オイシックス・ラ・大地の「挑戦」を深ぼる

累計1億食突破!サービス企画とメニュー開発担当者が語る、ミールキット商品開発の裏側

累計1億食突破!サービス企画とメニュー開発担当者が語る、ミールキット商品開発の裏側

必要量の食材とレシピがセットになり、主菜と副菜の2品が20分で完成するミールキット『Kit Oisix』は、2021年11月にシリーズ累計出荷数が1億食を突破しました。Oisixでは常に20種類以上のミールキットのメニューが売り場に並び、毎週新しいメニューが3〜4種類リリースされています。

どのようなステップを踏んで、どんなことを意識しながら、Oisixのミールキットは開発されているのか。オイシックス・ラ・大地では、サービス企画メンバーの尾花美咲さんとレシピ開発メンバーの森田佐和子さんに、開発の裏側について話を聞く公開オンラインイベントを開催しました。こちらのイベントのダイジェストをお届けします。

(写真左)森田佐和子さん。

管理栄養士として病院での勤務を経て、2013年12月に旧オイシックスへ。使い切り量の食材とレシピがセットになったミールキット『Kit Oisix』のメニュー担当として、要件定義、企画、販売など、広く活動。顧客のお声に向き合い、改善を繰り返している。著書に、『朝ごはんのアイデア365日(誠文堂新光社)』などがある。
 

(写真右)尾花美咲さん。

2019年4月にキャリア入社。学生時代に栄養士の勉強をし、新卒で食品メーカーに就職し、自社ブランドの広報や店舗開発などを担当。その後、オイシックス・ラ・大地の食の社会課題をビジネスで解決するという社会性に惹かれ入社。食の仕事が好きで、ラーメン屋からアイスクリーム店まで、様々な業態の飲食店でバイト経験あり。

多様なメンバーがチームを組んで動く

──  毎週新作がリリースされているOisixのミールキットですが、どのようなチーム体制で開発されているのでしょうか?

尾花さん:
メニューの狙いやコンセプトを考えるサービス企画メンバー、メニューの中身を考えるレシピ開発メンバー、メニューの魅力の伝え方を考えるデザイナー。基本的には、この3つの異なる職種のメンバーがチームを組んで開発を進めていきます。

所属としては、Oisixの事業部内にある『Kit Oisix進化セクション』というチームに所属しているメンバーと、新規サービスの立ち上げを担当する『サービス進化室』という部署に所属しているメンバーがいます。ちなみに、私と森田さんは後者ですね。

Oisixでは、2019年10月末より、日本で初となるヴィーガン食のミールキットの取り扱いをはじめました。『Purple Carrot』というブランドなのですが、ヴィーガン食の魅力をお客様に伝え、『Purple Carrot』を成長させていくことが私と森田さんのミッションです。

──  ヴィーガン食と一口にいっても、様々な種類のメニューが販売されていますよね。

森田さん:
そうですね。肉や魚を使わずに、栄養バランスも良くて、おいしくて満腹感を得られるメニューとは何かと考えながら、これまでに80種類を超えるメニューを開発してきました。

そもそも、ヴィーガン食は欧米では広く普及していますが、日本ではまだあまり知られていません。ヴィーガンに興味を持っていただくために、見た目の彩りはもちろん、メニュー名にもこだわって、「なんだか気になる」「試しに食べてみたい」と直感的に思っていただけるメニューにすることを心がけています。

お客様への提供価値を徹底的に突き詰める

──  商品開発の流れとしては、どういうステップが多いのでしょうか?

尾花さん:
まずは、サービス企画メンバーが企画の要件を固めます。その企画によって成し遂げたい目的や、お客様に届けたい提供価値を明確にしていきます。

企画目的は、どちらかというと事業側の視点ですね。ヴィーガン食を食べたことはないけど、興味を持ってくださっているお客様に、初めての体験を促すメニューにしたいとか。夕食用に購入いただけるような、満腹感の高いメニューにしたいとか。

提供価値は、その新商品を通じて、どんな驚きや発見をお客様に届けたいのか。「ヴィーガン食って、試してみるとおいしい」「肉なしとは思えない」。こんな風に、お客様にどんな気持ちになっていただきたいかを考えていきます。

(▲)Purple Carrotのヴィーガンミールキット

森田さん:
お客様に驚きを与えるといっても、色々な種類の驚きがあります。おいしさに驚いてほしいのか。簡単に料理ができることに驚いてほしいのか。そのメニューに使われている食材の新しい魅力を知って感動してほしいのか。

実現したい提供価値に沿ってメニュー開発を進めていくので、メンバー間での企画意図の擦り合わせが重要になっていきます。毎日の食卓に並ぶようなものがいいのか、それとも非日常感が味わえるものがいいのか。どういう価格帯で、どんな売り出し方をしたいのか。こんな風に、細かく確認をしていきます。

尾花さん:
また、企画を考える際には、レビューを必ず行うようにしています。これまでに発売された商品の販売数やリピート件数といった定量的なデータ。お客様から寄せられたお声やSNSへの投稿内容などの定性データ。さらに世の中のトレンドなどを踏まえながら、お客様が何を望んでいるかを考えていきます。

オイシックス・ラ・大地では会社全体として、ロジカルシンキングを大切にしていて、議論をする際には「そのエビデンス(根拠)は何?」と確認しあう文化があります。入社したばかりの頃は慣れないこともありましたが、この文化があるおかげで、お客様に満足いただける商品を継続的に提供できていると感じます。

メニュー開発においてもロジカルが重要

──  森田さんには別の記事でも話を聞かせてもらいましたが、メニュー開発において特に心がけていることは何でしょうか?

