オイシックス・ラ・大地の「挑戦」を深ぼる

新商品開発や新しい売り方に果敢に取り組む。毎日の食卓を支える、Oisixの売り場づくりの裏側

新商品開発や新しい売り方に果敢に取り組む。毎日の食卓を支える、Oisixの売り場づくりの裏側

「これからの食卓、これからの畑」を理念に、食にまつわる様々な課題の解決を目指すオイシックス・ラ・大地。今回は、Oisixの売り場づくりを担当する、Oisix EC事業部 サブスクリプション進化室の坂本浩毅さんと水野太智さんを紹介します。

選りすぐりの食材やミールキットなど、毎週1500商品以上を販売する会員制の食品宅配サービス『Oisix』。青果・お肉・お魚・乳製品など、様々なカテゴリーの食品を常時取り扱っている他、毎週テーマが変わる特集の売り場を設けています。

この売り場づくりを支えているのが、​Oisix EC事業本部 サブスクリプション進化室です。どんなことを意識しながら、売り場づくりを行なっているのか?Oisixならではの仕事の面白さや難しさとは何か。二人に詳しく話を聞いてみました。

(▼)こちらのインタビューは動画でご覧いただくこともできます。

オイシックス・ラ・大地に入社した理由

──  はじめに、それぞれ自己紹介をお願いします。

坂本さん:
サブスクリプション進化室の室長を務めている坂本です。

「どのような商品を提供すれば、お客さまに喜んでいただけるか?」「どんな販売方法であれば、お客さまに選んでいただけるか?」「お客さまの食卓づくりをどう支援できるか?」といったことを常に考えながら、Oisixの売り場や商品の進化に取り組んでいます。

オイシックス・ラ・大地に入社するまで、3社を経験しています。1社目は通販事業、2社目は商社、3社目は海外の人材を日本企業とマッチングさせる事業に携わっていました。

社会人としての経験を重ねる中で、自分が人生をかけて成し遂げたい仕事とは何かを次第に考えるようになりました。家族ができたこともあり、家族が応援してくれるような仕事をしたいと思うようにもなり、次第に食の分野に強く惹かれていきました。そこで、食を軸に転職先を探していたところ、オイシックス・ラ・大地の求人に出会いました。

オイシックス・ラ・大地は「ビジネスの力で社会課題を解決する」というミッションを掲げ、食品宅配EC事業をはじめ、様々な食の分野でビジネスを展開しています。この企業姿勢に強く共感し、入社を決めました。

水野さん:
サブスクリプション進化室のカテゴリー進化セクションでマネージャーを務めている水野です。野菜やフルーツといった青果カテゴリーを担当し、商品開発や青果の購入促進を目的とした販売企画などを行っています。

オイシックス・ラ・大地は2社目で、前職はEC事業を展開するアパレル企業に勤めていました。そこで、商品の仕入れから商品撮影、ECサイト用の画像デザインまで、ECに関わる幅広い業務を経験しました。

オイシックス・ラ・大地への転職のきっかけはスカウトでしたが、会社のことは以前から知っていました。というのも、大学で農学を学び、農業分野に強い関心を持っていたからです。

オイシックス・ラ・大地は「これからの食卓、これからの畑」というビジョンを掲げ、生産者さんが報われる仕組みを作り、持続可能な社会の実現を目指しています。ぼく自身、日本の農家人口が減少している現状を見て、日本の農業に貢献したいと考えていたため、この転職は絶好の機会でした。

さらに、ECを活用して野菜を販売する可能性にも大きな魅力を感じていました。市場では扱いにくい野菜も、ネット販売を通じて多くの人に届けられる可能性があります。実際に支援できそうな農家の顔が次々と思い浮かび、オイシックス・ラ・大地で働くことを決めました。

Oisixの売り場の特徴

──  毎週1,500点以上の商品を販売しているOisixですが、売り場の特徴を教えてください。

坂本さん:
Oisixの特徴として、共働きで買い物や調理の時間がなかなか取れないご夫婦や、DINKs(Double Income No Kids、子どもを持たない共働き夫婦)と呼ばれる夫婦の方々に、価値を感じていただける商品やサービスを提供していることが挙げられます。

特徴的な商品は、ミールキットの『Kit Oisix』です。必要な食材とレシピがセットになっており、手順に沿って調理するだけで、主菜と副菜を簡単に作ることができます。幅広いメニューを揃えているので、普段はあまり作らない料理も気軽に楽しんでいただけます。

坂本さん:
また、青果・肉・魚・乳製品など、様々なカテゴリーの食品を常に取り扱っており、牛乳やヨーグルト・豆腐・パンなど、日常的に必要な食品も充実しています。すべてを一つのプラットフォームで揃えられるのも、Oisixの大きな魅力の一つです。

