オイシックス・ラ・大地の「挑戦」を深ぼる

オイシックス・ラ・大地は、女性が働きやすい会社なのか? 社外取締役の小脇美里さんに聞いてみた

オイシックス・ラ・大地は、女性が働きやすい会社なのか? 社外取締役の小脇美里さんに聞いてみた

社員の女性比率が65%以上を占めるオイシックス・ラ・大地では、女性が働きやすい職場環境を整えるため、以前から様々な取り組みを行なってきました。在宅勤務のインフラ整備、産休や育休からの復帰支援、法定以上の時短期間適用。従業員一人ひとりの事情や背景も考慮しながら、働き方をフォローする様々な制度を用意しています。

その結果、「女性が働きやすい会社」と言われることもあるオイシックス・ラ・大地ですが、実際のところ、どうなんだろうか?そんな素朴な疑問を解決すべく、2021年6月からオイシックス・ラ・大地の社外取締役に就任した小脇美里さんに話を聞いてみました。

ブランディングディレクターとして活躍しながら、福井県鯖江市でSDGs女性活躍推進アドバイザーや、ママをエンパワーメントするWEBメディア『MOTHERS』編集部の編集長をつとめるなど、女性の多様な生き方への応援をテーマに様々な活動する小脇さん。そんな小脇さんにオイシックス・ラ・大地は、どう映っているのでしょうか?

お客様に一番近い立場の社外取締役として

── 小脇さんは昨年から社外取締役に就任されましたが、お客様として『Oisix』を長年利用していたんですよね?

小脇さん:
はい。10年ほど前の東日本大震災の頃から食材の安全性が気になって、Oisixを使い始めました。特に、当時は放射能の問題が特に心配で、Oisixは放射性物質の検査をいち早く行っていたこともあり興味を持ちました。

その後も、子育てをするなかで買い物や料理をする時間がなかなかとれず、Oisixには本当に何度も助けられました。『Kit Oisix』をはじめ、「ママを助けたい」という想いが伝わってくる商品やサービスばかり。そんな風にOisixを使ってきた私ですが、まさか自分がオイシックス・ラ・大地の社外取締役になるとは想像もしていませんでしたね。

小脇美里さん
大学卒業後、アパレルブランドの立ち上げに関わり、プレス・デザイナーを兼任し人気ブランドへと成長させる。その後、雑誌「CanCam」のファッションエディターとなり、人気企画を担当。フリーとなり、エディター業のほか、ウェディングドレスブランド“heureux de Misato Kowaki” のデザイナー、写真集・広告のディレクション、書籍を出版するなど多岐にわたり活躍。2015 年に第一子を出産。出産後は整理収納アドバイザーとしてセブン&アイグループで収納アイテムもセレクト。2016 年「モノトーン収納でラクする片づけ」(小学館)を出版。福井県鯖江市顧問/SDGs女性活躍推進アドバイザー。ママをエンパワーメントするWEBメディアMOTHERS編集部を立ち上げ、編集長に。2児の母。「ベストマザー賞」2019 年、経済部門を受賞。

── どういった経緯で、社外取締役の就任が決まったのかを教えてもらえますか?

小脇さん:
はじまりは、サマンサタバサジャパンリミテッドで長年活躍し、現在はサマンサタバサジャパンリミテッドで非常勤取締役を勤めながら、オイシックス・ラ・大地で「Special Planner」「People’s Adviser」という肩書きで働いている世永亜実さんから紹介いただいたことです。

オイシックス・ラ・大地は、サービスを利用されるお客様も、働く従業員も女性が多い会社です。お客様の立場に近く、女性の視点を汲み取った意見を与えてくれる人物を社外取締役に迎えたいということで、声をかけていただきました。社長の髙島さんともお会いし、詳しく話を聞かせていただきました。

正直、最初は戸惑いもありました。私自身、社外取締役をつとめた経験はありませんし、経営についての専門知識が豊富なわけでもありません。他の社外取締役には企業経営に詳しい錚々たる面々が並ぶなかで、私が入っていいのかなと感じました。

