「これからの食卓、これからの畑」を理念に、食にまつわる様々な社会課題の解決を目指すオイシックス・ラ・大地。今回は、今回は、オイシックス新潟アルビレックスBCプロジェクトにて、MD事業(グッズの企画・販売)の統括を担う岡田哲明さんを紹介します。
学生時代は法律を学び、東京大学の法科大学院への進学を予定していた岡田さん。しかし、自身の将来を改めて見つめ直したとき、スポーツビジネスの世界に挑戦したいという思いが再燃。最終的に、プロ野球(NPB)への新規参入を発表したオイシックス・ラ・大地への入社を決意しました。
新卒1年目にして、球団のMD事業を統括するという大きなチャレンジを成し遂げ、社内表彰で新人賞も受賞した岡田さん。なぜスポーツビジネスの道を選んだのか。まったくの未経験からの挑戦において、どのような姿勢で取り組んできたのか。これまでの歩みを振り返ってもらいました。
(▼)こちらのインタビューは動画でご覧いただくこともできます。
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法の道から一転。スポーツビジネスに挑んだ原点
── はじめに、岡田さんの学生時代についてお聞きします。大学では、どのような活動に熱中されていたのでしょうか?
岡田さん:
大学時代は、「とにかくさまざまな世界を見てみたい」という思いが強く、いろいろな活動に積極的に参加していました。
たとえば、1〜2年生の頃は『模擬国連』の活動に注力していました。学生が各国の大使になりきり、実際の国連の会議を模した議論を行う取り組みです。大使役を務める学生は、担当する国について深く調べたうえで会議に臨みます。高校時代からこの活動に関わっていたのですが、やり残したような感覚があって、大学でも再び挑戦することに決めました。
また、僕は法学部に在籍していたので、法律の勉強をベースにしつつ、学術的な研究にも強い関心を持っていました。自主的に論文を執筆したり、その分野の第一人者であるアメリカの教授に直接アポを取り、現地まで話を聞きに行ったりもしました。
── 岡田さんは、TBSのテレビ番組『東大王』にも出演されていましたよね。
岡田さん:
そうですね。友人に誘われて出演したんですが、今振り返ると、本当に貴重な経験だったと感じています。やはり、社会人の方々と一緒に、本気で番組づくりに取り組む機会というのは、学生生活ではなかなか得られないものなので。プロの現場に触れることで、「プロ意識とは何か」を肌で学ばせてもらいました。

── そんな岡田さんが、オイシックス・ラ・大地への入社を決めた経緯について教えてください。
岡田さん:
もともとは、大学卒業後にロースクールへ進学する予定で、実際に入学試験も受けて、合格通知もいただいていました。ただ、その後少し時間ができて、自分のこれからの人生についてゆっくり考えるタイミングがあり、「このままで本当にいいのだろうか」と迷いが生まれたんです。
というのも、ロースクールに進めば、その先の道筋はある程度決まってきます。司法試験を受けて、弁護士や検察官になり…と。そのキャリアの流れが見える分、「本当に自分はその道を歩みたいのか」と、改めて立ち止まって考えるようになりました。
そこで、自分の好きなことや得意なことを一つひとつ振り返りながら、自分自身を見つめ直してみました。気になる業界について本を読んだり、その分野で活躍している方々にお話を伺ったりする中で、次第に「スポーツビジネスの世界に挑戦してみたい」という思いが強くなっていったんです。
そんな折、2024年からオイシックス新潟アルビレックスBCがプロ野球の2部リーグに新規参入するという情報を知り、強く惹かれました。球団に問い合わせをしたところ、オイシックス・ラ・大地の採用担当の方から連絡をいただき、入社に至ったという流れです。
“好き”と“得意”を活かし、挑戦できる環境を求めて
── 自分を見つめ直したとき、なぜスポーツビジネスに挑戦したいと思ったのでしょうか?
岡田さん:
一つは、単純に小さい頃からずっとスポーツが好きだったということですね。小学生の時は野球、中高ではソフトテニス。大学では草野球をしたり、フットサルのスクールに通ったりと、競技は変わっても常にスポーツが身近にある人生でした。
もう一つは、人を楽しませることが好きで、そのために企画を考えたり実行したりするのが、自分の得意分野なんじゃないかと自己分析の中で感じたことです。
たとえば中高時代には、昼休みに友人たちを巻き込んで、野球のリーグ戦を開催していました。いくつかチームをつくって、年間で試合を組み、備品の用意から、審判やスコアラー、試合の動画を撮影してくれる人まで、自分で段取りをして集めていったんです。
そうやって、誰かが楽しんでくれる環境を整えるために動くことが、僕にとってすごくワクワクすることだったんですよね。スポーツへの情熱と、人を楽しませる企画力。この2軸を掛け合わせたときに、多くのファンに楽しんでもらえる場をつくるスポーツビジネスというフィールドに、自然と惹かれていきました。

