オイシックス・ラ・大地の「挑戦」を深ぼる

オイシックス・ラ・大地のサステナブルな取り組みを牽引するふたりに聞く、20代の時の働き方

オイシックス・ラ・大地のサステナブルな取り組みを牽引するふたりに聞く、20代の時の働き方

20代という時期は、人生ではじめて自分の働き方に向き合うステージです。どの業界に足を踏み入れるべきか、どんな仕事が自分に合っているのか、どのようなスキルや経験を身につけるべきか。未経験なことが多いなかで、自分のキャリアを模索していく感覚は、まるで広大な海原を航海するようなものです。

今回、自分のキャリアについて考える20代にとって何かしらのヒントを与えられたらと思い、オイシックス・ラ・大地のサステナブルな取り組みを牽引するふたりのマネージャーに、どのように20代を過ごしていたのかを聞いてみました。

ひとりは、フードロス解決型ブランド『Upcycle by Oisix』をはじめ、会社全体のグリーンシフトプロジェクトの推進役をつとめるグリーン戦略室 室長の東海林園子さん。もうひとりは、猛暑や豪雨などの気候要因で通常の流通では扱いにくくなった食品を販売する『おたすけOisix』の事業推進を担当する、Oisix商品本部 農産部 部長の佐藤由梨さんです。

食品の商品開発を目指すも、新卒では就職できず

── 東海林さんが、新卒の就活時に企業選びで重視していたことは何ですか?

東海林さん:
とにかく食品の商品開発ができるところを重視していました。両親が料理好きで、私自身も幼い頃から色々な料理を作っていました。その料理を両親や近所の人たちが褒めてくれるのが嬉しくて、食で人を喜ばせる仕事につきたいと思い、高校入学の頃には食品の商品開発をする夢を持っていました。

東海林園子さん。

オイシックス・ラ・大地 執行役員、経営企画本部 グリーン戦略室 室長。短大卒業後、食品会社の商品企画開発を経て、2006年にらでぃっしゅぼーや(当時)にマーチャンダイザーとして入社。らでぃっしゅぼーやのミールキットや、世界各地の料理をご自宅で楽しめる『おうちで旅気分』などの立ち上げを行う。2018年のオイシックス・ラ・大地との経営統合後、2019年よりらでぃっしゅぼーや商品本部長を務め、2021年1月よりグリーンプロジェクトのリーダーに着任。2022年11月より、東北大学特任教授(客員)に就任し、同大学の未来型医療創造卓越大学院プログラムにて活動予定。

東海林さん:
高校に入学してからは、朝5時頃に起きて、お弁当をつくることを日課にしていました。毎日料理をして、自分なりに工夫することで、色々な気づきが得られると思ったんですね。お弁当づくりの習慣は、高校卒業後もかなり長い間、続きました。

高校卒業後は、「商品開発の仕事に早く就きたい」という想いから、4大の管理栄養士過程ではなく、栄養士の資格がとれる短大に入学しました。ただ、いざ就職活動をしてみると、商品開発の職には管理栄養士が必要だったりして、食品系の企業への就職は叶いませんでした。それで、自分が通っていた短大に職員として就職することになったんですね。

── 東海林さんのキャリアのスタートが、短大職員というのは意外でした。

東海林さん:
当時は「とにかく就職せねば」という焦りもありましたし、私と同じように食の世界で働きたいと思う学生たちの為になれたらいいとも思いました。教授たちから学びたいことも、まだまだ多くありましたしね。

私の配属先は教務部で、学生の履修科目の管理や、教授とシラバスの作成、入試の対応などをしていました。当時、上司が手書きする資料を私がワープロで打ち直すのですが、私が未熟だったため何度もやり直しを指示されたことを覚えています。お客さま視点というか、読む人の目線に立って、読みやすい文章や構成を考えていく大切さを学びました。

また、博識な教授たちとの接点の多い職場だったため、目上の方々とのコミュニケーションについてはとても意識していました。相手の言葉だけでなく、行間を読んで、どうすれば気持ちのいいコミュニケーションができるか。現在の仕事でも、様々な専門家の方々とご一緒させていただくことが多く、この時の経験が活きていると感じます。

とにかく貪欲に働き、200近い商品を3年間で開発

── その後は、どのようなキャリアを歩まれたのですか?