さらに、毎週企画される特集ページも売り場の目玉です。韓国やイタリアのグルメを特集したり、北海道フェアや沖縄フェアといった地域限定の特集を組んだり、旬の食材に焦点を当てることもあります。お客様に毎週楽しんでいただけるような工夫を凝らしています。

水野さん:
Oisixは、もともと野菜のネット販売からスタートしたサービスで、ユニークな野菜を数多く取り揃えている点も特徴です。

例えば、タイ産のフルーツであるマンゴスチンを取り扱っていますが、生のマンゴスチンを販売しているのは、現時点でOisixだけです。そうした珍しいフルーツや野菜を手に入れられることも、Oisixの大きな魅力だと思います。

サブスクリプション進化室の組織体制

──  売り場づくりを担当しているサブスクリプション進化室ですが、どのような組織体制になっているのでしょうか?

坂本さん:
サブスクリプション進化室では、「お客さまの献立づくりをどうサポートするか?」を常に考えています。Oisixを通じて、毎日の調理が楽になったり、食卓がより楽しく感じられるような状態を作り上げること。それが私たちのミッションです。

このミッションを実現するために、サブスクリプション進化室には複数のセクションが存在しています。

坂本さん:
Kit進化セクションは、主にKit Oisixの商品開発を担当しています。メニューの考案だけでなく、他社ブランドやタレントとのコラボメニューの企画も含め、Kit Oisixに関わる全般を担うセクションです。

カテゴリー進化セクションでは、Kit Oisix以外の商品を取り扱っています。水野さんが担当している青果をはじめ、飲料・調味料・お惣菜など、各カテゴリーごとに担当者がいます。それぞれの担当者が商品開発や新しい販売方法に挑戦し、売り場の進化を目指しています。

売場進化セクションは、毎週更新される特集ページを担当しています。特集ごとに専任の担当者が付き、コンセプトの立案から、売り場に並べる商品の選定、ページのデザイン、プロモーションに至るまで、一貫して担当していきます。

データサポートセクションは、Oisixが保有するデータを分析し、各セクションを支援する役割を担っています。様々な角度からデータを解析し、商品開発や販促企画がより効果的になるよう提案を行います。

さらに、売り場づくりにはデザインの力も欠かせません。OisixのEC事業部内にはデザイン室があり、デザイナーたちと連携して売り場のデザインを進めています。このように、各セクションがそれぞれの役割を持ちながら、Oisixの売り場を一緒に作り上げていきます。

野菜を扱うからこそ求められる企画力

──  具体的な業務内容として、水野さんが所属するカテゴリー進化セクションでは、どのように売り場づくりを進めていくのでしょうか?

水野さん:
売り場づくりでは、まずお客さまのニーズを把握することから始めます。アンケートやインタビューを通じて、お客さまがどんな野菜を求めているのかを詳細に理解していきます。

その後、商品調達を担当するMD(マーチャンダイザー)メンバーと連携し、実際に仕入れる商品を決定します。MDメンバーは、仕入れ可能な商品のリストを用意し、試食会も開いてくれるので、実際に味や特徴を確認しながら決めることができます。

また、お客さまのニーズに基づいて、MDメンバーに「このような商品を仕入れてほしい」というリクエストを出すこともあります。このように、MDメンバーと密に連携しながら、商品のラインナップを一緒に決めていく形です。

販売する商品が決まったら、商品名や販売方法を企画し、商品撮影を行って、売り場に並べていきます。これが基本的な流れで、このサイクルを何度も繰り返していきます。

また、生産者さんのこだわりや産地の情報を、売り場でもっと伝えていきたいと考えていて、産地にも積極的に足を運ぶようにしています。MDメンバーから産地の情報を教えてもらっていますが、生産者さんから直にお話を聞かせていただくことで、より充実した内容を掲載できると思っているからです。

──  青果カテゴリーを担当する中で、どのような瞬間に面白さを感じますか?

水野さん:
野菜は生き物であるため、天候に大きく左右されます。不作で思うように収穫できなかったり、形が変わってしまうこともあれば、豊作で予想以上に収穫できることもあります。このような予測不能な状況は日常茶飯事です。

そのため、その時々の状況やタイミングに合わせて、どう販売するかを工夫する必要があります。

例えば、高温の影響で通常の1.4倍の重さに育ったパプリカを、Oisixでは「横綱パプリカ」と名づけて販売しています。よりおいしく、より大きく育ったものの、サイズが大きすぎるため、規格外品となり市場には流通させづらく、Oisixで取り扱ってもらえないかという相談が農家さんから届いたことがキッカケで生まれた商品です。

こうした相談は突発的に舞い込むことが多く、自分の企画力が試されている感覚があります。そのチャレンジに面白さを感じています。

社会の変化を見据え、新しい取り組みに挑戦

──  現在、青果カテゴリーを担当として、注力していきたい施策はありますか?

