オイシックス・ラ・大地の「挑戦」を深ぼる

『D&I AWARD大賞』を受賞。オイシックス・ラ・大地が目指す、多様なメンバーが力を発揮できる組織づくり

『D&I AWARD大賞』を受賞。オイシックス・ラ・大地が目指す、多様なメンバーが力を発揮できる組織づくり

オイシックス・ラ・大地では、事業成長とともに、働くメンバーの多様性が自然と広がってきました。現在は23か国の国籍をもつメンバーが在籍し(2025年3月末時点)、障がい者雇用の促進や、パラスポーツ支援にも積極的に取り組んでいます。

多様な人材が集い、それぞれの視点を持ち寄ることでソリューションの幅を広げ、事業成長につなげていく。それにより、より多くの人が幸せな“食”を楽しめる社会を実現していく。こうした考えのもと、オイシックス・ラ・大地ではダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)委員会を設置し、情報発信や社内の取り組みを重ねてきました。 

※2026年2月1日にて、グループESG委員会に統合

その取り組みが評価され、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)に取り組む企業を認定・表彰する『D&I AWARD 2025』において、従業員数301人以上3000人以下の企業部門で「D&I AWARD大賞」を受賞しました。

では、多様なバックグラウンドをもつメンバーが、自分らしく力を発揮できる環境を、オイシックス・ラ・大地はどのようにつくってきたのでしょうか。今回、DE&I委員会の一員として研修企画を担ってきた前田有香さんと、人事労務の立場から制度設計や運用に関わる折原 育美さんに話を聞きました。

当事者としての経験が、現在につながっている

── まずは、お二人について教えてください。DE&I委員会のメンバーである前田さんは、もともと特別支援学校の教員をされていたんですよね。

前田さん:
はい。ちょうど自分が学生の頃に、「発達障がい」という言葉が社会に広がり始めた時期でした。一生懸命頑張っているのに、周囲からは「頑張っていない」と見なされてしまう。そうした子どもたちの存在に強く関心を持つようになり、学生時代には、LD(学習障がい)のある子どもたちをサポートするアルバイトもしていました。

社会人になってからは、特別支援学校で教員として働き始めたんですが、子どもたちが学校を卒業したあと、社会に出ていく際の選択肢が限られている現実に直面して。社会の受け入れ側にも課題があるのではないかと感じ、教員を離れて大学院に進学し、卒業後はパラスポーツ支援の仕事に携わるようになりました。

(▲)前田有香さん。DE&I委員会事務局

── そこから、オイシックス・ラ・大地へとつながっていくのですね。

前田さん:
そうですね。パラスポーツ支援の仕事を通じて、車いすラグビーをはじめ、さまざまな競技団体や企業の方と関わる機会がありました。その中で、オイシックス・ラ・大地の代表である宏平さん(髙島宏平)が経済同友会の「東京オリンピック・パラリンピック2020委員会」委員長に就任したこともあり、宏平さんと接する機会が増えていったんです。

そして、オイシックス・ラ・大地のパラスポーツ支援をサポートさせてもらう中で、ご縁があり入社しました。いまはDE&I委員会の事務局として、研修の企画や運営、障がい者雇用におけるサポートなどを担っていますが、これまでの経験が、いまの仕事につながっている感覚はとても強いですね。

── 折原さんは人事サービスのメンバーとして、産休や育休を取得するメンバーをサポートしていますが、ご自身も産休・育休の経験者なんですよね?

折原さん:
はい。私は2010年頃に入社していて、オイシックス・ラ・大地の中では、比較的長く働いているほうかなと思います。入社当時はまだ社員数も少なく、制度も今のように整ってはいませんでした。産休や育休についても、「しっかりとした仕組みがある」というよりは、現場の判断で柔軟に対応している、という状態だったと思います。

私自身も、これまでに3回、産休・育休を取得してきました。最初に取得したときと、直近で取得したときとでは、制度の内容や情報の伝わり方も大きく違っていて、会社として少しずつ環境が整ってきたことを、当事者として実感しています。

(▲)折原 育美さん。HR本部 人事サービス室 サービスセクション

── 実際に「使う側」としての経験は、いまの仕事にもつながっていますか?

折原さん:
そうですね。育休を取ること自体に不安を感じる人もいれば、復職後の働き方や、家事・育児との両立に悩む人もいます。特に一人目のお子さんの場合は、すべてが初めての経験になるので、「最初は時短で少しずつ慣らしていったほうがいいですよ」といったように、自分自身の経験を踏まえて、少し踏み込んだ話ができるのは大きいと思っています。

現在、オイシックス・ラ・大地では育休取得率が100%、復帰率もほぼ100%という状況ですが、やはり一人ひとり事情は異なります。だからこそ、それぞれの状況に寄り添いながら、働き続けられる環境を支えていきたいですね。

“違い”があるから、新しい視点が生まれる

── ここからはオイシックス・ラ・大地のDE&Iについて聞かせてください。まず、全社的にDE&Iを推進する背景とは何なのでしょうか?

