徹底的にお客さまの声を聞き、お客さまの期待を超え、どうやって半歩先のサービスを提供するかを全身全霊で考える。オイシックス・ラ・大地の行動規範『ORDism(オーディズム)』のひとつ「お客さまを裏切れ」には、こうしたメッセージが込められています。
この行動規範を体現すべく、オイシックス・ラ・大地の各事業では、お客さまと商品やサービスづくりを共創していく体制を確立しています。そのなかで特に重要な役割を担っているのが『おきゃまんセクション(お客様満足度向上委員会)』というチームです。
おきゃまんセクションでは、どのようにお客さまの声と向き合い、サービス進化に日々努めているのか。今回、食品宅配サービス『Oisix』のEC事業部 おきゃまんセクションに所属する小水流峻亮さん、髙橋百佳さんに話を聞いてみました。
オイシックス・ラ・大地を職場に選んだ理由
── はじめに自己紹介もかねて、オイシックス・ラ・大地で働くことを決めた理由を教えてください。
小水流さん:
前職はITベンチャーの会社で営業をしていました。ベンチャー企業では不足している役割は自分が埋めるというオーナーシップが求められますが、本当に何でもやらせてもらいました。成長を求めて入社しましたが、ビシバシと鍛えてもらったと感謝しています。
オイシックス・ラ・大地に転職したきっかけは、社会により大きなインパクトを与える仕事に携わりたいと思ったことです。一口に社会的インパクトと言っても、ただ社会課題を解決するだけでなく、経済的な利益を生み出すことと両立している事業に携わりたいと思っていました。
小水流峻亮さん。
OisixEC事業本部 おきゃまんセクション。大学卒業後、広告会社で営業企画、ITベンチャー企業で営業や上流工程を経験した後、2021年にオイシックス・ラ・大地にジョイン。
小水流さん:
そんな時、大学時代の先輩がオイシックス・ラ・大地で働いていて、「ウチの会社を受けてみない?」と声をかけてもらいました。情報収集をしたり、採用面接で話を聞くなかで、オイシックス・ラ・大地という企業のファンになっている自分に気が付きました。
特に「後ろめたい売上を1円もつくらない」という企業姿勢に共感しました。会社や事業が成長したら、そのぶん社会が良くなったと信じられる。そういうビジネス展開をブレずに続けているなんて、すごいなと。自分もその一員として、社会をいい方向へ変えていきたいと思い、入社に至りました。
── 次に、髙橋さんからも聞かせてください。
髙橋さん:
私は新卒で航空会社に総合職として入社しました。まずは現場を知ることが重要という理由から、入社後は空港勤務となることが一般的で、私も羽田空港の国内線ターミナルでグランドスタッフとして働いていました。
ただ、私が入社したのは2020年で、新型コロナウィルスの感染拡大により飛行機に乗って移動する方が激減し、航空業界は大打撃を受けていました。入社当初は仕事がほぼなく、出勤日数すら制限されている状況でした。そうしたなかで自分の将来を考えた時に、20代のうちにビジネススキルを身に付けて成長できる環境に身を置いたほうがいいのではないかと思い、転職を視野に入れるようになりました。
髙橋 百佳さん。
OisixEC事業本部 おきゃまんセクション。大学卒業後、航空会社に入社。グランドスタッフとして、空港におけるお客様対応を経験。2022年にオイシックス・ラ・大地にジョイン。
髙橋さん:
そのなかで、オイシックス・ラ・大地に興味をもった理由はふたつあり、ひとつは食を扱う仕事に以前から興味を持っていたことです。食べることはもちろんですが、学生時代から海外旅行が趣味で、自分の知らない海外の食と出会うのが好きでした。また、在学中は国内外の食を扱う『DEAN & DELUCA』でアルバイトをし、あらゆる食を扱う仕事に面白さを感じていました。
もうひとつの理由は、問題解決力を高めたいと思ったことです。どんな環境でも価値を発揮できる人になりたいと思った時に、ある方から「問題を解決する力はどんな場面でも活きてくる」と言われ、論理的思考を駆使しながら問題解決できる力は必要不可欠で今のタイミングで身に付けるべきだと感じました。
オイシックス・ラ・大地では、全社員受講必須の問題解決講座があったりと、ロジカルシンキングを用いた問題解決力を会社全体で高めていこうとするカルチャーがありますよね。問題解決力を磨き、食に関する社会課題をビジネスの手法で解決していこうとする姿勢に共感し、入社を決意しました。
フリクションレスなサービスを目指して
── では、Oisix EC事業のおきゃまんセクションについて、どんな役割を担っているかを聞かせてもらえますか?