ただ、髙島さんからは「お客様に一番近い立場として、自分たちが当たり前だと思ってしまっていることに対して素朴な疑問を投げかけてほしい。また、働く女性がより働きやすく、働きがいのある会社づくりを目指すにあたり、小脇さんの視点から色々とアドバイスをいただきたい」と告げられ、それであればお役に立てるのではないかと思い、お引き受けすることにしました。

新しい働き方を開拓するママ社員の多さに驚き

── 女性が働きやすい会社づくりという点で、小脇さんから見て、現在のオイシックス・ラ・大地はどのように映っていますか?

小脇さん:
社内をみると、本当に多くのワーキングママが活躍していますよね。ほとんどの部署にママ社員がいて、チームの半分以上がママという部署もあります。ただ、子どものお迎えや子どもの発熱など、子育てと仕事の両立は何かと難しい。そうした様々な状況があるなかで、働き方をフォローする制度が充実していることに驚きました。

また、制度を整えるだけでなく、会社として子育てへの理解が高いと感じます。例えば、育休や産休から復職するメンバーに向けて、『復職式』などの支援制度を行っていますよね。「戻ってきてくれて、ありがとう」「復職後すぐは、あまり無理しないで」といったメッセージを会社からキチンと伝えられると、復職するママたちはとても安心すると思います。

(▲)2021年度の『復職式』はオンライン開催。はじめて男性社員も参加。

小脇さん:
また、働く女性が社内に多くいることで、働き方やキャリアの相談がしやすい環境があるのもいいことですよね。私自身、第一子の時には育休も取らずに働き続けたり、子育てと仕事のバランスに悩んだりしてきました。子どもを育てながら働く以上、こうした悩みが尽きることはないと思いますが、相談できる相手が周りにいるのといないのでは随分変わります。

働く女性といっても一概には言えず、子育てをしながら仕事でもきちんと成果を出したい女性もいれば、今は家族との時間を大切にしたい女性もいます。また、子育てのフェーズが変わることで、働き方を見直す人もいます。それぞれの事情やライフステージの変化にあわせた柔軟な働き方をオイシックス・ラ・大地は認めていて、「こんなに女性が働きやすい会社があったんだ」というのが率直な印象です。

── 前述の世永さんは子育てをしながらパラレルキャリアで働いていたりと、色々な働き方をする社員がオイシックス・ラ・大地にはいますよね。

小脇さん:
そうですね。子育てしながら仕事というと、働き方の選択肢を制限されるイメージが一般的にはあるかもしれません。ですが、オイシックス・ラ・大地ではママになったことを転機にして、新しい働き方や役割を開拓されて、大事な役割を担っている方が多いと感じます。

私自身、私たちの世代が模索しながらも新しい働き方を楽しむことで、次の世代に「それぞれのやり方で働き続けられるんだよ」という道筋を見せていけたらと普段から考えています。そういう意味でも、女性の多様な働き方やキャリアを認めていくオイシックス・ラ・大地の姿勢には共感するところが大きいです。

「働きやすさ」と「働きがい」の両立を目指す

── また、社外取締役に就任いただいてから、オイシックス・ラ・大地で働く様々な女性社員に小脇さんがインタビューいただく連載企画『Behind the Brand』を実施してきました。社員と直に話をするなかで、感じたことを教えてください。

小脇さん:
みなさん、自分たちのサービスやブランドへの愛情がとても強いですね。仕事に誇りをもっているというか、自分の担当する仕事について熱心に話をされて、その熱量の高さに毎回驚かされます。

例えば、『らでぃっしゅぼーや』で販売企画などを担当する松山麻理さんは、ご自宅も『らでぃっしゅぼーや』のアイテムで溢れていて、心から自分たちのブランドのことを愛していると感じました。入社して15年くらい経ち、育休も2回取られたりしていますが、これまでにブランドへの愛が減ったことはないと話されていました(記事はこちら)。

