Oisixでは、『Kit Oisix』や『デリOisix』などのサービスを展開し、毎週新しいメニューをお届けしています。その一つひとつのメニューを設計・開発しているのが、レシピ開発担当のメンバーです。
レシピ開発と聞くと、感覚的な仕事のように感じられるかもしれません。でも実際は、データを分析したり、お客さまヒアリングを重ねたりしながら、「いま、お客さまはどんなメニューを求めているのか」を読み解くなど、ロジカルシンキングやマーケティングの視点が強く求められます。
レシピ開発を通じて、担当するサービスを「より多くのお客さまに喜んでいただけるものへ」とどう進化させていけるか。サービス成長を見据えながら、感動する食体験をお届けしていくことが、Oisixにおけるレシピ開発担当者のミッションになります。

今回は「Oisixのレシピ開発担当者・座談会」と題して、森田佐和子さん、千葉淑香さん、野村仁菜さんの3名に、日々の仕事への向き合い方や、レシピ開発の力を組織全体で高めるための取り組みについて話を聞きました。
(▼)こちらのインタビューは動画でご覧いただくこともできます。
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常に問い続けるのは「何のためのレシピ開発なのか?」
── Oisixのレシピ開発担当は、自分が担当するサービスのチームに所属し、企画メンバーやデザイナーとタッグを組みながら仕事を進めるのも特徴的ですよね。自身が担当するサービスを成長させるため、日々意識していることを教えてください。
野村さん:
私はOisixのレシピ担当になって3年目になるんですが、1年目のときは正直、おいしいレシピを開発することに注力していたな、と思っていて。ただ、レシピをつくるだけでなく、その先にある「サービスの成長」という視点を持つことが、今はすごく大事だなと感じています。

野村さん:
そのなかで日々意識していることは、「今の仕事は何のためにやっているのか」という企画の原点に常に立ち返ることです。
例えば、この商品は新しいお客さまを獲得するために開発するのか。それとも今いるお客さまに新しい価値を提供したり、より楽しんでもらうための商品なのか。目的が異なると、当然、開発する商品の内容も大きく変わってきます。そのため、企画の原点からブレないことを意識するようにしています。
また、現状のルールにとらわれすぎないことも大切にしています。新しいアイデアやトレンドをキャッチし、たとえサービス内で定めているルールから少し外れていたとしても、大胆にチャレンジしてみる。そんな風に、発想を広げていきたいと思っています。
── 企画の原点に常に立ち返るという話がありましたが、お二人も、そこは大切にされていますか?
森田さん:
そうですね。Oisixのレシピ開発の場合、バイヤー(調達)部門、製造部門、販売部門など、複数の部門と連携しながら開発を進めていきます。様々な関係部門とコミュニケーションを密にしながら、一つひとつの工程を進める必要があって。
関係者が多いなかで、そもそもの目的を見失ってしまうと、とんでもない方向に企画が走ってしまったり、本来やりたかったこととは違う結果になってしまいかねない。だからこそ、企画の原点に常に立ち返ることは大切にしています。

── 企画の原点に立ち返ることを意識づけたことで、1年目の頃と今とで、ご自身の中で変わったなと感じることはありますか?
野村さん:
いろんな部署の方々と連携しながら一つの商品を作っていくなかで、他部署の方に「こういうことを実現したくて、ここがこの商品のポイントなんです」という説明をより詳しく伝えられるようになったかなと思っています。
どんなメニューを作りたいのかだけでなく、そのメニューを販売することで成し遂げたいことをしっかりと伝えていく。自分が目指している商品を作るために、他部署の人とどうコミュニケーションを取っていくか。その方法が変わったのかなと思います。
仮説と検証を週次で回す、Oisixのスピード感
── 千葉さんは、担当サービスを成長させるために、日々どんなことを意識していますか?
千葉さん:
私はまず、お客さまがどんな体験を望んでいて、『Oisix CookBox』としてどんな提供価値をお届けできるのかというところを常に意識しています。
お客さま像や食卓をできるだけ具体的にイメージすることで、そのターゲットの方が誰と囲む食卓なのか、どんな食事シーンなのか、そこにどんな会話があって、どんな気持ちが生まれるのか。おいしさだけでなく、そういった情緒的なところや、その先にある体験まで想像して作るようにしています。