── スポーツビジネスを志す中で、なぜオイシックス新潟アルビレックスBCという道を選んだのでしょうか?
岡田さん:
やはり、数あるスポーツの中でも、自分にとって一番熱量を持って向き合えるのが野球だったというのが大きかったですね。まずは、最も情熱を注げるフィールドで挑戦したいと考えていました。
加えて、年齢や経験に関係なく、新卒1年目からでも裁量を持って取り組める環境を探していたんです。
そういった視点で見たときに、イースタン・リーグへの新規参入というチャレンジを控え、ゼロからの立ち上げフェーズにあるオイシックス新潟アルビレックスBCには、大きなチャンスがあるのではないかと感じました。
実際に、オイシックス・ラ・大地の採用担当の方からご連絡をいただき、球団に関わっているメンバーとお話をさせていただく中で、「熱意があれば、新卒でも大きな仕事を任せてもらえる」ということがわかってきました。ここでなら、自分の想いを存分にぶつけながら、思い切った挑戦ができる。そう確信して、入社を決意しました。
新卒1年目で、球団のMD事業を一手に担う
── では、岡田さんが1年目から担当されている、MD事業統括の仕事について教えてください。
岡田さん:
いわゆるマーチャンダイジング(MD)の仕事で、球団のグッズをお客さまに届けるための企画・開発から、販売戦略やプロモーション施策まで、幅広い業務を統括しています。
まず行うのは、MD事業全体の戦略設計です。たとえば、「この時期は新規来場者が多いから、はじめてのお客さま向けの商品ラインナップを充実させよう」といった具合に方針を立て、それに沿って仕入れや新商品の開発を進めていきます。
新商品の開発では、協力いただくメーカーの選定も重要なポイントです。価格面だけでなく、こちらの意図をしっかり汲み取ってくれるか、スピード感や柔軟性があるかなど、さまざまな観点で商談を重ね、パートナーを決めていきます。
商品が完成したら、次は販売計画の立案です。スタジアム内のショップとオンラインストア、両方で販売しているため、それぞれに合った見せ方やタイミング、プロモーション方法を検討していきます。

── MD事業自体は、何名体制で運営されているんですか?
岡田さん:
2024年度は、基本的に僕ひとりで担当していました。商品企画の一部では、業務委託の方など、サポートしてくれるメンバーも何人かいますが、戦略立案やパートナー企業とのやりとりなどは、すべて自分ひとりで行っていました。
── まさに、全てのグッズに岡田さんが関わっていると言っても過言ではないですね。ちなみに、MD事業ではどのような目標を追っているのでしょうか?
岡田さん:
基本的には、グッズ事業全体の売上を伸ばすことが最大のミッションになります。そのための指標としては、スタジアム来場者数、グッズ購入率、そして一人当たりの客単価の3つが大きな軸です。
これらを踏まえて、たとえば「この試合にはこれくらいのお客さまが来るはずだから、購入率をこれくらい、客単価をこれくらいに設定して…」というように、売上目標を立てていきます。ただ、来場者数自体はMDだけでコントロールできるものではないので、特に重視しているのは、購入率と客単価の向上です。
── 岡田さんがMD事業を統括する中で、2024年度の実績はいかがでしたか?
岡田さん:
シーズン開幕直後の春先は、新商品の開発が間に合っておらず、売り場に新鮮さがなかったことで、購入率が一時的に落ち込む場面がありました。その状況に危機感を覚え、6月頃から本格的に商品企画を加速させ、新商品を次々と投入していきました。
すると、夏頃からは購入率と客単価が順調に上昇しはじめ、最終的には、年間を通じて設定していた売上ラインを達成することができました。試行錯誤を繰り返しながらも、最終的に成果を出せたことで、自信にもつながりましたね。