東海林さん:
短大職員として2年働いた後は、カレーやスープなどのレトルト食品を製造する食品メーカーに営業職として就職しました。食品開発のポジションではありませんでしたが、「仕事で結果を出し続けていけば、どこかでチャンスが巡ってくるだろう」と考え、まずは食品の会社に身を置くことが大切だと思ったんですね。

ありがたかったのが、ここでは営業自らが商品提案をする機会が多くあったことです。この企業では他社のプライベートブランドの食品製造を主な事業としており、商品企画からお客さまに提案していきます。この会社では3年ほど働きましたが、合計で200近い商品の開発を担当させていただきました。今振り返っても、すごい数ですよね。

また、企画だけでなく、要件定義からパッケージ開発に至るまで、商品開発における全てのプロセスを任せていただいたことが大きかったです。全体的な流れを経験し把握することで、一つひとつの決定が商品の成功にどのように影響を及ぼすかを深く理解することができました。

── 当時、仕事において特に意識していたことは何ですか?

東海林さん:
とにかく貪欲に働くことを意識していましたね。「新商品のためのアイデアを3案考えてきてほしい」と言われたら、3倍の9案を持っていくようにしていました。すると、「このアイデアも捨てがたいから、どちらも商品化しよう」といったことが起こります。その姿勢が、3年で合計200近い商品開発という結果に繋がったのかなと思います。

── 3社目として、らでぃっしゅぼーや(当時)に入社されましたが、その理由は何だったのでしょうか?

東海林さん:
レトルト食品の会社で働いていた時に、らでぃっしゅぼーやの営業担当を途中から兼任するようになったのですが、企業姿勢が本当に素晴らしいと感じました。「安心安全に徹底的にこだわると、こんなにおいしい商品が作れるのか」と驚きましたし、「有機・低農薬農産物の生産と消費の輪を広めることで、環境保全に繋げていこう」という企業姿勢に深く共感しました。

それで、当時のらでぃっしゅぼーやの商品開発部長に「商品開発の仕事に空きがあったら、ぜひ採用してください」と自らを売り込みはじめました。そうして1年くらい経った後に、その機会が訪れ、転職させていただきました。私が27歳の時ですね。

── らでぃっしゅぼーや入社後は、どのようなことを特に意識して働かれていましたか?

東海林さん:
らでぃっしゅぼーやの特徴のひとつは、自社で製造工場を持っていないことです。前職のレトルト食品の会社の時は、自社工場の製造部門の人たちとコミュニケーションをしていました。一方、らでぃっしゅぼーやでは、私たちの商品の製造いただく様々な工場の方々とのコミュニケーションが必要となります。

そのため、それぞれの製造現場について学ぶために、とにかく現地に足を運ぶようにしていました。お付き合いさせていただいている工場は全国各地にあるので、月の半分くらいは会社にいませんでしたね。製造現場に足を運ぶと発見が多く、自分の引き出しが広がり、新しい商品開発の企画に繋がることも多々ありました。

熱量を灯し行動を続ければ、チャンスは巡ってくる

── 20代を振り返っていただきましたが、今の仕事に活きている経験やスキルとして、特に印象深いものは何ですか?

東海林さん:
大きく三つあると思っていて、ひとつ目は幼い頃からの食への探究心です。自分の知らないものはすぐに食べてみるようにしていますし、「どうアレンジすると、よりおいしくなるか」を考えて試すのが好きなんです。食への探究心が異常と言ってもいいかもしれません(笑)。こうした探究心は現在の商品開発の仕事にも存分に活かされています。

ふたつ目は、20代前半にレトルト食品の会社で経験させてもらった、商品開発のプロセスを全て担当させてもらった経験です。20代前半のうちにゼロから100までを全て任せてもらえる経験は稀有だと思うので、自分は恵まれていると感じています。

ただ、自分の仕事の領域を広げることができたのは、上司・同僚・関係部署など、あらゆる関係者から承認をしていただいた結果でもあります。それぞれの人たちが承認したくなるような情報を常に持って、信頼関係を築くことを意識していました。

仕事の成果とは、共に働く多くの人たちの協力によって生まれます。そのため、相手の立場やニーズを考慮し、どうしたら相手が協力したいと思ってもらえるかという視点を持つことが大切です。こうした視点を意識し行動する癖を早い段階から身につけることができたのは、大きかったと思います。

みっつ目は、生産・製造現場の方々とのコミュニケーションです。私は製造現場が本当に大好きで、現場で働いている方々と仲良くなりたいと思い、できるだけ話をさせてもらうんですね。すると、製造するなかでの困りごとなどを相談してくださることがあり、そこから新しいヒントが生まれたりしました。

実は『Upcycle by Oisix』の第一弾の商品となった、冷凍ブロッコリーのカット工場で花蕾をカットしたあとに残る茎を活用した『ここもおいしく ブロッコリーの茎チップス』と、大根の漬物工場で廃棄されてきた大根の皮を使った『ここもおいしく だいこんの皮チップス』も、そうしたコミュニケーションから生まれた商品です。

『ここもおいしく ブロッコリーの茎チップス』

東海林さん:
『Upcycle by Oisix』の企画が持ち上がった際に、以前から私が毎週のように通っていた工場の現場の方々が「廃棄してしまう部分がもったいない」とおっしゃっていたことをすぐに思い出しました。それで先方の代表に「こちらを任せてもらえませんか?」と提案させていただいたことが始まりでした。

── 最後に、キャリアを模索する20代の人たちにメッセージをもらえますか?