水野さん:
Oisixでは、他では手に入らない珍しい野菜を数多く取り扱っていることが魅力の一つです。しかし、まだ多くのお客さまに気づかれていない魅力的な商品もたくさんあります。

そこで、商品名や販売方法に工夫を凝らし、お客さまに新たな発見を提供し、より多くの商品魅力を伝えていきたいと考えています。最終的には、「Oisixのあの野菜が食べたい」と思っていただけるような人気商品を次々と生み出していくことが目標です。

また、お客さまへのインタビューから、調理時間がなかなか取れない方が多く、日常的に下処理済みの冷凍野菜や冷凍フルーツを利用していることがわかりました。Oisixでも一部冷凍野菜を取り扱っており、多くのお客さまからご支持をいただいていますが、今後はさらに冷凍商品のバリエーションを強化していきたいと考えています。

ただ冷凍野菜を提供するだけでなく、たとえばカレーに必要な具材がミックスされた冷凍セットなど、調理の時短にも役立つ商品を提案していきたいと思います。

──  坂本さんから見て、水野さんの仕事ぶりはどのように映っていますか?

坂本さん:
これまでのOisixでは、生産者とお客さまを繋ぐ役割を十分に果たしてきたと感じています。しかし、これからはお客さまや社会の変化を見据え、どんな商品が必要とされているかを考え、生産者さんやメーカーと協力して商品開発を進めていくことが求められます。そのために今年新設されたのが、カテゴリー進化セクションです。

このセクションができたことにより、新しい販売手法を通じてお客さまに喜んでいただける機会が増えています。また、先ほどの冷凍野菜の話のように、世の中のニーズに応じた新商品の開発にも積極的に取り組んでいます。これまでにはなかった大胆な動きができ始めていると感じており、今後もさらなる可能性に期待しています。

自信を持って商品を提供できる喜び

──  働く中で「この仕事を選んでよかった」と感じる瞬間を教えてもらえますか?

坂本さん:
「これをやりたい」「これはやるべきだ」と強く感じたことに対して、周囲の多くの人たちが協力してくれ、それが実際に形となり、お客さまに届けられる。そうしたプロセスに大きなやりがいを感じます。

また、お客さまの反応を直接知ることができるのも、この仕事の魅力の一つです。

インタビューなどを通じて、商品を購入していただいたお客さまの声を聞くことができ、お褒めの言葉をいただくこともあれば、「もっとこうしてほしい」といった意見をいただくこともあります。お客さまの声を聞くたびに、身が引き締まる思いで取り組んでいます。

水野さん:
この仕事をしていて一番良かったと感じるのは、自信を持って商品を提供できることです。

以前、Oisixのおせちの販売を担当した際、親戚や妻の実家にもOisixのおせちを贈らせてもらったところ、みんな喜んでくれました。こんな風に、自分の家族にも自信を持って勧められる商品を扱えることに、Oisixで仕事をしていて本当に良かったと感じます。

生産者の方々が本気で作ったものを、売り場をつくるメンバー全員が本気でお客さまに届けたいと思っている。だからこそ、自信を持って商品をお客さまに届けられると感じています。

──  最後に、Oisixをどんなサービスに進化させたいかを教えてください。

水野さん:
Oisixを通じて、農業や野菜の魅力をお客さまにもっと伝えていきたいと考えています。

野菜を一つ作るにも、実際には多くの苦労やこだわりが詰まっていますが、一般の消費者にとっては、そうした背景を知る機会はなかなかありません。

Oisixは、こだわりが詰まった食材の価値を理解してくださるお客さまと、生産者を繋ぐ架け橋となるサービスです。この役割をさらに高め、生産者の想いや努力をお客さまに伝える存在として、サービスをより進化させていきたいと思っています。

また、産地や食材が生まれる過程を知っていただくことで、野菜は食べるだけでなく、様々な価値や楽しさがあると感じていただけるのではないかと思います。Oisixを通じて、野菜の多様な魅力を発信していきたいです。

坂本さん:
やはり、Oisixを生活の中で欠かせない存在にしていきたいです。「Oisixがあれば、来週の食事も安心」と思っていただけるようなサービスを目指していきます。

また、現在は主に日本国内で展開していますが、将来的には海外にも広げ、新しいチャレンジに取り組んでいきたいと考えています。

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