森田さん:
ひとつは、売り手目線になっていないか。お客様目線で考えられているかどうかを、とても意識しています。そのため、メニュー開発を進める中で、目指したい提供価値からズレていないかを何度もチェックするようにしています。

また、お客様目線を大切にしつつ、「Oisixらしさ」を、どのメニューにも忍ばせたいと思っています。私が考える「Oisixらしさ」とは、お客様の期待に応えつつ、「さすがOisix」と言ってくださるような驚きや新鮮さをお客様にお届けすることです。

そんな風にお客様に感動いただくためには、お客様が求めていることの半歩先を考える必要があります。そういう意味でも、お客様の目線をしっかりと持つことが大事ですね。

(▲)『Purple Carrot』のブランド紹介ページとレシピの一例

──  新作メニューを毎週考えるなかで、アイデアに行き詰まった時は、どういう風に解決されていますか?

森田さん:
よくやるのは、目的に立ち返ることです。このメニューは、そもそも何を成し遂げたいものなのか。お客様にどんな価値を提供したいものなのか。このように企画の根本にステップバックしていく中で、「それを実現したいなら、こういう方向性もありかもしれない」とアイデアが浮かんできます。

あとは、選択肢の掛け合わせで、アイデアを発想することもよくやります。例えば、ポテトサラダをつくるにも、食材はじゃがいもなのか、さつまいもなのか。鍋でつくるのか、レンジでつくるのか。調味料は何を使うのか。このように様々な選択肢を掛け合わせることで、無数のポテトサラダを考えることができます。

オイシックス・ラ・大地はロジカルシンキングを大切にしているという話がありましたが、レシピ開発の現場においても同様ですね。感覚だけではなく、論理的に頭を整理することで、アイデアを継続して出し続けることができます。

販売企画に加え、広報とも密に連携

──  メニューが完成したら、新商品として発売していきますが、お客様に商品を紹介するなかで特に意識していることを教えてください。

尾花さん:
まずは、商品紹介のWebページを制作するデザイナーに企画意図をしっかりと共有することです。自分たちの考えを具体的に伝えるために、サービス企画やレシピ開発のメンバー自らが「こういう風に仕上げてもらいたい」とラフを描くことも多いです。

発売開始後は、お客様からの反応などを見ながら、商品の魅力がより伝わるように、商品紹介の文章やデザインをブラッシュアップしていきます。

また、場合によっては、OisixのSNSアカウントで商品開発の裏側について紹介するライブ配信を企画したり、広報メンバーと一緒にプレスリリースを発信することもあります。少しでも多くの方に新商品の情報や魅力が伝わるように、できることは何でもやっていきます。

(▲)『The Burn』の米澤文雄シェフ監修のミールキットを企画した際の施策一覧

──  尾花さんの動きを見ていると、広報との連携が多いですよね。

尾花さん:
そうですね。広報とは毎週定例のミーティングを組ませてもらっていて、新商品の企画の動きなどを共有しながら、ブランドとしての情報発信について議論させてもらっています。

ここ近年、リモートワークにより在宅で働く人が増えたことで、健康的で満足感も高いヴィーガン食への注目が高まっていることを感じます。とはいえ、まだ多くの人にとって、ヴィーガン食は耳馴染みがないものです。

どうしたら、多くの人にヴィーガン食に興味をもっていただけるか。また、「ヴィーガン食といえば『Purple Carrot』」と多くの人に認知いただくためには、どんな発信をしていけばいいのか。そうした内容を広報のメンバーと議論をし、広報活動も一緒にやっていきます。

新しい価値づくりに挑戦する面白さ

──  最後に、おふたりが感じる仕事のやりがいを教えてください。

森田さん:
私はメニュー開発という立場から、様々なプロジェクトに関わらせてもらっています。サービスや企画ごとにお客様に提供したい価値は異なり、それぞれの価値を実現するためには、どんなメニューを開発していけばいいのか。メニュー開発を通じて、サービスや事業に貢献していくことにやりがいを感じます。

オイシックス・ラ・大地では、食卓の課題を解決すべく、新しいプロジェクトが次々と生まれています。そうした環境で様々な挑戦をさせてもらえることが、とても楽しいです。これからも多くのお客様に喜んでいただけるメニューを開発していきたいです。

尾花さん:
私がオイシックス・ラ・大地へ入社を決めた理由は、食の社会課題の解決に貢献し、持続可能な未来を目指すという理念に深く共感したからです。

ヴィーガン食を広めていくことは、お客様の健康的で豊かな食生活への貢献に加えて、地球環境の持続可能性にも貢献できます。まさに「食のこれから」を創ろうとしているオイシックス・ラ・大地らしい取り組みだと思いますし、とてもやりがいを感じます。

新しい価値づくりに挑戦することはとても大変ですが、学ぶことも多く、自分自身の成長も感じます。『Purple Carrot』のおかげで、ヴィーガンという言葉が日本に浸透した。そんな風に評価いただけるよう、『Purple Carrot』を育てていきたいです。

執筆:井手桂司・編集:ORDig編集部

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