小水流さん:
オイシックス・ラ・大地ではお客さまの声を大切にしています。私たちのセクションは特に「お客さま満足度の向上」をミッションに活動しており、役割としては大きく3つあります。ひとつ目は「問題解決」。具体的には、お客さまから寄せられるお声に耳を傾け、課題を見つけ、解決に向けて対応していきます。
ふたつ目は「兆しの発見」です。お客さまからのニーズによって新しい商品やサービスが生まれたり、お客さまのお声をきっかけに既存サービスの改善に繋げています。そういった兆しのあるお声を関係部署に連携したり、私たちがリードして実行を進めることもあります。
三つ目は「社内文化定着」です。サービス改善によってお客さまからいただいたお喜びのお声を社内に積極的に共有したり、改善に携わったチームを表彰することで、お客さまのお声を大切にする文化を醸成していこうとしています。
小水流さん:
ここ最近は問題解決的な活動に注力することが多く、その中のひとつとして「フリクションレス」と呼ばれるプロジェクトを実行しています。
Oisixはスピードを重視するカルチャーということもあり、サービスの改善や進化を繰り返す中で、どうしても摩擦が生じることがあります。具体的には、お客さまのサイト上のお買い物体験において容易性や一貫性の観点で「使いづらい・わかりづらい」と感じる瞬間があり、私たちはそれらを「フリクション」と呼んでいます。そういったフリクションをなくしていく活動も、おきゃまんの重要なミッションのひとつです。
── サービス利用にあたって摩擦や抵抗がない「フリクションレスなサービス」を目指しているわけですね。
髙橋さん:
そうですね。お買い物体験上の些細なマイナス体験であっても、それらが蓄積していくとサービスの解約に繋がることもあります。お客さまにとってOisixがより便利なサービスであり続けるためにフリクションレスの活動は社内でも重要なミッションという位置付けです。
各部署やチームはそれぞれのミッションや業績目標を掲げて活動していますが、お客さまの満足度の先にミッション達成があるとは言え、小さな不満やすぐに業績効果が見えづらい課題、潜在化している問題などは取りこぼされている場合もあります。
私たちおきゃまんセクションはそういったお声にならないお声も含め、「お客さまに満足していただける商品・サービスになっているか?」を常に考え、関係部署と連携しながら解決に向けてアクションしています。
短絡的に考えず、背後にあるものを汲み取る
── おきゃまんセクションで働くなかで、特に難しさを感じるのはどんな時ですか?
髙橋さん:
お客さまの目線に立って解決策を導き出すことですね。お客さまからのお声だけを見てコインの裏返しのように解決策を考えてしまうと、本質的な解決策でなかったり、その問題は解決しているように見えても新たに別の問題が発生してしまったりと、小さな改善であっても考えるべきことは多いです。
小水流さん:
お客さま目線という点で言うと、「お客さまの目線に立って考えたはずの解決策が、全くお客さま目線になっていなかった」という経験が、僕も以前にありました。
Oisixはお客さまに1週間分の食品を提案していて、定期便として毎週商品をお届けするサービスです。ただ、注文締切日が祝日や長期休暇と重なっていたりすると、お客さまが商品の入れ替えができないまま締切を迎えてしまい、「希望しない商品を受け取ってしまった」という体験をしてしまうことがあり、その解決策を考えた時のことです。
僕としては「できるだけ早くOisixのサイトに来ていただく習慣をつくることができればよいのでは」と解決策の方向性を考えていたのですが、その後のお客さまインタビューで「冷蔵庫の中身と相談しながら注文内容を決めたいから、あまり早くに何を買おうか決められないんですよね」というお声を頂いた時、「あ、自分はお客さま目線で考えられていなかったな」と気づかされたことがありました。
── お客さま目線に立って考え抜いたつもりでも、そうした行き違いのようなことが起こってしまうんですね。
小水流さん:
そうですね。ECという特性上、実店舗のようにお客さまのお買い物体験をこの目で見ることはできません。「こうあるべきだ」という考えは、時として「サービス提供者として、お客さまにこうしてほしい、こうなってほしい」という願望になってしまうことも少なくありません。「お客さまにとって何が心地よい体験なのか?」という目線を忘れてはいけないと強く感じています。
お客さまの声を大切にする文化が全体に根付いている
── おふたりは中途入社ですが、オイシックス・ラ・大地ならではの特徴として強く感じることはありますか?
髙橋さん:
改善スピードの速さ。そして、お客さまが感じるストレスや不安を改善していこうとする意識の高さ。このふたつは、オイシックス・ラ・大地ならではの特徴ではないかと感じます。
おきゃまんの活動報告は社長の宏平さん(髙島宏平)に対しても行いますが、これはお客さまのお声を大切にすることが、社長も含めた会社全体に共通する価値観・カルチャーだからだと思っています。
正直、入社する前は、こんなに社長がお客さまの声に目を通しているとは思っていませんでした。お客さまの声をもとに経営トップを巻き込んでサービスを改善していこうとする会社の前のめりな姿勢があるので、自分たちの役割に一層の責任感とやりがいを感じています。
小水流さん:
僕は改善を諦めないメンタリティかなと思います。社内のリソースが有限である以上、すべての案件を実行することはできません。しかし限りあるリソースの中で、「どうすればお客さまの不満を解消できるか?」という目線で、出来ない理由ではなく、出来る方法を考えています。
また、自分たちがサービス改善について他部署に相談した時に、前向きに協力を得られるのもオイシックス・ラ・大地のカルチャーを象徴していると思います。
── 最後に、Oisixをどのようなブランドに育てていきたいかを聞かせてください。
髙橋さん:
Oisixと聞くと常にプラスのイメージが湧くブランドにしたいですね。サービスを利用すると、生活が豊かになるみたいな。そのためには、どんなお客さまにも満足していただけるサービスを追求していかなければいけません。
おきゃまんセクションはお客さまと会社を繋ぐ重要なポジションなので、自分なりの工夫を凝らしていきながら、しっかりと責任をはたしていきたいです。
小水流さん:
自分は「社会に大きなインパクトを与える仕事をしたい」と思って入社したので、Oisixはもちろん、オイシックス・ラ・大地という会社を世界に誇れる存在にしていきたいです。
社会課題の解決につながり、社会に対して良い影響をもたらすソーシャルグッドな会社といえばオイシックス・ラ・大地。そんな風に見なされる存在になるポテンシャルを秘めていると思いますし、そのビジョンを実現するため、自分の価値を発揮していきたいです。
執筆:井手桂司・編集:ORDig編集部