東海林さん:
社会人になって、日々の業務が忙しくなってくると、持っていたはずの熱量が消え気味になる瞬間ってありますよね。それは私自身も同様で、新しいことにチャレンジしてみたりと、熱量を消さない努力を意識的に行っています。

自ら熱量を灯す意識をもち、前を向いて行動を続けていくと、どこかで良いチャンスが巡ってくると思います。心の火を絶やさずにいてほしいですね。

時間さえあれば売り場に通っていた新人時代

── 佐藤さんが、新卒の就活時に企業選びで重視していたことは何ですか?

佐藤さん:
幼い頃から食に関心があり、「この食品って、どうやってできているんだろう?」「この野菜って、誰がどんな風に育てているんだろう?」といったことを自分で調べたり、野菜の種を自宅の庭に植えて育ててみたりする子どもでした。そのため、「将来も食に関することを仕事にしてみたい!」と自然に考えるようになりました。

職選びの際に、「自分の好きなことは、あえて仕事にしない方がいい」という考え方もあると思いますが、そうは思いませんでした。大変なことがあっても、好きなことだったら頑張れますし、好きな気持ちがないと仕事に熱中するのは難しいですよね。自分の好きな領域で働くことが、自分の力が最も出せると今でも思っています。

佐藤 由梨さん。

オイシックス・ラ・大地 商品本部 農産部 部長。

大学卒業後、食品会社の商品開発、通信販売会社のバイヤーを経て、2016年にオイシックス(当時)に入社。販売企画においてマーケティングを行った後、現在の農産部では青果のバイヤーを担当し、青果・フルーツの新商品の設計・導入や全国各地の生産者さんへ訪問して交渉や新しい野菜の発掘を行っている。天候影響による規格外品、豊作品、事情により余ってしまう食材を、購入を希望する会員向けに通知・販売するサービス『おたすけOisix』も牽引。

佐藤さん:
また、自分が企画した食品を通じて、多くのお客さまを喜ばせることができたら素敵だと考え、商品開発の仕事を希望していました。学生時代からイベントの企画や友達へのサプライズを考えることが好きだったので、「自分は企画の仕事に向いている」と思い込み、開発職ばかりを受けていました。

ありがたいことに、おせんべいやあられといった米菓を中心としたお菓子メーカーに採用いただき、1年目から開発職に抜擢してもらいました。ただ、当時は女性が開発職や営業職などで活躍するのはまだ稀で、職場の雰囲気は男性中心的な色彩を帯びていました。そのため、何とか仕事で結果を出して、社内の空気を変えていきたいと思っていました。

── 新人時代に、特に意識していたことはなんですか?

佐藤さん:
商品開発者としての引き出しを増やすために、用事がなくても様々な小売店を毎日回って、売り場や買い物されているお客さまを観察していました。売り場はお客さまの嗜好やトレンドを把握する最前線であり、その場で新たな洞察やアイデアが生まれることもありました。

また、お客さまの行動や商品への反応を直接見ることで、データだけでは掴みきれない現場の空気感やニュアンスを感じ取ることができ、企画に深い説得力をもたらします。今でも現地現物の姿勢は大切にしていますが、新人時代は時間があれば売り場に通うようにしていました。

発想が囚われていたことに気づかされた部署異動

── その後は、どのようなキャリアを歩まれたのですか?

佐藤さん:
おせんべいの商品開発に4年半ほど関わった後に、東京にある商品企画やマーケティングを行う部門に異動になりました。この異動で得られた経験も大きかったと思います。

商品開発の際は製造工場の近くで働いていて、開発部門と生産部門はお隣同士のような感じでした。そのため密にコミュニケーションがとれたり、仕事の効率が良かったりするところもある反面、プロダクトアウト的な思考にもなりがちなんですよね。

一方、商品企画の部門では、マーケットイン的な思考が強く求められます。本社や製造工場を地方に置きながら、商品企画やマーケティング部門を東京に置いているのは、こうした背景からだと思います。この部門で働くことで、自分の発想がプロダクトアウト的な思考にだいぶ囚われていたことに気づかされました。

── 新しい部門で働くなかで、特に経験として大きかったと感じる仕事は何ですか?