小脇さん:
社員のみなさんとお話をすると、「農家さんの一人ひとりの想いを届けたい」「安心安全な食を届けたい」「笑顔あふれる食卓を届けたい」など、食や家族を大切に考えている方が多いですよね。オイシックス・ラ・大地は「これからの食卓、これからの畑」という言葉を企業理念として掲げていますが、会社の目指す方向と個々人の想いがしっかりと重なっていることを感じます。

また、話を聞くと、一人ひとりの意志を尊重する会社という印象も受けます。「これをやりたい」という意欲ある人の話はしっかりと耳を傾けるし、働き方やキャリアで悩んでいる人には悩みを聞いて、しっかりと寄り添っていこうとする文化がありますよね。

それが特に印象的だったのが尾花美咲さんの回です。これまでは与えられた仕事に全力を注いできた尾花さんが、「自分にしかできないことは何だろう?」と悩んでいたら、高島さんがアドバイスをしてくれたという話を聞きました。これだけの規模の会社なのに、社長が一人ひとりの社員にきちんと興味を持って接するなんて、なかなかできないと思います(記事はこちら)。

小脇さん:
女性活躍推進や働き方改革の議論になると、時短勤務や自宅勤務などの「働きやすさ」のほうばかりをフォーカスしてしまうことが多いと思います。ただ、女性のキャリアや幸せということを考えると、「働きやすさ」も重要ですが、「働きがい」をもって働けるかどうかがとても大切です。

その点、オイシックス・ラ・大地では、それぞれの社員の状況にあわせた「働きやすさ」の実現と、一人ひとりの「働きがい」を高めていくことの両立を目指していますよね。働きがいのある会社にするための制度や文化づくりにも、関心することが多かったです。

これからの新しい道を切り拓いていきたい

── 今回は話を聞かせていただき、ありがとうございました。自分たちの方向性に対して自信をもてました。最後に、小脇さんから見て、課題と思う点があれば聞かせてもらえますか?

小脇さん:
課題とは違いますが、こんな女性にとって働きやすい会社なのに、そのことが世の中にあまり知られていないことがもったいないと思いました。現在、様々な企業が女性活躍推進を目指して、制度づくりや社員の意識改革を行っています。そのなかで、オイシックス・ラ・大地はロールモデルのひとつになれる企業だと感じています。

そういう意味で、私が社外取締役となることで、オイシックス・ラ・大地の女性活躍推進への本気度が世の中により伝わるのであれば嬉しく思います。私自身、社外取締役として、オイシックス・ラ・大地の取り組みを少しでも多くの人に伝えていきたいと考えています。

── 私たち社員も、小脇さんの社外取締役就任の知らせを聞いた時、会社として女性活躍推進により注力していこうとする経営の本気度を感じました。

小脇さん:
そう言っていただけるとすごく嬉しいです。実際に、日本の大きな企業の役員クラスには、まだまだ女性は少ないですよね。いらっしゃっても、50代や60代くらいの方が大半で、経験も豊富な方ばかり。男女平等が当たり前でない時代に道を切り拓いてくれた方々で、尊敬と感謝でいっぱいなのですが、そろそろ次の世代の私たちも頑張らなければいけないと感じています。

また、私がブランディングディレクターとして培ってきた経験も、社内に共有していきたいと考えています。女性を応援する商品や企画に数多く関わってきたので、そういった経験をオイシックス・ラ・大地の事業やサービスにも生かすことができたらと思います。

お客様に最も近い立場の社外取締役として、私ならではの視点を活かして、オイシックス・ラ・大地の成長に貢献していきたいです。

執筆:井手桂司・編集:ORDig編集部

記事一覧を見る
Oisix ra daichi Recruitment

Oisix ra daichi
RECRUITMENT

オイシックス・ラ・大地では、仲間を募集しています。

採用サイトOpen in new tab

VIEW ALL