すべてが挑戦の連続。だからこそ、学びが濃かった
── MD事業統括という責任ある仕事に取り組まれてきましたが、1年目で特に挑戦的だったと感じたことは何でしょうか?
岡田さん:
結論から言うと……本当に“すべて”が挑戦でしたね(笑)。
そもそも、プロ野球の球団経営において、2軍単体での運営というのは、過去にあまり例のない取り組みで、それ自体がかなりチャレンジングな状況でした。
その上で、僕自身は、MDもスポーツビジネスもまったくの未経験。ゼロからのスタートだったので、最初は何もわからない状態の中、とにかく手探りで仕事を覚えていくしかありませんでした。そういった意味でも、すべてが挑戦の連続でしたし、だからこそ、すごく濃い経験をさせてもらえたと感じています。

── 挑戦の連続の一年目だったと思いますが、自分のミッションに取り組むうえで、特に意識してきたことは何でしょうか?
岡田さん:
どんなビジネスにも共通することかもしれませんが、やはり一番大切にしているのは「お客さまの視点に立つ」ということです。
たとえば、昨年途中から売り場でスタートした『1000円オイくじ』というスピードくじの企画があります。豪華景品が当たる仕組みにしていて、グッズ売り場に訪れるお客さまに、“ワクワクする体験”を楽しんでもらいたいという思いから始めた取り組みです。
また、商品名や価格を記載している「プライスカード」にも、小さな一言メッセージを添える工夫をしています。たとえばメガホンには「オイシックスサポーターの仲間入り」、カジュアルなキャップには「オシャレに普段使い!」といった言葉を加えて、お客さまが手に取ったときに、実際の使用シーンをイメージしやすくなるようにしています。
こういった小さな仕掛けの積み重ねが、より楽しい購買体験につながるのではないかと考えています。まだまだ試行錯誤の連続ですが、自分なりに“お客さまが何度も足を運びたくなる売り場”を目指して挑戦しています。
思い描いたアイデアを「やり遂げる力」が何より重要
── 入社から2年目を迎えた今、オイシックス・ラ・大地で働く魅力について教えてください。
岡田さん:
やはり、年齢や経験にとらわれず、挑戦したいという意志がある人に、チャンスを与えてくれるところですね。
それは、僕自身の経歴が何よりの証拠だと思っています。新卒1年目で、MD事業統括という幅広く、かつ責任あるポジションを任せてもらえる会社は、なかなかないはずです。
また、会社の行動規範である『ORDism(オーディズム)』にも強く共感しています。特に「ベストを尽くすな、Missionを成し遂げろ」という言葉は、仕事に向き合う上でとても大切にしている考え方です。
結局、どんなに良いアイデアがあっても、やり遂げる力がなければ意味がありません。どうすれば実現できるか、できない理由ではなく“できる理由”を考えて、粘り強く形にしていく。この姿勢がチーム全体に共有されているので、プロジェクトを進めるうえでも、とても前向きな雰囲気があると感じています。
── 最後に、どんな人がオイシックス・ラ・大地に向いていると思いますか?
岡田さん:
何かを成し遂げたいといった、強い想いを持っている人には、とても向いている環境だと思います。また、年次や経験に関係なく、裁量の大きい仕事を任されることが多いので、主体的に考え、行動しながら、事業の成長に深く関わっていきたい人にもぴったりです。
もちろん、その分プレッシャーや大変さもありますが、だからこそ得られる学びや成長も大きい。僕自身も、何もわからない状態からのスタートでしたが、挑戦を重ねるなかで少しずつできることが増えていきました。
自分の力で事業を動かしていきたいという気持ちがある人にとっては、これ以上ない環境だと思います。