前田さん:
オイシックス・ラ・大地では、DE&Iという言葉が社会に広く浸透する以前から、DE&Iの理念に基づくような取り組みを続けていたんですよね。働くママやパパを大切にする風土が根付いていたり、パラスポーツ支援などを通じて、障がいのある方々と関係を深めたり。

いわゆる世の中の流れとして「DE&Iが叫ばれているから、会社としても取り組まなければならない」というよりも、もともと社内に根づいていた考え方が、あとから「DE&I」と呼ばれるものにつながってきた、という感覚が近いと思っています。

また、代表の宏平さんもよく話しているのですが、オイシックス・ラ・大地には昔から、「いろいろな人がいたほうが面白い」という価値観があります。背景の違いを「配慮すべきもの」として捉えるというよりも、「違いがあるからこそ、新しい視点が生まれる」と考えてきた会社なんだと思います。

(▲)オイシックス・ラ・大地では、パラスポーツ(障がい者スポーツ)の選手や団体への支援活動を継続的に続けています。

── DE&Iを“目的”にしてきたわけではない、ということですね。

前田さん:
そうですね。DE&Iそのものをゴールにしている、という感覚はあまりないですね。あくまで、事業を成長させていくうえで、多様な視点があるほうがいい。その結果として、働き続けやすい環境や、多様な人が活躍できる土壌が育ってきた、という順番だと思っています。

実際、オイシックス・ラ・大地は「食の社会課題をビジネスの手法で解決する」というミッションを掲げ、社会の中にある困りごとや、まだ気づかれていないニーズに目を向けることで、新しいサービスや事業を生み出してきました。そう考えると、多様なバックグラウンドをもつ人たちが社内にいること自体が、すごく大きな価値なんですよね。

── DE&I委員会の活動においても、こうした考えはすごく大切にされている点ですか?

前田さん:
はい。研修でもよくお話しするのですが、DE&I委員会では、「これはやってはいけない」という伝え方は、基本的にしないようにしています。コンプライアンスやハラスメントについては、法務がしっかり担ってくれているので、DE&I委員会としてはそこを繰り返し強調する必要はないと考えています。

DE&I委員会では、いわゆるマイノリティと呼ばれる人たちへの理解を深める機会を、研修などを通じてつくってきましたが、あくまで大切にしているのは、「新しい価値を生み出すヒント」や「事業につながる気づき」です。

多様な人と関わることで、これまで見えていなかった社会課題に気づける。その気づきが、結果的に社会をより良くするためのサービスや事業につながっていく。そうした循環をつくっていきたい、という想いがあります。

働き方に、ひとつの正解をつくらない

── 折原さんは人事労務の立場から、多様な人が活躍できる環境づくりを実現するための様々な制度の設計や運用に関わっています。その中でも「これは特にオイシックス・ラ・大地らしい」と感じている制度は何でしょうか?

折原さん:
制度の名前として明確にあるわけではないのですが、「別々時短」という働き方は、すごくオイシックス・ラ・大地らしいなと感じています。これは、在宅勤務の日と出社する日で、勤務時間を別々に設定できる仕組みです。

たとえば、通勤時間が長い人の場合、出社するとどうしても働ける時間が短くなってしまう。一方で、在宅勤務の日は移動時間がない分、しっかり時間を確保して働ける、ということもありますよね。そうした一人ひとりの事情に合わせて、上長と相談しながら勤務時間を調整できるようにしています。

── 働き方を「一律」で決めない、という点が特徴的ですね。

折原さん:
そうですね。育児や介護、通院など、背景は本当に人それぞれですし、「この働き方が正解」という形を会社が一方的に決めるのは、あまりオイシックス・ラ・大地らしくないと思っています。

だからこそ、制度として枠をつくりつつも、最終的には個別にすり合わせていく。その人がいまどんな状況にあるのか、何を大切にしたいのかを聞いたうえで、一緒に働き方を考えていく。そのプロセス自体を大事にしている点が、ウチらしさなのかなと感じています。

(▲)オイシックス・ラ・大地では、育休の取得しやすさや、復職しやすい職場づくりを目指し、『復職式』を毎年開催。

── また、制度を「使われ続ける」ものにしていくために、意識していることはありますか?