── お客さま理解を深めることが、何よりも大切ということですね。
千葉さん:
そうですね。毎週お客さまからいただくアンケートの結果に目を通すなど、お客さまへの理解を最大限深めるようにしています。ただ、先ほどの話とも重なるんですが、そもそも『Oisix CookBox』のサービスコンセプトに立ち返ることも大切にしています。私たちのサービスを利用されている方が、どんなお悩みを持って、どういうことを叶えたくてサービスを使ってくださっているのか。そこにチーム全員で立ち返って、軸がぶれないようにすることを意識しています。
── 森田さんは、担当サービスを成長させるために、日々どんなことを意識していますか?
森田さん:
『デリOisix』はまだ始まったばかりのサービスで、伸びしろが豊富な反面、まだまだわからないことだらけです。Kit Oisixで培った学びが『デリOisix』にも通用することもあれば、そうでないときもあって。
なので、とにかくたくさんチャレンジをして、ラーニングを積み重ねていくスピード感を大事にしています。やってみないとわからないことがたくさんあるので、まずはやってみること。そうして挑戦した結果を、しっかりとレビューする。そのサイクルをスピード感を持って回し続けることが、今は重要だと感じています。
── スピード感を持って、挑戦とレビューを繰り返すというのは、オイシックス・ラ・大地らしいですね。
野村さん:
そうですね。私のチームでもスピード感はすごく意識しています。お客さまからの毎週のレビューをキャッチして、もう一歩だった商品はその次の週には新しく試作に出てきていたり、翌月にはもう修正がかかった商品が販売されているということも多いですね。
千葉さん:
私たちのチームでも、週次レビューでお客さまの声を聞いてチームで共有し、すぐに直せるところはできる限り早く修正するようにしています。また、週次アンケートだけではなかなか拾いきれないお声については、お客さまとマンツーマンでお話を聞くヒアリングを行って、深掘りをした上で要件を見直したりもしています。
「おいしい」の引き出しを増やす、新たな取り組み
── オイシックス・ラ・大地では「レシピ委員会」という名称で、メンバー同士の横のつながりを作り、知見を共有する場があると聞いています。こちらは、どのような取り組みなのでしょうか?
森田さん:
レシピメンバー全体のスキル向上を目指して、スタートした取り組みです。
特に重視しているスキルは3つあります。レシピの要件を定義をする力。アイデアを広げたり深めたりしながら、レシピを創造する力。そして、周囲のメンバーを巻き込みながら、レシピ開発を進めていくディレクション力。この3つを軸に、それぞれをどう伸ばすかを考えています。

森田さん:
たとえばレシピの創造力という点では、自分の中に「おいしい」の引き出しをたくさん増やさないと、なかなかアイデアが広がりません。その引き出しを増やすべく、レシピ開発担当者同士で話題のレストランなどを訪問し、それぞれが感じたことを共有する「感動体験」というワークをはじめました。
── 実際に感動体験に参加してみて、いかがでしたか?
野村さん:
複数のメンバーで同じものを食べて、感じたことを言語化するって、あまりない機会だなと思っていて。それまでも、レシピ開発担当者同士でご飯に行くと「この料理はここがポイントだよね」と感想を共有することはよくありました。でも、この感動体験では、とにかく「おいしい」をみんなで深掘りしていくんですよね。
そうして言語化するなかで、普段のレシピ開発に活かせるように、「おいしい」を構成する要素は何かを構造化していく。レシピ開発担当者同士で行うからこそ気づかされる点も多くて、とても勉強になっています。

