張感のある環境で、今までの経験が通用しないことに挑戦していくのは本当にしんどくて…。プライドもズタズタで、心が折れかけたことなんて何度もありました。

── そうした苦しかった時期を、どういう風に乗り越えていったんでしょうか?

谷本さん:
当時はよく上司にも、「すごく辛いです」「もうこのミッションから降ろしてほしいです」とネガティブな言葉をこぼしていました。でも、そのたびに上司からは「その苦しさは、成長のプロセスだから」という返答が返ってきて。自分の辛い気持ちを受け止めてもらいながらも、背中を押してくれるようなエールをもらっていたんです。

そうした中で、「ここから逃げることはできないんだな」と、いい意味で腹をくくることができました(笑)。そして、“できない自分”を認めたうえで、「ここまではとにかく頑張ろう」と決めて。目の前のことを一つひとつ乗り越えることに集中していったんです。

そうやって自分で決めたゴールを迎えてみると、見える景色が少しずつ変わっていって、自分の中で確かな成長を実感できました。そういう繰り返しの中で「この頑張りにも価値がある」と思えるようになり、チャレンジを楽しむ気持ちを持てるようになっていきました。

答えのない挑戦を導くのは、強い意志と情熱

── 現在の谷本さんはサービスプロデューサーという肩書きで、Oisixの新サービス『ヘルスケアOisix』の全体統括をしています。そんな谷本さんが、サービスづくりにおいて最も重要だと感じることは何ですか?

谷本さん:
スキルセットとして重要な要素はいろいろあると思います。まだ世の中にないものを立ち上げるという意味では、課題を見極める力や、数ある解決策の中から本質的な選択肢を選ぶ力。事業として成長していくためには、売上や利益といった数字を見るセンスも必要です。

挙げればキリがないんですけど、でも私が何より大事だと思うのは、スキルよりもマインドの部分なんです。「このサービスを絶対に成功させる」「これは世の中に本当に必要とされている」という意志や情熱。これが一番の原動力になると思っています。

というのも、サービスづくりのプロセスって本当にうまくいかないことばかりで。いろいろ試してみても全部ダメ、なんてこともザラにあります。せっかく作り上げたものを自分たちで壊して、またゼロから作り直すことだってあります。そんなとき、無力感や徒労感を強く感じることもあります。

それでも前に進まなきゃいけない。その一歩を踏み出すときに、「このサービスは絶対に必要なんだ」「このサービスを待ってくれている人たちがいる」という強い気持ちがなかったら、続けられないと思うんです。

そしてもう一つ大事なのは、その情熱をチームで共有できているかどうかです。一人ひとりが強い気持ちを持っていれば、たとえ誰かが一時的に落ち込んでも、他の誰かの想いが再び火を灯してくれる。そうやって情熱を伝播させながら進めていけるチームづくりが、サービスづくりには欠かせないと思います。

今、私が関わっている『ヘルスケアOisix』のチームも、まさにそういう情熱を共有できていると感じています。「がん患者さんやご家族の食事をサポートしたい」「こういうお声をもっと聞けるサービスにしたい」と、同じ目線で同じゴールに向かって。そんな想いを持ちながら、今日もサービスづくりを続けています。

(▲)谷本さんが取り組んでいる新サービス『ヘルスケアOisix』

揺れるキャリアの中で、軸にすべきは“自分の想い”

── 谷本さんを語る上で欠かせないのが、小さいお子さんがいながらも、仕事でアグレッシブに挑戦していることだと思います。仕事と子育ての両立で、どんなことを意識されていますか?

谷本さん:
そうですね。私はもともと完璧主義で責任感も強いタイプなので、自分の時間や体力を犠牲にしてでも「周囲の期待に絶対に応えたい」という気持ちが以前は強かったんです。でも子どもが生まれると、どうしても時間的な制約がありますし、自分が体調を崩すと家族全体に影響してしまいます。

そこで、「今日、自分が絶対にやらなきゃいけないことは何か」を自問して、そこに集中するようになりました。それ以外のことは次の日に持ち越したり、他の人にお願いしたりして、頑張りすぎない。そういうところは、以前と比べて大きく変わったと思います。

それに、先ほども触れたようにサービスづくりの仕事はすごくタフなんですよね。チャレンジを前向きに楽しむ気持ちがないと続けられない仕事だと思うので、自分と向き合う時間も大事にしています。

実は、週の中で子育てや家事を夫がすべて担当してくれる曜日があるんです。その日は、仕事が終わらなければ仕事に打ち込みますし、余裕があれば友達と飲みに行ったり、映画を観に行ったりして、リフレッシュしています。夫の協力あってのことですけど、そうやって自由な時間をつくってもらえることで、何とかバランスを保てているんだと思います。

── 出産や育児といったライフステージの変化で、自分のキャリアに悩む人も多いと思います。谷本さんならどんなアドバイスを送りますか?

谷本さん:
私自身、このキャリアの向き合い方が正解だとは思っていないので、「こうすべき」と一概には言えないんですよね。自分をコントロールする時間を持つことができる人もいれば、そうじゃない人もいると思います。

でも、結局のところ大切なのは「自分として何を大事にしたいのか?」という問いに対して、納得できる答えを持つことだと思っています。その答えを一緒に考えたり、考えるためのヒントを伝えたりはできるかもしれません。仕事も頑張りたいけど、子どもと向き合う時間を一番に大事にしたい、という人もきっといますよね。

大事なのは、周りがどうとか、どう期待されているかじゃなくて、自分はどうしたいのか。その軸を持っていないと、「周りに言われたからやるしかない」とか「本当はこうしたいけど無理なんだ」といった“他責”になってしまう。そうなると、すごく辛くなってしまうと思うんです。

だからこそ「自分はどうしたいのか?」という軸をしっかり持つこと。その軸はその時々で変わっていいと思うので、常に意識して大切にすることが大事だよ、と伝えたいですね。

自分の強みを磨き、どんな挑戦も楽しめるキャリアを

── 谷本さんのこれまでのキャリアについて伺ってきました。最後に、これから先はどんなキャリアを描きたいですか?

谷本さん:
正直、「このプロジェクトに関わりたい」とか「何年後にはこのポジションに就きたい」といったビジョンは全く持っていないんですよね(笑)。

今はただ、『ヘルスケアOisix』という、社会に絶対必要だと心から信じられるサービスづくりに関わらせてもらえていることが幸せで。そのサービスを大きく成長させていくことに全力を注ぎたいと思っています。

一方で、長い目で見たときに、自分の強みをもっと活かせそうな挑戦の機会が訪れたら、迷わず飛び込みたい気持ちもあります。新しいチャレンジを通じて事業や会社に貢献できるなら、前向きに挑戦していきたいですね。

自分の強みを見つめ直し、磨き続けることで、どんな仕事や挑戦も楽しめる。そんなキャリアを歩んでいけたら嬉しいなと思っています。

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