折原さん:
一番意識しているのは、「制度を説明して終わりにしない」ということですね。産休や育休、時短勤務なども、制度としては用意されていますが、それをどう使うかは、本当に人それぞれです。

たとえば、産休や育休を取得する前には、出来るだけ面談の時間を取るようにしています。制度の内容を一方的に説明するのではなく、「不安に感じていることはありますか?」といったことを丁寧に聞きながら、その人にとって無理のない選択肢を一緒に考えていきます。

── 制度を“選べる”状態にする、ということですね。

折原さん:
そうですね。「この制度があります」という情報だけがあっても、実際にはどう使えばいいのか分からない、ということも多いと思います。特に男性の育休の場合は、給与や評価への影響を気にされる方も多いので、具体的な数字を見せながらシミュレーションをすることもあります。

実際に、育休を取るかどうか迷っていた方が、面談を重ねる中で「ここまで一緒に考えてもらえるなら、取ってみようと思います」と言ってくれたことがあって。だからこそ、現場の声を聞きながら、制度やサポートのあり方を見直していきたいですね。

当事者として考える、きっかけを届けたい

── DE&Iの推進という観点では、2023年に立ち上がったDE&I委員会の存在は欠かせないと思います。DE&I委員会では、これまでどのような取り組みに注力してきたのでしょうか?

前田さん:
DE&I委員会として、まず力を入れてきたのは、研修の企画と実施です。年に数回、テーマを決めて全社向けの研修を行ってきましたが、「LGBTQ+」「障がい」「SOGI」「多文化共生」など、扱うテーマは毎回変えています。

委員会として大切にしてきたのは、「自分ごととして考えるきっかけをつくる場」にすることでした。言葉としては知っていても、日常の仕事やメンバーとの関わりの中で、どうつながっているのかまでは、なかなか実感しづらい。だからこそ、できるだけ身近な視点から考えてもらえるような設計を意識しています。

たとえば、多文化共生をテーマにした研修では、戦火を逃れて他国へ避難し、その後来日したシリア出身のメンバーに登壇してもらいました。多くのメンバーにとって、そうしたバックグラウンドをもつ人が、同じ会社で一緒に働いている事実自体が、驚きだったようです。

その研修では、彼のほかにも、フランスや韓国籍のメンバーにも登壇してもらい、日本の会社で働くことや、日々の生活の中で感じていることを率直に話してもらいました。知識として聞いたことはあっても、実際のエピソードを通じて触れることで、「これまで自分が前提にしていた考え方」との違いに気づくきっかけになったのではないかと思います。

(▲)多くの社員が参加した、多文化共生をテーマにした研修

── 知識を伝えるというより、「気づき」を重視しているんですね。

前田さん:
そうですね。DE&I委員会では、「これは正しい」「これは間違っている」と線を引くような伝え方は、あまりしていません。それよりも、「こういう背景をもった人がいる」「こういう見えにくい困りごとがある」という事実を知ってもらい、そのうえで「じゃあ自分はどう関わるだろう?」と考えてもらうことを大切にしています。

研修後のアンケートを見ると、「すぐに何かを変えなきゃと思ったわけではないけれど、日常の見え方が少し変わった」といった声をもらうことが多いです。

研修をきっかけに、これまであまり接点がなかったメンバー同士で会話が生まれたり、登壇したメンバーに「研修、聞きましたよ」と声をかける人が増えたり。そうした小さな変化を目にするたびに、続けてきてよかったなと感じます。

DE&Iというと、大きな制度や方針の話に目が向きがちですが、委員会としては、まず「人と人との距離が少し縮まる」ことを大切にしていきたいと考えています。その積み重ねが、結果的に、誰かが困ったときに声を上げやすい環境や、多様な人が力を発揮しやすい土壌につながっていけばいいなと思っています。

オイシックス・ラ・大地らしいDE&Iの、その先へ

── 最後に、これからオイシックス・ラ・大地を、どんな会社にしていきたいか。働き方や、働く場所としてのあり方について、お二人の想いを聞かせてください。

折原さん:
そうですね。どんな状況になっても、「それでもここで頑張りたい」と思える人が、働き続けられる会社でありたいなと思っています。一人ひとり、置かれている状況は本当に違いますし、すべてに100%対応できるかといわれると、正直、難しい部分もあると思います。

それでも、「やりたい」「続けたい」という気持ちを、できるだけ尊重できるようにしたいです。制度や運用の面で複雑さが増すこともありますが、そこを理由に諦めるのではなく、人事としてどう支えられるかを、これからも考え続けていきたいですね。

うまくいかないことがあったり、運用で悩む場面があったりするのも事実です。それでも、その都度きちんと向き合いながら、少しずつでも前に進んでいけたらと思っています。

── 前田さんはいかがでしょうか。

前田さん:
DE&Iの取り組みをしていると、ときどき「マイノリティのためのもの」と受け取られてしまうことがあります。でも、私自身は、マイノリティと呼ばれる人たちが働きやすくなることは、結果的に、すべての人にとって働きやすい環境につながると考えています。

DE&Iは、「やらなきゃいけないもの」として語られがちですが、できれば、もっと面白がってもらえるものにしていきたいですね。多様な人がいることで、事業が広がったり、新しい視点が生まれたりする。その実例を、オイシックス・ラ・大地として、積み重ねていけたらと思っています。

「DE&Iに取り組んだほうが、結果的にうまくいくよね」

そんなふうに感じてもらえるような、オイシックス・ラ・大地らしいDE&Iのあり方を、これからも追求していきたいです。

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