佐藤さん:
特に大きかったのは、新規事業開発プロジェクトに参加させてもらったことですね。担当者のひとりとして、様々な業態の市場調査から企画立案、予算設計、並べる新商品の企画設計や試作などを何十パターンも議論しては練り上げることを毎週繰り返しました。最終的に、執行役員へのプレゼンを経て、事業として成立した時は嬉しかったです。

また、他社とのコラボ商品開発など、社外との共同プロジェクトを多く経験させてもらったことも大きかったです。異なるバックグラウンドを持つ人々とご一緒することで、視野も広がりましたし、ビジネスにおけるコミュニケーション力も鍛えてもらったと感じています。

そんな風に対外的な取り組みや規模の大きな仕事をする中で、自分の仕事の領域をもっと広げたいと思うようになり、転職を意識しはじめました。お菓子メーカーの後は、通信販売の会社で食品カテゴリーの新規立ち上げを担当し、3社目として2016年にオイシックス(当時)に入社しました。

── オイシックスを転職先に選ばれた理由は何だったのでしょうか?

佐藤さん:
ひとつは、WEBを売り場にしていることです。食のビジネスにおいて、店舗販売のモデルは多くの利点がありますが、一定の制約や限界に直面することもあります。大量の商品を店頭に並べることは物理的に不可能ですし、需要を読み間違えると大量の廃棄を招く可能性もあります。店舗販売とは違うモデルで、新しい可能性を模索したいと思いました。

もうひとつは、お客さまとの距離が近いことです。メーカーに勤めていると、お客さまと会話できる機会はほとんどないんですよね。お客さまの声を実際に聞きながら、より良い商品やサービスづくりをする経験を積みたいと考えていました。

実際にオイシックスで働きはじめると、お客さまとの距離の近さは期待以上でした。ありがたいことに、お客さまから多くのコメントやレビューが届きますし、こちらからお客さまにお電話させていただき、詳しくお話を伺わせていただく機会も多くあります。お客さまと一体になって、サービスや商品を作っていこうという姿勢の強さに驚きました。

▲佐藤さんが携わっているサービス『おたすけOisix』

失敗はチャレンジしたからこその勲章と思っていい

── 20代を振り返っていただきましたが、今の仕事に活きている経験やスキルとして、特に印象深いものは何ですか?

佐藤さん:
具体的な資格やスキルというより、「何のために、何を成し遂げたいのか」というゴールを頭の片隅に置いて行動することが一番大事だと考えていて、自分のそうした気持ちを振り返る習慣を持つことが大切だと思います。

社会人として働いていると、目まぐるしく色々な業務が発生していくので、目の前のことに対応するだけで日々が過ぎていってしまうことってよくありますよね。そして、なんとなく仕事をした気になってしまいます。

そのため、忙しい中でもふと立ち止まって、「自分が本当にやりたいことって何だっけ?」「それを実現するには、いま何に力を入れるべきなんだろう?」と、自分の気持ちを整理する時間を強制的にでも設ける必要があります。こうした意識を20代から持っていたことが、今の自分のキャリアに繋がっていると感じます。

あと、自分は天才肌ではないので、小さいことの積み重ねを意識してきました。例えば、些細なことでも「いいな」と思ったことはメモするようにしていて、メモ帳に貯まったアイデアを足したり引いたりして、自分なりのアイデアを考えるようにしています。

そのため、新人時代に売り場巡りをよくしていたと話しましたが、自分が興味を惹かれるものや場所は全て見にいくようにしています。現地に行くと、自分が好きだと思えるものだけでなく、これは苦手だなと思うことも、全て目に入ってきます。そうやって色々なものに触れる中で、アイデアのカケラが貯まっていきます。

それと、アイデアが生まれたら、自分で試してみることも大事ですね。例えば、お菓子メーカーで働いていた時は、自宅の台所で、おせんべいを焼いたりしていました。実際に手を動かしてみると、アイデアの良し悪しをはじめ、何がネックなのかもわかって、アイデアを人に伝える時の内容も全然変わります。

── 最後に、キャリアを模索する20代の人たちにメッセージをもらえますか?

佐藤さん:
そうですね。何かにチャレンジできる場面があったら、失敗を恐れずに飛び込んでほしいと思います。私の経験上、若い時に何かに挑戦してうまくいかなかったら、先輩社員や上司が必ずリカバリーしてくれます。私も現在はマネージャーとしてリカバリーする立場ですが、若い人たちにはどんどんチャレンジをしてほしいと思っています。

失敗しないとわからないことは沢山ありますし、失敗はチャレンジしたからこその勲章だと思ってよいくらいです。たくさん失敗して、その一方で色々な成功もして、自分の信じるゴールに向けて歩んでいってほしいです。

執筆:井手桂司・編集:ORDig編集部

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