── 千葉さんは、この感動体験の取り組みをどのように感じていますか?
千葉さん:
まず一番は、すごく役得だなというのが第一印象でした(笑)。普段なかなか自分では行けないような素敵なお店に、会社の力を借りて行けるというのがテンションの上がる理由のひとつです。
実際に参加すると、普段はなかなか出会えないようなメニューや、料理人の方のこだわりが垣間見えるような料理があって。なぜおいしいのか、そのおいしさを生み出しているポイントは何かといったことを、他のメンバーと意見交換ができる。たとえば先日行った中華のお店では、エビチリに生の玉ねぎを敷くことで食感を変えているメニューがあったんですが、カリッとしたところに魅力を感じる人もいれば、生のシャキッとした食感との相乗効果がいいよねという視点の人もいて。
いろんな意見があることで、自分には思い浮かばないような視点を学べるのがすごくいいなと思いました。「おいしい」の引き出しが確実に増えている感覚がありますね。
成長を支えるのは、スキルアップとウィルアップの両輪
── 千葉さんはレシピ委員会の事務局メンバーとして活動されているとのことで、取り組みの全体像を教えていただけますか?
千葉さん:
レシピ開発というと、感覚的に仕事をするイメージもあるかもしれないんですが、実際はロジカルシンキングなどを活用して、構造的にものごとを進めていく仕事なんですよね。
オイシックス・ラ・大地には、「レシピレベル」と呼ばれる独自の基準があります。レシピ開発担当として求められるスキルをレベル別に定義したもので、レシピ作成の知識、企画力、ディレクション力など、複数の要素から構成されています。
さまざまなレベルのメンバーがいるなかで、必要なスキルを習得し、もう一段上のレベルへの成長をサポートする。それがレシピ委員会の大きな役割です。そのために、メンバーそれぞれに直接ヒアリングをして、一人ひとりの強みや課題を把握した上で、成長段階やスキルレベルに合わせたサポートを模索しています。

── なるほど。レシピ開発担当者のスキルアップのための仕組みを、レシピ開発担当者自身で推進されているんですね。
千葉さん:
そうですね。ただ、スキルアップばかりを追い求めると、メンタル的に辛くなることもあるかと思うので、「ウィルアップ」という観点もすごく大切にしています。
たとえば、悩んだときにいつでも相談できる、戦友のような仲間がいる環境づくりだったり。「Oisixのレシピ開発担当でよかった」と思ってもらえたり、誇りをもって日々の仕事をしていけるような環境をいかに築いていくか。それが、事務局として大切にしていることです。
── 森田さんは、レシピ委員会の横のつながりについて、どのように感じていますか?
森田さん:
オイシックス・ラ・大地にはさまざまなサービスがあって、レシピ開発メンバーはいろいろなチームで活躍しています。そうしたなかで、担当しているサービスは違えど、レシピ開発担当者同士だからこそ共感できることもすごく多いと思うんです。スキルアップという観点でも、一緒になって考えられることで相乗効果が生まれると思うので、こうした横のつながりはとても大切だと感じています。
それに、レシピ開発担当者自身が、自分たちで考えて動いているのもすごくいいなと思っていて。誰かに言われてやるのではなく、「こうだといいよね」を自分たちで考えながら実践できている。そういう環境があること自体が、心強いですよね。

求めるのは、お客さまの「おいしい」を考え抜ける人
── 最後に、オイシックス・ラ・大地のレシピ開発担当に向いている人とはどんな人か、料理のスキルに限らず、考え方や姿勢の面からお聞きしたいと思います。
野村さん:
まず、「おいしい」を探求していくことが好きな人。そして、楽観的に物事を捉えられる人。新しいことに挑戦するのが好きな人。日々同じ業務を回していくというよりは、常に新しい毎日を送っていきたいと思っている人には向いているかなと思います。
千葉さん:
私もおいしいものへの興味や探求心があることが一番かなと思っています。他には、常にお客さま視点で物事を考えられる人。かなりチャレンジングな環境なので、変化することを前向きに捉えられる人。そして、当事者意識を持って成長できる人が向いているかなと思います。
森田さん:
おいしいものが大好きで、チャレンジ精神があること。加えて、お客さまの目線で考え抜けるというところが大事だと思っています。
レシピ開発の仕事は「おいしいものを届ける」ということに尽きるんですが、それを考えるときに「このメニューを届けたとき、お客さまはどう感じるのか?」を考え抜かないと、本当にいいレシピは生まれてこないんですよね。
自分が「おいしい」と思うものを提供したいという気持ちも大切だと思うんですが、オイシックス・ラ・大地で必要とされるのはそれだけではなくて。まずはお客さまのことを考える。お客さまが求める「おいしい」とは何かを考え、その半歩先、一歩先を行くものをご提案する力が強く求められます。
お客さまからの「おいしかったです」という声に大きな喜びを感じ、新たな「おいしい」を生み出すことに挑戦し続けられる。そんな人が、オイシックス・ラ・大地のレシピ開発に特に向いているかなと思います。






